Sonu sfaber OMNIA 試聴レポート

Sonu sfaber OMNIA 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2023年9月(1)

Sonu sfaber OMNIA

Sonu sfaberよりスピーカー&アンプ一体型コンポーネントOMNIA(オムニア)が発売された。デジタルアンプを組み込み、合計7個のスピーカーから、音を前後左右、上下に拡散させるシステム。 昔から、ボーズを始め音楽空間を演出するサラウンドスピーカーがあり、Sonu sfaberもお仲間入りと思える。外見は生活空間にさり気なく溶け込むインテリア調で、BGM的に上質な空間を提供する。ストリーミング(Bluetooth, Wifi) での再生、レコードプレーヤーやCDプレーヤーとの接続で各種ソースを聴くことも出来る。またTVの音声再生にも対応している。近年、ネットワークプレーヤーの注目や、LPレコードへの回帰をさりげなく取り入れている。嘗て、Sonu sfaber から一体型システムとして「SF 16」が発売され、140万円と高価だったが、今回発売のOMNIAは38万円である。どのように日常空間に溶け込み、豊かな時間を提供してくれるのか試聴してみた。  

技術的特徴

・高域 19mmのシルクツイーターが前面左右に2個
・中域 76mmのパルプコーンが前面2個
・低域 165mmのアルミコーンが下向きに1個
・両サイドに44.5mmの逆ドーム型フルレンジドライバーを上向きに2個配置し、音波放射パターンを制御、豊かな音場を創生。 ・前後左右、上下に音を放出し、立体的な音場を再現する。

Sonus faber Omnia  試聴レポート

リファレンス機材

●CDプレーヤー:TEAC/VRDS 701
●LPプレーヤー:DUAL/DS 429
●MC カートリッジ:ortofon/2M RED
●ストリーミング:タブレット端末(Amazon Music HD )

Sonus faber Omnia  試聴レポート
Sonus faber Omnia  試聴レポート
Sonus faber Omnia  試聴レポート

音の印象

音場は従来のキャビネット型スピーカーが作るものとは違って、左右、天地の広がりや奥行きを感じさせる。しかし、TVの補助スピーカーの使用も想定しており、部屋全体に音場が広がるものではない。再現される音は、明確な切り込みを見せるものではなく、デジタルアンプの、しっかりした骨格と分離性に優れた特色を生かし、それをSonu sfaberの耳当たりの良い、明るい優しい音に仕上げてある。長時間聴きこんでも、聴き疲れすることはない。歌手や伴奏、オーケストラの各楽器の独立した存在を感じ、それが厚みを持って再現され、実存感に通じている。音楽ジャンルの得手不得手は感ぜられないが、クラシック再生にはSonu sfaber特有の格調の高さが感じられる。本来は、ネットワーク環境で使用されるのを想定しているが、CDプレーヤー、LPレコードプレーも接続可能で、入力の多面化が図られている。ボリュームコントロールは、LEDで表示されたラインをタッチすることで行われ、とてもお洒落である。

ジャンル別試聴:ストリーミング

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1)岩崎宏美 聖母たちのララバイ
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空間的広がりが大きく、音の分離が良く、低音に迫力ある。レンジ感も広く、そこそこに満足度の高い音。音の傾向は、解像力は高いが、柔らかい音。空間的広がりと奥行きと音の厚みが実存感に通じている。聴きやすさは、CD、LP再生より高いか。

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2)ソニーロリンズ サキソフォンコロッサスよりセントトーマス
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空間的広がりが大きく、レンジが広くなる。テナーサックスの胴鳴り感や、低音もストレスなく出てくる。音に厚みがある。CD再生より迫力あり、ジャズの力強さ迫力もよく伝えてくる。ドラムのアタック感も実存感がある。音楽に引き込まれ、聴いていて楽しいジャズ。

