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SOULNOTEは2025年秋、A-0、A-1、A-2のプリメインアンプ各機を「Ver.2」へと進化させた。フラッグシップである3シリーズの開発で得た知見を反映したアップデートだ。 なかでもA-2は、TO-3Pトランジスタによる4パラレル・プッシュプル構成をあえて2パラレルへと変更。出力を100W×2(8Ω)から80W×2(8Ω)に抑える一方で、4段ダーリントン回路のドライバー部における電力供給能力を大幅に強化した。その結果、スペック上の数値以上に、鮮度が高く力強い音像再現を可能にしたという。A-0、A-1、A-2の全機種で音の方向性は統一されているとのこと。シリーズ共通のフィロソフィーが貫かれたというその音を、お馴染みのリファレンス機材でじっくりと試聴した。
・完全無帰還回路の追求:
パワーアンプにセレクターとボリュームのみを付け、鮮度最優先の極シンプル・構成を採用。
・精密ペアリングされたTO-3Pトランジスタ:
出力段には厳選されたTO-3Pトランジスタを採用。同じ電流増幅率のものを、精密にペアリング(hfe指数による選別*)。パラレルプッシュプル構成の懸念点である「音の滲み」を排除している。
・強力なドライバー段による駆動力の向上:
ドライバー段にも出力段と同じTO3Pトランジスタを投入。ドライバー段にあらかじめ大電流を流しておくことで、出力段の電流変化に伴うhfe変動を瞬時に補完。強力な駆動力を発生させる。
・瞬時電流供給能力を優先した電源設計:
A-2より、出力電圧を下げ、8Ωの最大出力よりも、低インピーダンス時の瞬間的な電流供給能力を優先。聴感上のパワー感を格段に向上させた。
・リレー切り替え式バランスアッテネーター:
音量調整には、高精度抵抗をリレーで切り替えるアッテネーターをバランス型で採用。接点ロスを最小限に抑え、透明度の高い音場を確保。
・シングルボード・ダイレクト構造:
入力端子、入力セレクター、ボリュームから無帰還電圧増幅ステージに至るまでを、一枚の多層基板に集約。最短信号経路を実現し、振動やノイズの混入を物理的に遮断した。
・70μm厚銅箔・4層基板の採用:
大電流供給に耐えうる70ミクロン厚の銅箔を採用した4層基板を導入。
・無接点ワイアリング:
コネクタを排し、ケーブルを基板へ直接半田付けする手法を採用。接点抵抗による音質劣化を排除。
・チムニー型ヒートシンク:
熱対流を促進し、冷却効率と音質を両立させるチムニー(煙突)構造のヒートシンクを搭載。
・「音楽最優先」の筐体構造:
トップカバーの無固定化、電源トランス直下のスパイク設置、基板の無固定化(フローティング)など、独自の振動コントロールにより開放的な響きを追求。
*トランジスタのhfe(電流増幅率)について
エミッタ接地における電流増幅率を指す。トランジスタは製造上の個体差や周囲温度による特性変化が生じやすい素子である。特に無帰還・パラレル回路においては、特性の異なる素子が混在すると信号のタイミングや振幅にズレが生じ、「音の滲み」の原因となる。そのため、SOULNOTEでは厳格な選別によるマッチングを必須としている。
●SACDプレーヤー:marantz/SACD30n
●スピーカー:YAMAHSA/NS-5000
SOULNOTEの音は、生き生きとした鮮度、力強さ、そして圧倒的な実在感だ。どこまでも伸びゆく高域と音の厚み、引き締まった低域、さらには前後左右の位置関係を表現し、自然界で聴く生の演奏に極めて近い。音楽ジャンルを問わず、「もっと聴き続けたい」という根源的な欲求を呼び起こしてくれる。
設計者である加藤秀樹氏は、アンプ開発において無帰還回路を採用した際、4段ダーリントン回路のドライバー部分における電力不足が露呈したと語っている。その対策として電力回路を増幅した結果、CDの信号そのままの鮮度の高い増幅と、時間差のない鋭い立ち上がり、力強い低域、演奏会場の空気感までも再現することが出来た、と言う。
綺麗で洗練された音は崇高なものだが、歌手や演奏家の生に近い演出を味わいたいのであれば、SOULNOTEの一連の製品は十分、要求に応えるものであるように思う。
SOULNOTEの音を料理に例えるなら、素材の良さと鮮度を極限まで生かした一品が思い浮かぶ。例えば静岡市内の寿司屋で「お任せ」を頼んだ際、真っ先に出されるマグロの赤身や中トロの艶やかさ。あるいは由比漁港で、朝採れの桜エビを贅沢にかき揚げにした丼。それらが持つ誤魔化しの効かない「本物の旨味」は、今回のA-2 Ver.2が奏でる音に通じるものがある。目の前で繰り広げられる演奏に、自分が前のめりになるような感覚――。それはまさに、鮮烈な素材を味わう悦びに似ている。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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透明感のある声がライブ会場の空気そのものを伴って空間に溶け出していく。発声のデリケート感が生々しく、伴奏のピアノも確かな実在感を伴ってそこに佇み、歌に引き込まれるような再現性を持っている。音像は明瞭で、声は若干明るい雰囲気だが、曲の哀愁感、はかなさを醸し出してくる。オーディオの存在や製品の価格といった世俗的な事柄は意識から消え去る。A-2 Ver.2は、聴き手をそんな深い没入へと誘う力を持っている。
