ご購入のご相談はお電話でも承ります


2023年から「私のジャズ愛聴盤をAV BOX試聴室のスピーカーで聴く」というのをシリーズで書いています。その中でセレクトして聴いたSonus faber/Olympica Nova Ⅲは、ポピュラーミージックやクラシック室内楽向けの明るい音作りだったと言う印象でした。その後間もなく「Olympica Nova V」を聴く機会がありレポートしました。その時歯切れのよい低音に魅了され、この音を私のジャズ愛聴盤で好きにじっくり聴きたいなぁ、、、との思いがずっとあり、今回その機会を得たので早速、自前の愛聴盤を持ち込み聴かせてもらいました。時は空いてしまいましたが、シリーズ第5回目として取り上げます。
【1】JUNE CHRISTY (ジューン・クリスティ)THE INTIMATE MISS CHRISTY
【2】BILL EVANS(ビル・エヴァンス)PORTRAIT IN JAZZ
【3】LEE MORGAN(リー・モーガン)CANDY
【4】BOBBY HUTCHERSON(ボビー・ハッチャーソン)APPENINGS
【5】DUKE ELLINGTON(デューク・エリントン)THE GREAT PARIS CONCERT
【6】KEITH JARRETT(キース・ジャレット)STILL LIVE
・スピーカー:Sonus faber/Olympica Nova V
・LPプレーヤー:YAMAHA/GT-5000
・カートリッジ:DENON/DL-103R
・プリアンプ:Accuphase/ C-2900
・パワーアンプ:Accuphase/A-80

Olympica Nova ⅢとⅤの違いはエンクロージャーの大型化と、ウーハ―が18cm×3になっただけだが、Vの描き出す低音は歯切れよく重厚で、中高域の音楽表現を繊細で深いものにしている。歌手の音像は演奏空間の中にクッキリと浮かび上がり、伴奏の楽器も立ち位置が明瞭で、ライブハウスの空気感を醸し出し、録音スタジオの雰囲気も感ずる。その音は、ちょっと濃厚な味つけがしてあり、声、楽器の質感が生々しく表現される。ビッグバンドジャズやオーケストラでは、躍動感のある低音が演奏会場にいる様な高揚感を味あわせてくれる。
-------------------------
【1】JUNE CHRISTY/THE INTIMATE MISS CHRISTYよりTIME AFTER TIME
--------------------------
フランクシナトラが歌い、「時を重ねても、君を愛し続けているのは、とっても幸せなことだ」と言う歌詞。チェットベーカーのアンニュイな歌声で流行りましたが、私はジューンクリスティのハスキーでチョットお酒が入っているような歌い方が好きです。

♪ 若干明るい声のクリスティ。その歌声の質感は深く、抑揚のかけ方、情感の込め方、息継ぎの綾、微細な音まで描き出す。ギターの音もはじける様な躍動感と実存感がある。ナイトクラブのライブステージで味わっている様な生々しさがあり、音があふれ、豊穣な雰囲気が再現される。高音から低音までバランスが良好。歌手の存在、伴奏楽器の存在がリアルで、声や楽器の質感の深みや空気感を鮮やかに描ききる。
-------------------------
【2】BILL EVANS/PORTRAIT IN JAZZよりAUTUMN LEAVES STEREO版
--------------------------
演奏開始1分後あたりから始まるEVANSのPIANOとSCOTT LAFAROのBASSとのPLAYが緊張感の中に絶妙のやり取りが行われ、思わず背中がゾクゾクする気がします。長年聴き続けても飽きることはありません。

♪ 古い録音だが、眼前で聴いている様な生々しさがある。ピアノ、ベース、ドラムの立ち位置が明瞭。音域バランスは自然で、ベースの躍動感を伴う鳴り方も実存感があり、歯切れが良い。ピアノの音は艶やかで、低音の重みもあり、旋律の展開が明瞭な為、演奏の深さが良く分り、音楽の深さがわかる。豊穣な時間がある。低音の歯切れが良く、38cm×2のダブルウーファーで聴いている様な低音で、分解性高い。
-------------------------
【3】LEE MORGAN/CANDYよりCANDY 、SINCE I FELL FOR YOU
--------------------------
新宿DIG(60年代を象徴するジャズ喫茶)のJBLのスピーカーから流れた曲で、LEE MORGANのチョット不良ぽい演奏が自分のJBLではなかなか再現できず、音作りの目標になったLPです。また、SINCE I FELL FOR YOUのバラードは、淡々と吹いてはいるが、LEE MORGANの天才ぶりが感じられる一曲です。

