2026年11月(2)試聴レポート

MIXEL ORIGINAL18 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2026年11月(2)

MIXEL ORIGINAL18 曲面構造円筒型スピーカー

有限会社ミクセルは、ガラス振動板を採用したMarkAudio製8cmフルレンジユニットを円筒キャビネットにマウントし、MIXELスピーカーとして発売した。
従来のガラス振動板は「硬質でクセが強い」という評価であったが、日本電気硝子が折りたたみスマートフォン用に開発した超薄板ガラス(Dinorex UTGR)の採用により、その評価は大きく変わった。極めて高い表面平滑性と適度な内部損失を持ち、音の立ち上がりから消え際までを自然に描き出し、音楽の細部に至るまで透明感のある再生を可能にしている。
この素材は台湾のGAIT社で振動板状に3D加工され、MarkAudio社によってスピーカーユニットとして製品化された。ミクセル社では、独自開発した円筒型エンクロージャーにこのユニットを取り付け、独自の脚部形状によって不要な共振を排除し、自然で広がりのある再生を実現している。

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技術的特徴

●8cmフルレンジユニット
●周波数特性:60Hz~40kHz
●定格出力:10W
●インピーダンス:4Ω
●能率:86dB

リファレンス機器

●marantz SACD30n:ネットワークSACDプレーヤー
●marantz MODEL 30:プリメインアンプ 

音の印象

しっとりとした音場の中に、クリアでレスポンス(反応性)の高い音像が立ち現れる。女性ボーカルでは声の明るさや優しさ、テンポ感の良さが際立ち、胸が躍るような躍動感が伝わってくる。伴奏のピアノも艶やかで確かな存在感を示す。


ビッグバンドでは、各構成楽器の分離が良く質感も豊かで、迫力たっぷりに再現されるが、会場全体を揺らすような超低音域の再生には少し荷が重い印象を受ける。


クラシックのヴァイオリンとピアノによるデュオでは、双方の音色が美しく、クラシック特有の荘厳な響きを十分に感じられる。オーケストラにおいては中高音域が非常に明瞭なため、メロディラインが把握しやすく、気軽にシンフォニーの魅力を楽しめる。


比較的手の届きやすい価格設定であるため、洗練されたインテリアとしてリビングに馴染ませつつ、ボーカル曲や小編成のジャズ、クラシックをBGM的に楽しむのも良し、スピーカーと正対してじっくりと音楽に向き合うのも良し、と感じさせる魅力的なモデルである。

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ジャンル別試聴

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1)手嶌葵 『AOI WORKS』より「さよならの夏」
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落ち着きのある明瞭な歌声で、ボーカルの定位感に優れ、しっとりと広がる音場が印象的。ピアノの音色も極めて自然で、優しく歌声に寄り添っている。女性ボーカル特有の柔らかな質感がストレートに伝わり、どこかノスタルジックな情緒を感じさせる。小柄なユニットながら音の重量感もしっかりと確保されている。


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2)シネ・エイ(Sinne Eeg)『Face The Music』より「What A Little Moonlight Can Do(月光のいたずら)」
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しっとりとした音場感は共通しているが、音に切れと、スピード感があり、実に魅力的な音色を聴かせる。伴奏の各楽器が明瞭に分離し、明るく躍動感にあふれた、もたつきのないレスポンスを誇る。中高域の表現力が非常に魅力的である一方、超低音域の再生にはやや限界も感じられる。しかしながら音のスケール感は十分で、ヴォーカリストの実力の高さがしっかりと伝わってくる。


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3)マンハッタン・ジャズ・オーケストラ(Manhattan Jazz Orchestra)『Sing, Sing, Sing』より「Sing, Sing, Sing」 --------------------------
ビッグバンドを構成する各楽器の分離が良好で、中高域の切れが良い。楽器ごとの質感の描き分けも見事である。サイズの割にほどよく低音の迫力が感じられ、全体のスピード感と相まって聴いていて非常に楽しいビッグバンド再生を聴かせる。


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4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』
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ヴァイオリンの音色が美しく、ピアノの響きも艶やかで、クラシックらしい荘厳さをしっかりと感じさせる。耳に馴染みの良い素直な音色で、聴いていて安心感を覚える。家庭において、日常の中でさり気なくクラシックを楽しむのに相応しい再生力を備えている。


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5)ムソルグスキー:『展覧会の絵』より「プロムナード」「こびと」
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曲を構成する各パートの描写が明瞭で、絵画のイメージを音で描いた本作の魅力を解像度高く伝えるクラシック表現。重厚感こそ控えめなものの、オーケストラとしての存在感は十分に伝わってくる。BGMとしてカジュアルに聴くには十分な再生力があり、価格帯を考慮すると極めて再現力が高い。


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6)ダイアナ・クラール(Diana Krall)『When I Look in Your Eyes』より「I've Got You Under My Skin」
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弾むような低音のリズムに乗って、ダイアナ・クラールの囁くようなスモーキーボイスがくっきりと浮かび上がる。コンパクトなキャビネットサイズからは想像以上の低音を感じ、スケール感を楽しめる。

TODAY’SONG

今宵は、ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)の『Once Upon a Summertime』を聴きます。 現在放送されている朝ドラ(NHK連続テレビ小説)は宇野千代の生涯を描いた『ブラッサム』ですが、このタイトルも英語の「Blossom(花、開花)」と同じ意味合いですね。 ブロッサム・ディアリーの歌声はまるで可憐な子供のようですが、歌唱力は非常に高く、「可愛らしいけれど確かな実力派」という言葉がぴったりです。MIXELの佇まいを見ていると、ふと取り出して聴きたくなる名盤です。

ブロッサム・ディアリー ジャケット ブロッサム・ディアリー レコード盤

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