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あずみ野は沼津市下香貫にあり、西には旧沼津御用邸、沼津漁港、東には香貫山と歴史のある環境に囲まれている。伊豆長岡に抜ける街道沿いには車関係のお店や近代的なレストランが立ち並び、あわただしい生活感が感じられる。そんな中、あずみ野は木々に囲まれ、木造つくりのドアと透明なガラスがはめられた窓が印象的な喫茶店である。
あずみ野と言う店名はご主人の奥様の出身地、信州から名づけられ、創業は1975年で、もう51年目に入っている。使い込まれた調度品が、代えがたい落ち着きを醸し出している。
あずみ野は本来、喫茶店だが、主人が趣味で始めたオーディオがいつしかクラシックを聴かせる店として定着していったようだ。今はやっていないが、お客さんが持参したレコードを再生することもやられていた。
コーヒーはネルドリップで淹れられ、モーツアルトブレンド、バッハブレンド、ベートーベンブレンドと名前が付けられ、主人が各々の作曲家の作風に合わせてブレンドしたもの。モーツアルトブレンドをいただいたが、浅入りでコクのある味わいである。モーツアルトの軽やかで優雅な雰囲気を表している。またコーヒーカップは、三彩焼で初めて見るものである。
いろいろ話を伺うと、あずみ野の歴史と共に、オーディオも変遷を繰り返した歴史を持っている。使用機器は、スピーカーがタンノイコーナーヨーク、モニターゴールド仕様であるが、モニターシルバーの音を理想として、再生の目標にしている。音質はクラシック音楽の本質を知り尽くした技術者の意欲が感じられるようだ。
アンプは、プリがZAIKA SR-7A モノパワーがZAIKA 845VOCALISTⅡ、レコードシステムがガラード301をオリジナルキャビネットに入れ、デッカMARK1のカートリッジを専用アームに取り付けている。白眉は、ZAIKAのプリパワーで、安斉勝太郎氏の設計である。
安斉勝太郎氏は、無線通信機器の技術者で、南極観測船「宗谷」の無線通信システムや、帝国劇場の音響システム、東京オリンピック時の国立競技場のPAシステムの設計に携わっている。テレフンケンの真空管が日本国内では手に入らない時代、上海まで出かけ入手したようだ。その直熱3極管駆動による無帰還シングルアンプは、人の声が生々しく、臨場感が豊かに再現できる。声は音楽の原点であり、声が正しく再現されるオーディオ機器なら、インストルメンタルの音楽でも、深い音楽性を聴かせてくれるという。レコードプレーヤーも以前はガラード401を使用されていたようだが、301の中高域が濃厚で迫力のある音がお気に入りのようだ。
ご主人がオーディオにかける思いは、再生される音楽には作曲家や演奏者の魂が感じられなくてはならないとの事。聴かせていただいた再生音は、音像が明瞭で、各演奏者の定位が自然であり、さらに、豊かな響きが付与されている。しかも、すべての音がどっしりとした骨格を持ち、音楽の荘厳さを醸し出してくるのである。
聴かせていただいた音源は、カルーソ イタリアカンツオーネ集:カルーソの渾身の発声が重みをもって伝わってくる。
※画像無し
グレングールド:ベートーベン運命をピアノソロで弾く、芯のあるピアノの音が演奏をスケールの大きいものにしている。
グレゴリオ賛歌:荘厳な聖歌とパイプオルガンの重厚な響きが生々しい。
シゲティ:バッハのバイオリンソナタ。弦を擦る弓の音が生々しい。
どれも、旋律に引きこまれるような雰囲気に包まれる。店主の言う、演奏家の魂を感じる音を再現する、との意気込みが十分感じられた試聴タイムであった。
ご主人は、人と人の出会いを大切にする。ZAIKAのアンプの導入するきっかけとなったのは、安斉氏がお店を訪れ、アンプの技術者であるのを知り、オーディオ工房を訪れたのが始まりであった。偶然の出会いにより、幸運が生まれた不思議さを感じる。また、お客さんから言われ、レクエムを合唱する教会の空間の大きさが分るような再生を大事にしている。スピーカー横に置かれたグランドピアノの下には、木角材とノコギリが置かれ、新たな取り組みが行われるようである。このあずみ野と言う喫茶店は、ご主人、お客さんが一緒になって作り上げてきた歴史の場のように感じた。
■喫茶「あずみ野」
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TEL:055-932-5444
営業時間:8:00~20:00
(ラストオーダー:19:30)
定休日:月曜日
所在地:沼津市下香貫島郷2976-2
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