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現在のオーディオ業界は、新製品が発売されるたびに高額化が進んでいる。性能の向上は喜ばしいことだが、庶民的な感覚や若い世代の感覚からは、次第に手の届かない世界になりつつあるのも事実だ。メーカー側としても事業を継続するためには、新たな需要層を開拓していく必要がある。
そうした中で近年、注目を集めているのが、スピーカーにアンプやネットワーク機能を組み込んだ「アクティブスピーカー」だ。Apple MusicやSpotify、Qobuzなどのストリーミング配信の再生を前提としながら、システムを一体化することでコストパフォーマンスの向上を目指した製品と言えるだろう。もちろん、従来のアナログ音源の再生にも対応している。
配信音源の再生において課題となる伝送時の低ノイズ化についても、今回発売されたYAMAHA「NX-70A」やKEF新製品「LS LUXE」といったモデルを見ると、メーカー側で緻密なチューニングが施されており、ユーザーは音源を接続するだけで手軽に高音質を楽しめるようになっている。
テレビやラジオから流れてくる音には、スペックや音質に関わらず「ずっと聴いていられる」心地よさがあるが、これはメーカーが人の声を最も自然に再現できるようチューニングしているためだという。今回取り上げる製品もそうした親しみやすい良さを備えつつ、本格的なHi-Fiクオリティを手頃な価格帯で実現している。若い人々にこそ、この手軽さと本格的な音楽の素晴らしさを味わっていただきたいと思い、本機を取り上げた。
1、アンプ・ネットワーク機能を一体化
スピーカー本体に高品位アンプとネットワーク機能を内蔵し、単体で多彩な音源の再生に対応。
2、ザイロン®繊維×スプルース材による「ハーモニアス ダイアフラム」
振動板に極めて高い強度のザイロン®と、グランドピアノの響板にも使われるスプルース材を混合した素材を採用。ツイーターとウーファーの音色の統一を図る。
3、シナジスティック・ドライブ
スピーカーをアンプ回路の一部として組み込み、ユニットの駆動状況に応じてアンプの電流を精密に制御する独自駆動技術。
4、自動音場補正機能「YPAO」(Yamaha Parametric room Acoustic Optimizer)
部屋の形状や壁の材質、設置場所による音質変化を測定・補正する自動音場補正システム。付属の専用マイクを用いて高精度な補正を行う。
・ステレオ再生で重要となる初期反射音を精密に制御(YPAO-R.S.C.)
・64bit演算処理によるハイプレシジョンEQイコライジング
・小音量再生時でも自然な音質バランスを維持する「YPAO Volume」を搭載
5、2ウェイ・スピーカー構成
13cmウーファー、3cmドーム型ツイーターを採用。
Qobuz ストリーミング音源を使用
輪郭がくっきりと際立つ、明瞭で反応性の高い音が聴ける。全体的に明るいトーンでありながら、音の背景にあるS/N感(静寂感)もしっかりと伝わってくる。Qobuzのハイレゾ音源が持つ情報量を、スピード感を持って再現する。
13cmウーファーというサイズ感でありながら、ビッグバンド、オーケストラも重量感を持って再生され不満は無い。スピーカーが作る空間は、スピーカーサイズを超えて広がり、声や楽器の質感の再生能力が高い。
J-POP、ジャズ、クラシックと幅広く聴き進めたが、ジャンル別の適合、不適合は感じられず、どの楽曲も素直に音楽に没頭させてくれる再生能力の高さを備えている。
スピーカーとアンプを一体として開発・製造する方式が、スピーカーの性能を最大限に、発揮させるのに貢献している。セパレートコンポーネントのように異メーカー同士を組み合わせた際に生じがちな僅かな違和感や不満要素がなく、システムとしての完成度が極めて高い。気軽に、配信音楽を高性能に楽しめる機器の登場を心から歓迎したい。
使用音源:Qobuz(ハイレゾストリーミング)
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1)手嶌葵:
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声は明瞭で、明るく華やかであり、音場空間に彼女の繊細な歌声が浮かびあがる。伴奏のピアノも非常に艶やかだ。しっかりとした芯のある低音再生が全体に落ち着きをもたらしつつ、今にも触れると微震(びしん)を感じさせるような極めて繊細なニュアンスまで描き出す。曲の持つ静けさと声の表情が自然で、聴き応えがある。
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2)シーネイ(Sinne Eeg):
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背景は非常に静かで、シーネイの音像定位よく歌声が浮かび上がる。声は非常にはっきりとしており、ベースのきりりとしまった音もリアルである。伴奏のピアノの音色も艶やかに自然で、定位良く、歌手、ピアノの位置を明確に表す。レンジも広く、スピーカーのサイズ以上の大きな音場を再現する。全体的に落ち着きのある音だが、華やかさも十分に表現し、全体的なバランスはとれている。これほどの表現力があれば、家庭でのリスニングにおいて十分な満足感を得られる。
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3)マンハッタン・ジャズ・オーケストラ:『He’s a Pirate』:
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一つ一つの楽器が明瞭に再生され、バランスよく構成された統一感から、ビッグバンドジャズ妙味を味わえる。テナーサックスやバリトンサックスの低音の再生も迫力があり、中高域とのバランスが取れている。金管楽器の質感が良い。落ち着いた躍動感があり上品な迫力が良い。音にスピード感がある。
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4)ベートーヴェン:『バイオリン協奏曲 ニ長調』:
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各楽器の分離良好で存在感があり、オーケストラの重厚感が良い。バイオリンの響き渡る余韻も自然で定位良く、オーケストラのスケール感の中に存在する。バイオリンとオーケストラのバランスが良い。全ジャンルの中庸が取れている。聴きやすい音楽表現である。
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5) ムソルグスキー:『展覧会の絵』:
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コンサートホールの空気感やオーケストラのスケール感を明瞭に演出。絵画の情景をモチーフにした作品のドラマチックなダイナミクスを、見事に描き切っている。
今宵は、平賀マリカのアルバム『Mona Lisa』を聴きます。彼女の爽やかで、ちょっと色っぽい歌声が、ナットキングコールのヒット曲を奏でます。録音の良さも相まって、時々聴きたくなるアルバムです。
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