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3)チャイコフスキー バイオリン協奏曲
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中高音を持ち上げているような感じで、重低音が少ない。デジタルアンプの再生に近く、余韻とか、響きとか余り感じない。一音一音のメリハリ、音像の明確さは際立っている。音の厚みは感じる。

ジャンル別試聴:CD再生

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1)手嶌葵:手嶌葵AOI WORKSより、さよならの夏
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若干柔らかめの音がフワーとあたり一面に広がり、歌手の声が明瞭に、空間に浮き上がる。音の広がり方が素晴らしい。上質な優しい空間が再現される。

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2)ソニーロリンズ サキソフォンコロッサスよりセントトーマス
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ジャズの荒々しい音は再現していないが、低音の再現の生々しさと、中高音とのバランスでジャズのエネルギー感を感じる。音の分離は良好。柔らかだがジャズの楽しさ、面白さはそこそこ得ることが出来るのではないか。うまく纏めてある感じがする。

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3)ソニークラーク クールストラッテンよりクールストラッティン
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上品に聴こえるジャズだが、物足りなさは感じない。音に芯があり音の押し出し感もあり、聴いていて楽しいジャズ。奥行き感、立体感を感じ、各楽器の音の分離も良好。それを優しく長時間聴いても、聴き疲れしない音に仕上げてある。

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4)アリスオットー リスト 超絶技巧練習曲集よりラ・カンパネッラ
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音の解像度、分離良好。演奏会場のダイナミズムを再現するものではないが、演奏技巧の優れたところや、ピアノの音の響きをそこはかとなく感じることが出来る。優しい音ではあるが、クラシックの演奏の高貴さや曲のすばらしさは十分伝わってくる。

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5) ヒラリーハーン チャイコフスキー バイオリン協奏曲
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大型スピーカーで聴くオーケストラのスケール感は無いが、バイオリンの響きに、Sonu sfaberの伝統的な音を感じることが出来、極めて魅力的である。やはり音の分離と低音と中音のバランスも良く、オーケストラの中にバイオリンが埋没しない。クラシックの優美さ、品格の高さを感じることが出来る。柔らかい音ではあるが、音像の分離は良く、ハッキリしている。聴き疲れしない音。 

ジャンル別試聴:LPレコード再生

Sonus faber Omnia 試聴用LPレコード

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1)松田聖子 風立ちぬより 風立ちぬ
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MASUTER SOUND盤 柔らかい声の松田聖子であるが、音像は明瞭で伴奏の各楽器も交じりあわず、音場が空間に広がる。空間に奥行きがある。金属音も良く出て、音の分離良好。長時間聴いても聴き疲れしない音。音の芯、骨格はしっかりしている。

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2)ソニーロリンズ サキソフォンコロッサスよりセントトーマス
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音の芯、骨格がしっかりしているため、不快な感じはせず、音楽を純粋に聴き込める楽しさを持っている。音楽を理解し易い。低音もそこそこで、テナーサックスの胴鳴りも再現し、ドラムのスティックワークも存在感がある。ジャズのエネルギー感をそこそこ再現する。BGM的な聴かせ方だが、対峙してもジャズの良さと音に厚みを感じられる。

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3)ソニークラーク クールストラッテンよりクールストラッティン
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各楽器が分離、独立して存在し、音のエネルギー感を感じる。音に歪感は無く、小さな空間であるがまとまっている。ブルーノートの音源では、熱っぽさが損なわれる、と思うが、そこそこにエネルギーを感じる。柔らかい音ではあるが、音に厚みがあり、実存感があるのが素晴らしい。空間的演出が良い。

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4)ホロビッツ ショパンリサイタルよりワルツ第三番
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音が明瞭で、ピアノの余韻が素晴らしい。Sonu sfaberはクラシックがあう。音楽の楽しさが伝わって来る。BGM的に聴いても、素敵なクラシックである。やはり、長い間聴いても聴き疲れしない音。生活空間にあって、さりげない上質感を感じる。

