ジャズ愛聴盤をJBL/4312Gで聴く 試聴レポート

ジャズ愛聴盤をJBL/4312Gで聴く 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2023年4月(2)

ジャズ愛聴盤をJBL/4312Gで聴く

シリーズで書いている「ジャズ愛聴盤を聴く」第三回目は、JBL4312Gを取り上げます。
JBL4312シリーズは、普及版スピーカーとして長い伝統があります。我々世代には、国産のスピーカーには無いジャズの音が聴けるスピーカーとして当時から人気があり、JBLのパラゴンやオリンパスなどには手が届かないけど無理すれば購入できる商品。30㎝のウーファーとコーンのミッドバス、ツイーターを納めた変わらないスタイル。現在の4312はどんな音を聴かせてくれるのか。以前聴いたアンプとの相性ではDENONが良いと感じましたが、生憎、モデルチェンジの最中ということで、今回はmarantzのデジタルアンプで聴かせていただきます。

愛聴盤ジャズアルバムをJBL/4312Gで聴く

ジャズ愛聴盤(6アルバム)

【1】JUNE CHRISTY (ジューン・クリスティ)/THE INTIMATE MISS CHRISTY
【2】BILL EVANS(ビル・エヴァンス)/PORTRAIT IN JAZZ
【3】LEE MORGAN(リー・モーガン)/CANDY
【4】BOBBY HUTCHERSON(ボビー・ハッチャーソン)/HAPPENINGS
【5】DUKE ELLINGTON(デューク・エリントン)/THE GREAT PARIS CONCERT
【6】KEITH JARRETT(キース・ジャレット)/STILL LIVE

愛聴盤ジャズアルバムをSonus faber/OLYMPICA NOVA IIIで聴く

リファレンス機材

・スピーカー:JBL/4312G
・LPプレーヤー:YAMAHA/GT-5000
・カートリッジ:DENON/DL-103R
・プリメインアンプ:marantz/MODEL 30

アルバム別試聴

【1】JUNE CHRISTY/THE INTIMATE MISS CHRISTYよりTIME AFTER TIME

ボーカルの発声は非常に明瞭で、ハスキーな声の中に、豊かな色気を感ずる。中域が充実していて、ボーカルの華やかさが前面に出る。しっとりとした落ち着きは余り感ぜられない。アメリカの底抜けに明るい音で、楽器の分離良好。

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【2】BILL EVANS/PORTRAIT IN JAZZよりAUTUMN LEAVES STEREO版

音の分離が良く、一つ一つの楽器が明確に定位する。エバンス、ラファロのインタープレイの緊張感が伝わってくる。ウキウキするようなピアノ演奏。ピアノの音にちょっと詰まった様な印象があるが、躍動感やワクワク感は伝わって来る。ベースの低音の締まり具合も良好。音像が明瞭で曲風をつかみ易い。  

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【3】LEE MORGAN/CANDYよりCANDY 、SINCE I FELL FOR YOU

リーモーガンのトランペットが底抜けに明るく、ソニークラークのピアノもスイング感があって、乗りが良い。ジャズ特有の躍動感を感じる。アメリカは国力が落ちたと言うもの、地力を感ずる音である。高級スピーカーに比べると、全体的に歪感があるが、JAZZの大事な部分である、躍動感やエネルギー感や明るさを過不足なく表現する。頭の中を空っぽにして、ジャズに浸れる雰囲気を持っている。音の切れ、抜けが良い。

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【4】 BOBBY HUTCHERSON/HAPPENINGSよりMAIDEN VOYAGE

打撃音に対して敏感で、細かいスネアードラムやバイブの音が明瞭に出てくる。音が明瞭でカテッとしている。マランツのデジタルアンプの為か。底抜けに明るさがあり、明るくって何が悪いか、と言っているよう。耳で聞くのではなく、音を体感せよ、と言われているよう。我が家で聴くジャズより、感覚的に訴えてきて、気分を高揚させる。しっとり感や叙情観は無い。