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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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録音の優秀さで知られる一枚だが、A-2 Ver.2を通すと、声、楽器が、まるで「地に足が着いた」かような力強い音を、当たり前に出してくる。歌手の明るく明快な声と、ピアノの音も明瞭であり、秀逸な実存を感じさせる。各々の楽器の立ち位置も、前後左右の間隔を持って再現する。CDというフォーマットにこれほどまでの情報が刻まれていたのかと、改めて驚かされるレベルにある。このアンプは、シーネ・エイという歌手の持ち味やテクニックや彼女の音楽的な特色を極めて掴みやすく提示してくれた。
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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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ビッグバンドジャズの低音に裏付けられた迫力を大いに感ずる。構成する楽器の再生は実存感に富み、ビッグバンドを眼前で聞いているようである。金管楽器、木管楽器の区別なく、楽器の質感を出してくる。音は厚みがあり、各々の音が混じりあうことなく、躍動感に富んでいる。打撃音に違和感をもたず、全ての楽器の表現が生々しい。音の鮮度と力強さが両立している。耳を圧する迫力がありながら、決して聴き疲れをさせない。いつまでも浸っていたくなる、極上のジャズ体験となった。
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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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鮮度高く鮮やかなバイオリンの音であり、ピアノの音もふくよかで、余韻に富んでいる。バイオリンとピアノの緻密なポジショニングが手に取るように分かり、音像の立体感も極めて明瞭だ。
特筆すべきはピアノの再現性である。鍵盤を叩く指の動きが見えるかのように音階がはっきりとしており、まさに生演奏を目前にしているような錯覚に陥る。長時間のリスニングでも聴き疲れしないのは、生演奏に近いためであろう。曲が持つ「春」のイメージより、奏者の卓越した技量や表現の凄みに意識が向かう――。そんな、鮮度と力強さが両立した、説得力に満ちた再生音であった。
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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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音が出た瞬間、その鮮烈さに息を呑む。目前には広大なオーケストラのステージが浮かび上がり、金管楽器の鮮やかな音が生々しく鳴る。金管・木管を問わず、それぞれの楽器が持つ固有の質感が明瞭で、音は脚色なく、まるで生演奏そのものを聴いているかのような錯覚を覚える。
力強く地に着いた音が再現され、各楽器が位置関係を明瞭に生き生きと奏でられ、迫力に満ちている。作曲家の絵画に基づく曲想が分かりやすいが、それ以上にオーケストラが放つ「音の生々しさ」そのものに強く引き込まれてしまう。それはまさに、コンサートホールの特等席で、指揮者のタクトから放たれる熱量をダイレクトに浴びているような、贅沢な体験に浸れる。
今宵は、古代ギリシャの音楽を聴きます。このレコードは、フランス ハーモニア ムンディ社の製作で、オーディオ評論家、長岡鉄男さんが、ぞっとする程の生々しい優秀録音と評した一枚です。曲風は素朴ですが、古代の楽器が、厚みを持って明確に再現されます。
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