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アキュフェーズより、新しいA級パワーアンプ「A-80」が10月(2023年)に発売された。モノパワーアンプA-300を1年前に開発し、その技術を盛り込んだステレオパワーアンプの誕生である。A-300は立体的な演奏空間と、歌手や演奏者の技量や曲に対する情熱まで描き出したが、この度の「A-80」はどこまで迫れるか試聴してみた。
●オンセミコンダクター製MOS-FETの採用により、A級領域の電気信号を制限なく流せるようになった。10パラレル採用。
●定格出力 65W/8Ω 130W/4Ω 260W/2Ω
※参考(A-75 :60W/8Ω 120W/4Ω 240W/2Ω)
●高効率トライダルトランスとフィルターコンデンサーの組み合わせ 120.000μF
※参考(A-75 :100.000μF)
●消費電力 8Ω定格出力時 350W 、※(A-75 370W )
●ゲイン配分技術で、ノイズレベルをA-75より7%改善
●ダンピングファクターは1.000を達成
●信号入力部に12.6倍のゲイン、電力増幅部に2倍のゲインを割り当て、ノイズを減少
●スピーカー端子の直近から、信号とGNDを帰還させる
●信号入力部がバランス回路
●MCS+回路 電圧増幅段を2並列回路
●カレントフィールドバック回路
●プリアンプ:Accuphase/C-2900
●SACDプレーヤー:ESOTERIC/K-05XD
●スピーカー:YAMAHA/NS-5000
「A-80」が前作のA-75からどのように変化したかをレポートするにあたり、A-75でのリファレンス機器であったCDプレーヤーのアキュフェーズDP-750がモデルチェンジとなったため、今回は、エソテリックK-05XDでの試聴となる。そのため、あくまでも参考までの評価としてもらいたい。
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前回のリファレンス機器 C-2900 + A-75 + NS-5000+DP-750で聴いた時は、透明な空間が現れるなかに、溶け込むように音像が存在した印象で、CDプレーヤーがK-05XDの場合では、低域がDP-750と比べて少し締まり気味だなと感じた。でも今回「A-80」で聴くと、低域がバランス良くたっぷり出ていて、音場に深みが生まれ、空間の中に音像が浮び上がるよう。さらにその音像は音に厚みと存在感をもって出現する。しかも芯が入ったように明瞭である。これが、K-05XDの効果なのか「A-80」の効果なのか分からないが、透明で華麗な空間ではなく、歌手や楽器が実存感のある空間になり、NS-5000の音に骨格が生まれたようである。
※音の印象でも書いていますが、今回はエソテリックK-05XDの音と、A-75の組み合わせで聴いた音を思い出しながらのレポートとなっています。ソフトはK-05XDでレポートした時と同じです。前回このリファレンス機材でJBL 4367WXも聴いていますので、その比較にも触れています。
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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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NS-5000の表現は、JBL 4367WXに比べてしっとりとした落ち着きを感じる。レンジは広く、音の厚みもあり、声の表情も明瞭で、チェロの音も明瞭に響く。スパッと切れる音では無く、女性の声の優しさ、柔らかさ、余韻や響きを感じる。質感をつかみ易い。音の分離と解像力が良い。
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2)JAZZ VOCAL :女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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A-75より、A-80方がレンジの広さと低音の豊かさを感じる。A-75の時は透明感のある空間に、音像が溶け込むように存在するのを感じたが、A-80は深みのある空間から音が響いてくるように感じる。リラックスして聴ける音になっている。音は明瞭だが、エネルギー感はJBLに比べると控えめ。音楽を楽しく聴かせる組み合わせ。このCDはYAMAHAの方が良い。声、伴奏の楽器の分離が良く、歪感の無さも良く、上質な音楽として耳に届く。YAMAHAの音に骨格が入ったようになる。
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3)JAZZ :ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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音の分離良く、アルトサックスの質感や演奏の巧みさがストレートにわかる。音に曖昧さが無く、メインの楽器の演奏と伴奏の楽器が滲みなく分離して鳴る。ピアノの音も綺麗に鳴る。エネルギーを浴びせるような音では無いが、心地よく長く聴いていたいと、その雰囲気に浸りたくなるようなバランスになっている。YAMAHAでもJAZZはOK。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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空間の深みが生まれ、ピアノの音が宙に舞い、艶やかで、快活に弾むように奏でられる。指先が鍵盤の上をコロコロ弾いている動きが明確にわかる。低音も深みがあり、ピアノの音も、A-75の時に感じた低音の不足を感じない。全ての音に曖昧さが無い。重低音も良く響く、演奏の迫力も生々しく伝わってくる。
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5)CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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音の明瞭さと、演奏空間の深さが生まれている。バイオリンの音が空中にさまよい、全ての音にゆとり感がある。艶やかさも快活さも明るさも落ち着きも、あるがままに表現している。音楽の森厳さと格調の高さを感じるがおとなしい音では無い。自分の感性だが良い音だなと思い、音楽に聴き惚れる演奏が出現している。
今宵は「加古隆のいにしえの響き」を聴きます。加古隆は、もともとクラシックを学んだ人ですが、ジャズの演奏にも造詣があります。NHK映像の世紀では、パリは燃えているか、を作曲し、実力の高さを証明しています。いにしえの響きは、加古隆のソロピアノのアルバムで、静謐(セイヒツ)な曲から、躍動的で重厚な曲まで様々に演奏し、正に、色鮮やかなポールクレイの絵のようです。
11月2日~5日のセレモニーを含めた4日間、静岡大道芸ワールドカップが行われました。今年は昨年とは変わり、外国人演技者の招聘とフルスケジュールでの開催で、集客人数は118万人でした。城内ではタイムスケジュールのパンフレットが売らていたり、有料で行われる演技も多くありました。考えてみれば、以前は投げ銭を持って気ままに出かけて行きましたよ。駿府城公園、呉服町通りがお祭りムードと高揚感に包まれ、芸人さんとの一体感が生まれる!そんな地域と密着していたあの日の大道芸とはどこか違ってきているようで、なんとなく寂しさを感じた一日でした。
クリスマスソングが流れてくる季節。なんとなくあわただしい日々の中で、ひと時「いい音」を聴いて、素敵な気分で2023年を締めくくりたいですね。
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