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5)ハイフェッツ チャイコフスキーバイオリン協奏曲
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オーケストラの空間が広がり、優しい音だが、色付けは無く、純粋に音楽の魅力を伝えている。長年聴き込んだバイオリン協奏曲を違和感なく聴ける。それぞれの音の再現性は曖昧さが無く、解像度も高い。バイオリンの音も、高貴に響き、クラシック音楽の格調の高さを感じる。空間的な広がり、音の厚みが実存感に通じている。さりげなく上質なクラシック。

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今回はスピーカーの性能を極限まで見極めるのではなく、「いかに音楽を楽しく聴かせるか」の視点でソースを選んでみた。松田聖子、手嶌葵、ソニーロリンズ、ソニークラーク、ホロビッツのショパン、ハイフェッツのバイオリン協奏曲等、ポピュラーな曲中心にセレクトしてみた。 CDとLPレコードを聴いた印象としては、LP再生では多少の実存感があり、それほど差は感じられない。ストリーミングは、骨格のしっかりした音場は広がるのだが、音の厚みや、余韻に浸る響きは、CD、LPの方が情報量が多いように感じた。

※Omnia 掲載画像につきまして

オムニア機器をオーディオルームで撮影したため、天板部分が青く光って映ってしまっておりますが、明るい部屋の中では、電源を入れますときれいに白く点灯します。

Sonus faber Omnia 電源OFF
Sonus faber Omnia  電源ON

TODAY’SONG

今宵は「WES MONGOMERYのFULL HOUSE」を聴きます。ギターのモンゴメリーと、ピアノのウイントンケリー、テナーサックスのジョニーグリフィンらの、グルーヴィーで、体が左右に揺れる演奏が聴けます。本来、ギター演奏にはピックを使い明確な音階を刻みますが、ウエスモンゴメリーは親指の腹で弦を弾き、柔らかで暖かい音色を特徴とします。Sonu sfaberが作り出す空間に、ピッタリな演奏だと思います。

WES MONGOMERYのFULL HOUSE レコードジャケット
WES MONGOMERYのFULL HOUSE レコード再生

ショートエッセイ:静岡市人宿町人情ストリート

市内にある人宿町人情ストリートは、2022年より話題になった、古い街並みをリニューアルした商店街である。場所は、呉服町札ノ辻から七間町を通り、旧映画街を右折し始まる。ここは旧東海道で、古い民家や商店を活用し、懐かしい家屋の中で、素敵な時間が過ごせるように、創造舎と言う建築デザイン会社が企画している。通りには東海道の文字が描かれ、人宿町の碑が立っている。江戸時代には宿場として賑わい、人宿町の名前の由来になっている。人宿町マートの八百屋さんに行ってみた。古い民家で、入り口だけが新しくなっているが、中は段ボールに詰められた野菜、果物がお洒落に並べられている。2階のRossi Roastery and Cafe と言うカフェにも行った。狭い階段を上がると、居間の瀟洒なガラス戸や欄間が残され、テーブルが並べられている。昔、ここで暮らしていた人々の営みを感ずると、過去から今、そして未来へと、時の流れの不思議なつながりや、安堵感を覚える。テーブルの上の吾亦紅(ワレモコウ)に秋を感じた。若いカップルや女性同士がいっぱいいて、再び訪れたくなる演出である。

静岡市人宿町人情ストリート

今週の生花:赤ナス、イガナス、ケイトウ、ユーカリ他

今回のアレンジは秋を意識した花が生けられています。ケイトウ(鶏頭)は秋の花としてはポピュラーな花で、切り花よりも、鉢物や種苗での流通量の方が多いのですが、落ち着いた色なのでセレクトしたそうです。赤い実のように付いている「赤茄子」は、実はトマトの別名でもあるそうです。音楽をじっくり聴きたくなる秋が近づい来ていますね。

店内フラワーアレンジ

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