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2023年2月、YAMAHAよりNS-2000Aが発売された。一台44万円、セット88万円で、NS-5000(198万円) やNS-3000(110万円)が値上がりした後、比較的リーゾナブルな価格で提供される製品である。ツイーター、スコーカー、ウーファーをザイロン繊維で製造し、音色の統一を目指した前作から、前作のエッセンスを受け継ぎ開発されたスピーカーが、どのように音楽を奏でるかヒアリングしてみた。
1、ハーモニアダイヤフラム(ザイロン繊維とスプロール材の繊維を抄紙した物)を全ユニットに採用。
2、スコーカーは750hz/3.5kHzでクロス
3、エンクロージャーは、レイザー光を照射し、共振を解析した。
4、エンクロージャー内部の吸音は、J構造の共鳴管を使用。スピーカーユニット背面にも、共鳴管を使用。
5、バスレスボードは、フレア構造
・プリアンプ:Accuphase/C-2900
・パワーアンプ:Accuphase/A-75
・CDプレーヤー:Accuphase/DP-750
・試聴比較:スピーカー YAMAHA NS-5000
ーNS-2000Aー
YAMAHAの製品に共通した音作りで、静寂感の中に淡白な音像が、音域バランス良く浮かびあがり、落ち着いた生活空間を演出してくれる。透明な柔らかい音が、リスナーを静かな秋の高原に連れて行く。しかし、NS-5000と比較すると、音像の解像力はやや後退し、エネルギー感や迫力をリアルに感じる鳴り方では無い。
ーNS-5000ー
静寂感の中に、上質で上品な音像が奏でられる。音の解像力が高く、声や楽器の質感を繊細に表現し、ジャズ等の瞬発力が必要なソースや、オーケストラ等のボリュームが必要とされるソースにも対応する。NS-2000Aはさりげなく上品な好感がもてる音作りではあるが、NS-5000は音楽に真剣に向き合って、観賞する機会を与えてくれるように感じる。
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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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爽やかで、落ち着いた声が中央に定位し、チェロの低音も深みがあり、バランス良く鳴る。静寂感の中に落ち着いた品位のある鳴り方。音像は分離良く独立する。ロック調な曲は、YAMAHAの色調で上品におとなしく表現する。躍動感はそれなりに感ずる。
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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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静寂感の中に表現されるボーカルで、乗りの良さを感ずる。CDに記録された出すべき音は出している。声もピアノの音も、特に不満は無い。聴き疲れしない上品な音作り。
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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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アルトサックスの質感も出ているし、躍動感も感ずるが、音が飛んでくるような鳴り方では無い。家庭空間にあって、生活の質を向上させ、上品さを演出するような音作り。生活を決して邪魔するような音では無い。さりげなく、全てを上質に、居心地の良い空間を演出しているようだ。全ての音は、音域的にバランス良く出ている。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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綺麗な音で、音域のバランスが良く、静寂感の中に上品に音像が浮かぶ。様々な音楽でも、決して音を押し付けてくる「うるさい」と思わせるような鳴り方はしない。さりげなく、上質に音楽を提供する。
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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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オーケストラの迫力がボリュームを上げないと分かりにくい。スピーカーに近づく必要がある。静寂感を伴う鳴り方で、CDの記録された音像は良く出ているが、全体的にベールにくるまれたような鳴り方。決して迫力を押し付けてくるような鳴り方では無い。
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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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全体的な雰囲気はNS-2000と同等だが、声の発声やチェロの演奏が明瞭で、全て鮮度が高い。音の解像度は全く違う。定位、奥行き感、S/N比、低音の深みがある。全てが上質な音色である。
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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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静寂感の中にボーカルがクッキリ浮かび上がる。派手さは無いが、品位高く深みがある。伴奏もそれにふさわしい演奏と感じる。さりげなく上質と言う音作りは共通している。
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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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アルトサックスの質感が生々しく、伴奏の各楽器もリアルで良く分離している。低音の出方もボリューム感がある。一音一音の解像力が高く、ジャズの躍動感やエネルギー感もさりげなく感ずる。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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演奏者の多彩な技巧を感じ、表現力のすべてが見えて、曲の全体像がストレートにわかる。演奏の技巧、旋律が過不足無く伝わってくる。演奏の深み、スケール感、深遠さ迫力を感ずる。
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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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音の解像力が高く、オーケストラの存在感があり、バイオリンの音が空中に浮かび上がる。たおやかで、上品な雰囲気で、怪しく艶やかに奏でられる。演奏会場の広さ、奥行き、雰囲気を感ずる。
今宵はリッチーバイラークのエルムを聴きます。ビルエバンスの信奉者で、落ち着いた雰囲気の中に、美しいメロディーと、静かな躍動感を奏でます。ECMレーベルのコンセプトどおりの静寂感と余韻が素晴らしい。肩ひじを張らない上質な時間を提供してくれます。
■■Z世代のレコード
2月14日付けの日経新聞にアメリカの音楽事情が載っていました。アメリカでは、CDの販売がどんどん低下し、配信に置き換わっているが、それに比例してレコードの売り上げが増えている。テイラースウィフトのミッドナイツと言うアルバムは94.5万枚も売れている。しかし、これを購入するZ世代(1990年以降の生まれ)の半分はレコードプレーヤーを持っていないと言う。音楽はスマホで聴いて、レコードジャケットはインテリアなのである。音楽は、終われば消えていく。しかし、ジャケットは目に見える物として残る。物を持つと言う満足感であろうか。そう言う私もジャズのアルバムを購入する時のわくわく感は若い時の同じで、気持ちは十分理解できます(笑)。
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