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【5 】DUKE ELLINGTON/THE GREAT PARIS CONCERTよりALL OF ME

ジョニーホッジスのアルトサックスの質感が良い。弾む様なベースの中に、アルトサックスの音像の輪郭が明瞭に浮かび上がる。乗りの良いジャズバンド。ホッジスのアルトサックスの技巧を明瞭に表現する。ピアノも良い。オーケストラの迫力も明確に出す。底抜けに明るい。

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【6】 KEITH JARRETT/STILL LIVE よりSOMEDAY MY PRINCE WILL COME

ピアノの音に切れがあり、しっとり感も併せ持っている。ベースも重量感を持って、鳴っている。ECMレコードの落ち着きは出ている。会場の雰囲気は感じないが、音楽の楽しさは過不足なく伝わって来る。落ち着いた中にも躍動感が伝わって来る。それなりに音程バランスが取れている。本来のECMはもう少し余韻感があるか。旋律が分かりやすい。

聴き終えて思うこと

JBLには、K2シリーズ、43~の大型モニターシリーズ、ホームユーズのブックシェルフシリーズがあり、時代に合わせてスタイルと音色を変化させている。しかし、この4312シリーズだけは、リーズナブルな値段と、変わらぬスタイルを提供していて、まさに、ジャズを聴くツボを押さえた製品だと思う。

JAZZは楽しむための音楽で、メロディーを聴けば日頃の憂さや不満を忘れ、体が踊りだすような快感を覚える。JBL4312Gは、エネルギー感、躍動感、音の切れの良さ、低音の迫力が再現され、リーズナブルながら、ジャズを味わう原点が込められている

JBL4312Gから流れてくる音を聴いていると、映画「WEST SIDE STORY」の映像が浮かんでくる。下町のポーランド系移民とプエルトリコ移民のいざこざと、敵対するグループに属する男女の恋の物語だが、ジョージチャキリス、ナタリーウッドをはじめとする演劇人のダンスの上手さ、カッコよさに圧倒される。レオナード・バースタイン作曲の「トゥナイト」「マリア」等の挿入歌のすばらしさに、体ごと映像の中に吸い込まれるのだった。ジャズを代表するレーベルのブルーノート、プレステージ、リバーサイドのLPレコードには50年代、60年代の熱気が込められていて、アメリカが一番豊かだった時代かもしれない。

もうひとつアメリカの力を感じるのに、ジョン F ケネディの就任演説を思い出す。1961年、36代大統領に就任した時の演説で、「国が諸君の為に何が出来るかを問うのではなく、諸君が国の為に何ができるかを問うて欲しい。世界の友人たちよ、アメリカが諸君の為に何をなすかを問うのではなく、人類の自由のために何が出来るかを問うてほしい。最後に、アメリカ国民、そして世界の市民よ、私達が諸君に求めることと同様の高い水準の強靭さと犠牲を私達に求めて欲しい。」この演説には、世界中の人民に訴える力と、アメリカの求心力を感じる。人々を魅了して止まないジャズのように。しかし、ケネディが大統領だった2年6か月の間、選挙公約だったニューフロンティア計画は、南部民主党と共和党保守の連合の反対にあい余り成果を上げなかった。だが、ソ連との核戦争になるかもしれなかったキューバ危機で、ソ連のフルシチョフ第一書記と交信を持ち、キューバよりミサイル撤去の実績を勝ち取ったのである。

2020年に公開された「ラ ラ ランド」は、男女のラブストーリーをミュージカルで描いた映画で、「WEST SIDE STORY」に見るダイナミズムとは変わっている。古い時代のジャズピアノのスタイルを目指すピアニストと、女優を目指す恋人とのラブストーリーだが、背景、雰囲気は洗練され、上品な物に変わっていくアメリカ社会の変化を背景にしているのかもしれない。

