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MartinLogan社 は、米国カンザス州に本拠を置き、1983年創業の静電技術と薄膜技術を持つスピーカーメーカーである。静電型(コンデンサー型)スピーカーは、英国のQUADが有名で、中高音は綺麗だが低音が不足し、音が平面的に広がり、大出力が出ないと言う欠点を持っていた。MartinLogan社では、中高域部分のフィルム振動板を湾曲させて音場を立体的にし、低音部分はアルミコーンウーファーを使用し補完している。この度、AV BOXで、該社の静電型スピーカーClassic ESL 9を導入したので、問題点をどのように解決したか、試聴した。YOUTUBEでは、オーディオジャーナリストの石原俊氏が自宅導入まで至っている動画や、傅信幸氏が大いに評価している動画を流している。
・中高域は静電型薄膜(薄い透明フィルム)振動板 軽い振動板とネットワークが無い構造。
・IImpressionESL 11Aの低域ウーファーはアルミコーンで、部屋の構造や家具で影響を受けた周波数特性を、フラットに変換する補正機能が付いており、付属のマイクで測定した500hz以下の音の変化を補正する。
・補正機能なしのモデルは、Classic ESL 9。
・嘗ての静電型スピーカーは、低音の再生と、音が平面的に広がるのが欠点とされてきたが、マーティンローガンは、アルミコーンウーファーで低音を補い、スピーカーの表面を歪曲させる事で、立体的空間を作り出している。
●CDプレーヤー:narantz/SACD 30n
●プリメインアンプ:Accuphase/E-4000
一般的なスピーカーが再現する音場とは違っていて、透明感に満ちた音場が空間にホワーンと広がる。スピーカーの高さ以上である。しかし、歌手や楽器は、拡大される事は無く、それぞれの位置が明瞭で、空間に溶け込むように存在する。音は、明るく艶やかで、女性の声やストリングスは魅入られるように再現される。管楽器や打楽器の質感は、厚みを持って明瞭に再現されリアリティがある。テナー、ピアノ、トロンボーンの質感が良く分る。一般的なスピーカーの大型ホーンや、大口径ウーファーが作り出す、重みがあり、エネルギーが飛んで来るような音とは違っているが、表現の繊細さは類を見ない。振動板の軽さと、ツイーターやミッドバスをつなぐネットワークが無い為か、音の歪感を全く感ぜず、全ての音が自然である。音楽のジャンルは、クラシック向きとか、ボーカル向きとかでは無く、陰鬱で暗いジャズ等も、ローガンスタイルで再現され、音楽のエッセンスをつかむことが出来る。特に、低音の不足は感じない。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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明るさや艶やかさがあり、繊細で非常に聞きやすい。女性歌手の繊細な声の表情が良く分る。一般的なスピーカーが作る音場とは違いがあるが、歌手の位置は明瞭で、音場は広く広がる。伴奏のピアノや他の楽器の位置が明瞭。レンジが広く、音響ホールで聴いている様な臨場感がある。魅力的な声であり、音である。
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2)SINNE EEG よりWhat a Little Moonlight Can Do
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広い空間の中にボーカルが歪感無く、ストレスなく広がる。女性の声の存在が、透明な空間に溶け込みながら明瞭に浮かび上がる。ピアノの音も自然に響き、各楽器が高い位置から響いている様。ピアノの演奏のアドリブも明瞭にわかる。女性の声の艶やかさや、歌詞は明瞭で、打楽器の迫力も十分に再現される。ジャズボーカルのノリの良さも体感できる。
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3)マンハッタン・ジャズ・オーケストラよりSING SING SING
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ジャズバンドの楽器の位置が明瞭で、位相の良さが出ている。明るく快活で躍動感に満ちた音で、打楽器が明瞭で迫力がある。クラリネットの音も、厚みがあり、木管楽器の質感が良く分る。空間に広く広がる音であるが、楽器の存在位置は明瞭。重低音は出ないが、特に不満は無い。明るく優しい音だが、その音は精緻に満ち、高い分解性で聴かせる。ドラムの音にリアリティがある。いつか、スピーカーの存在を忘れ、音楽に聞き入っている。