♪ 音のスピード感が高く、トランペットの歯切れ、ドラムの質感が良く、ジャズ演奏の切れの良さに繋がっている。実存感が高く、眼前で演奏を見ている様な生々しさがある。この生命感があり、生き生きした感じはどこから来るのだろう。基本的に明るい音だが、他の複雑な要素をいっぱい表している。
-------------------------
【4】 BOBBY HUTCHERSON/HAPPENINGSよりMAIDEN VOYAGE
--------------------------
ボビーハチャーソンのクールなヴィブラフォンにハービーハンコックの知的なピアノが絡みます。涼やかな演奏に全てを忘れ没入します。ブルーノートの熱っぽいエネルギッシュな演奏を聴くのに、チョットしんどくなって聴き始めた曲です。

♪ 一皮むけたようなブルーノートの音。バイブ、シンバルの音、ピアノの音、それが立体感を伴って再現される。低音の歯切れのよさ、反応性の速さが、リアルな存在感となっている。バイブの金属の質感が良く、空気感まで描き出している様。オリジナルLPが躍動感に富んでいて、スピーカーが躍動感にとんでいる訳ではない。
-------------------------
【5 】DUKE ELLINGTON/THE GREAT PARIS CONCERTよりALL OF ME
--------------------------
ジョニーホッジスのアルトソロとジャズバンドのダイナミックミックな演奏を見事にとらえており、非常に優れた録音だと思います。当日の、ライブの熱っぽさと興奮が伝わってきます。

♪ ジョニーホッジスのアルトが太く、存在感があってたまらなく良い。歯切れよく目の前にステージが広がる様。レンジが相当広く、音像が眼前に浮かび上がり、生の演奏を見ている様な細かな再現性がある。優秀録音に対する適応性は相当なレベルである。
-------------------------
【6】 KEITH JARRETT/STILL LIVE よりSOMEDAY MY PRINCE WILL COME
--------------------------
1988年ECM録音で、ジャズの舞台がヨーロッパにも移りECMレコードが登場した時、録音はエネルギー感の再現から余韻や静寂感も盛り込んだ繊細なものに変り、JBLも表現を陰影を含み憂いを感ずるものに変えた。そんなECMを代表する演奏者のKEITH JARRETT のSOMEDAY MY PRINCE WILL COMEは、デズニー映画のロマンティックなメロディの変転と、ゲイリーピーコックの繊細に呼応するベースと、ジャックディジョネットの絶妙にバックアップするドラムのやり取りには、何度聴いても陶酔します。

♪ 音は濃厚に再現されるが、不自然さは無く、自然な低音と繊細さで品位ある演奏を再現している。低音の再現が歯切れよく、ピアノ、ベースの音が生々しく、空間に浮かび上がる。低音が作ったような音では無く、自然感が漂い奥深い雰囲気を描き出す。ECMの透明感をもっと描き出すスピーカーは存在する。
Sonus faberを生んだ国、イタリアを一度訪れたことがあります。ミラノ、ヴェネチア、ローマ等の、ローマ帝国時代の周囲を圧倒する威圧感のあるドーモオやコロッセオ等は華やかで素晴らしく、トスカーナ州に点在するフィレンチェや、シエナ、ピアンツァ、サンジミニャーノ等の中世の町は生活感が漂い親近感が感じられました。 Olympica Nova Vの音は、トスカーナ州のノスタルジックな風景を連想させるものではなく、ダイナミックで力強い音。むしろ、ローマのコロッセオやミラノのドーモオに見られる圧倒的な迫力を感じさせます。オペラやクラシックオーケストラを再生するには、地を這うような低音とエネルギーが必要で、十分それに答えうる性能を持っています。Olympica Nova Vで様々なアーティストの演奏を聴き進めると、もっと土臭くエネルギーを発するアーティストの魅力が発見できる気がします。ジャズの演奏は抑圧された黒人が自分の意志を音楽で表現する数少ない機会であり、自分の希望がかなった時の演奏は観客と一緒になって、陶酔の世界に入って行く。このスピーカーはそんな興奮を作り出してくれるような気がします。
特価販売価格、試聴に関するお問い合わせなど、お電話・メール・お見積りフォームにてお待ち申し上げます。