TODAY’S SONG

今宵は、オスカーピーターソンのWEST SIDE STORYを聴きます。余り名盤とは言えませんが、弾きすぎと言われるほどの指使いを感じながら、「トナイト」「マリア」を聴きます。

オスカーピーターソン WEST SIDE STORY アルバム オスカーピーターソン WEST SIDE STORY LP盤

試聴したジャズ愛聴盤紹介

BULE NOTE系のエネルギーを浴びるような音を聴くのは段々しんどくなり、リラックスしてアドリブに身をゆだねるようなアルバムが好きになっています。
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【1】JUNE CHRISTY (ジューン・クリスティ)THE INTIMATE MISS CHRISTY

フランクシナトラが歌い、「時を重ねても、君を愛し続けているのは、とっても幸せなことだ」と言う歌詞。チェットベーカーのアンニュイな歌声で流行りましたが、私はジューンクリスティのハスキーでチョットお酒が入っているような歌い方が好きです。
ジューン・クリスティ OLYMPICA NOVA IIIで聴く
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【2】BILL EVANS(ビル・エヴァンス)PORTRAIT IN JAZZ

演奏開始1分後あたりから始まるEVANSのPIANOとSCOTT LAFAROのBASSとのPLAYが緊張感の中に絶妙のやり取りが行われ、思わず背中がゾクゾクする気がします。長年聴き続けても飽きることはありません。
ビル・エヴァンス OLYMPICA NOVA IIIで聴く
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【3】LEE MORGAN(リー・モーガン)CANDY

新宿DIG(60年代を象徴するジャズ喫茶)のJBLのスピーカーから流れた曲で、LEE MORGANのチョット不良ぽい演奏が自分のJBLではなかなか再現できず、音作りの目標になったLPです。また、SINCE I FELL FOR YOUのバラードは、淡々と吹いてはいるが、LEE MORGANの天才ぶりが感じられる一曲です。
リー・モーガン OLYMPICA NOVA IIIで聴く
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【4】BOBBY HUTCHERSON(ボビー・ハッチャーソン)HAPPENINGS

ボビーハチャーソンのクールなヴィブラフォンにハービーハンコックの知的なピアノが絡みます。涼やかな演奏に全てを忘れ没入します。ブルーノートの熱っぽいエネルギッシュな演奏を聴くのに、チョットしんどくなって聴き始めた曲です。
ボビーハチャーソン OLYMPICA NOVA IIIで聴く ボビーハチャーソン OLYMPICA NOVA IIIで聴く
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【5】DUKE ELLINGTON(デューク・エリントン)THE GREAT PARIS CONCERT

ジョニーホッジスのアルトソロとジャズバンドのダイナミックミックな演奏を見事にとらえており、非常に優れた録音だと思います。当日の、ライブの熱っぽさと興奮が伝わってきます。
デューク・エリントンOLYMPICA NOVA IIIで聴く デューク・エリントンOLYMPICA NOVA IIIで聴く
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【6】KEITH JARRETT(キース・ジャレット)STILL LIVE

1988年ECM録音で、ジャズの舞台がヨーロッパにも移りECMレコードが登場した時、録音はエネルギー感の再現から余韻や静寂感も盛り込んだ繊細なものに変り、JBLも表現を陰影を含み憂いを感ずるものに変えた。そんなECMを代表する演奏者のKEITH JARRETT のSOMEDAY MY PRINCE WILL COMEは、デズニー映画のロマンティックなメロディの変転と、ゲイリーピーコックの繊細に呼応するベースと、ジャックジュジョネットの絶妙にバックアップするドラムのやり取りには、何度聴いても陶酔します。
キース・ジャレット OLYMPICA NOVA IIIで聴く キース・ジャレットOLYMPICA NOVA IIIで聴く

今週の生花:エビラニドラム・シレネグリーンベル他

生花 エビラニドラム・シレネグリーンベル   

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