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4) SONNY ROLLINS/ソニー・ロリンズ Vol.2よりPOOR BUTTERFLY
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ソニーロリンズのテナーサックスの胴鳴りと、J.J.ジョンソンのトロンボーンの金管が厚みを持って再現され、質感が素晴らしく、今まで聞いたことが無いレベル。各プレーヤーの細かいアドリブとテクニックが如実に分かり、ピアノの音も明瞭で迫力を持って鳴る。古い録音だが、ジャズのエネルギーやグルービー感を十二分に伝えてくる。再生ジャンルに差は無く、オールマイティ。ベースの音も明瞭で、十分乗れるジャズ。
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5)Zimmermann & Helmchen ベートーヴェン : ヴァイオリン・ソナタよりNO.5 SPRING SONATA
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格式のあるコンサートホールで聴いている様で、程よい残響感と明瞭な立ち位置で、曲の素晴らしさと、バイオリンとピアノのデュエットを十二分に堪能できる。ピアノの響きの余韻や、バイオリンの弓が弦に触れる音が細やかに再現され、明瞭で繊細な表現。オーディオの存在を忘れ、音楽に魅入られるレベル。録音の良さを余すところなく再現している風。聴く音が何も脚色が無いと感じるレベル。
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6)レ・シエクル/Mussorgsky 展覧会の絵
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コンサートホールの地を這うような低音が再現され、一見ホワーンとした空間の中に、オーケストラの各楽器が明確な立ち位置で存在する。クラシックの尊厳さも余すところなく、また管楽器の太さや厚みも十分に再現する。演奏の消え入るような音から、ダイナミックに躍動する音で、リアリティを持ち、一つ一つの楽器を空間の中でリアルに再現する能力が素晴らしい。
※某日、マーティンローガン輸入代理店株式会社PDN(Premium Distribution Network)社を訪問した際に試聴した「IImpressionESL 11A」音の印象です。
コンデンサースピーカーの音場は、一般的なスピーカーの音場とは違っている。柔らかな空間が一杯に広がり、ホワーンと音像が表現される。以前、島田「プラザおおるり」で聴いたベーゼンドルファーの様に体ごと音に包まれる感じがする。しかし、岩崎宏美にしても、SABINEにしても、声が艶やかに柔らかく響き、なんて魅力的なのだろうと、うっとりする。振動板が非常に軽いため、精緻な表現力がある様だ。PDN社の小澤マネージャーによれば、一般的な部屋に持ち込み、ピンポイントで音の焦点を調整すれば、シャープな音像が再現される、と言う。比較で聴いた「CLASSIC ESL 9」は「ESL 11A」に比べ、コンデンサーパネルの横幅が、7cm細くなる。そのためか、空間に展開する音像が引き締まり、声や楽器の存在が明確になる。しかし、女性の声の表現は、上記機種と同様にウットリするような魅惑的な音色で再現される。音像がハッキリする為、音楽ジャンルに適不適は無く、満足高く聴けるレベルであった。
●試聴ソース:
・岩崎宏美&国分弘子 Piano Songsより、聖母たちのララバイ
・Gary Burton&小曽根真 Face to Faceより、オ・グランジ・アモール
・Sabine Devieilhe Bach, HandelよりMEIN JESU! WAS VOR SEELENWEH
・Zimmermann & Helmchen ベートーヴェン : ヴァイオリン・ソナタよりNO.5 SPRING SONATA
今宵は、GREGORIO PANIAGUA(グレゴリオ・パニアグワ)の「La Folia」を聞きます。このLPレコードは、故長岡鉄夫氏が、外盤A級セレクションで、最優秀録音としたギリシアの音楽と同等の物です。音の広がりとリアリティが素晴らしいです。レコード会社はフランスのHARMONIA MUNDI社です。
マーティンローガン「Classic ESL 9」をイメージしたアレンジです。
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