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10月号は、3ヶ月にわたり連載してきた『BLUE GIANT』のラストの回となります。BLUE GIANTを読んでみての総評と、7-10巻をまとめてレポートしていただきました。
熱い漫画である!
ジャズに魅入られ、うまくなりたいと一途に練習をする大に、沢辺、玉田を始め、アキコママや、ソーブルーの平らが巻き込まれていく。
作者は、ジャズによほど精通していると思う。
例えば、沢辺が代役としてソーブルーの舞台に立った章には、【HOW MY HEART SINGS 】(我が心は歌う)(※ビルエバンスの演奏で有名)
大と玉田で、ソーブルーの舞台に立つ章では、【BLUE TRAIN】(※ジョンコルトレーンのオリジナル曲中心の演奏で、コルトレーンの快進撃はここから始まる)
大が、玉田と沢辺に別れを告げ、海外に立つ章では、【EAST OF THE SUN】(太陽は東に月は西に、新たな日の出の歌)(※多くのジャズマンが演奏しているが、スタンゲッツやポールデスモンドの演奏が有名)
がつけられていて、多くのジャズ曲と演奏内容が理解できていないと、使いこなすのがなかなか難しい。作者のジャズへの造詣の深さが伺える。
音の出ない漫画で、どのように音楽を伝えるのか疑問が沸くが、
観客の表情、歓喜、演奏者の楽器を鳴らす熱意、汗、頂点に達したときにメロディの中に浮遊する様な表現に、
それぞれの緊張感や演奏が盛り上がっていくのがわかる。
音は出なくても、情熱が十分伝わる漫画である。
様々なジャズマンがジャズを志した理由は、親が音楽を職業としていたり、音楽が好きであったりして、(そんな)環境が‟楽器を演奏することは楽しい!”と思わせ、そして、歴代の演奏を聴くにつけ‟自分もこうなりたい”‟自分の奏でる音楽で観客を魅了させたい”と思うのだ。
日本を代表するミュージッシャンである、<穐吉敏子さん>がジャズを志した理由は『ピアノが好き』だったから。
生活のため進駐軍のバンドで演奏するにつけ、ジャズになじみ、テディウィルソンの弾いた<スイート・ロレイン>のレコードを聴き、
その玉を転がすような音色に魅了され、『どうしたらあのようなピアノが弾けるのか』と思ったのだという。
横浜のちぐさ(※横浜 野毛にある日本最古のジャズ喫茶)では、店主の吉田さんのご好意で、旋律を覚えるまでレコードを何回もかけてもらっている。
そして、オスカーピーターソンに見いだされ、渡米する。
(音楽への道は)本人の才能と、努力と、それを支えてくれる人々と、運命が導く様だ。
ジャズをやり続ける理由とは、お金持ちになりたい訳ではなく、有名になりたい訳でもなく、社会的に奉仕した訳でもなく、
ただ大いなる自己満足で、観客を魅了させ、つながりたいだけの様に思えた。
7-10巻の詳細なあらすじはこちらから⇒ BLUE GIANT 7-10巻あらすじ
大、沢辺、玉田はJASSに熱心に取り込むが、アドリブが無意識につながり、自己を表現する方法に悩む。
しかし、段々、ライブの機会が増え、他のグループとの交流を通じ、多彩な演奏を身に着けていく。
沢辺の長年の夢であったソーブルーで演奏するチャンスが訪れ、外人ジャズグループの代役として参加し、一流のジャズマンから評価される。
沢辺は、JASSのメンバーでソーブルーの舞台に立つまでにこぎつける。
しかし、ライブの前夜、沢辺は交通事故で重傷を負い、ソーブルーへは、大と玉田の二人で出演する。
演奏は好評だったが、いつ回復するかわからない沢辺がJASSの解散を告げ、玉田もやり切ったと言い、大は解散に同意する。
そして、大は海外に飛び立つ。
(小話)
この物語では沢辺が三人でソーブルーの舞台に立つ前夜、交通事故で出場不能になってしまう。
物語ならではの話だが、ジャズマンの中では事故死が結構ある。
クリフォードブラウンやスコットラファーロは交通事故、リーモーガンは、妻に射殺された。
今、新人ピアニストで、ロイハーグローブのトリオの一員になりニューヨークで活躍する海野雅威(ただたか)さんが、
9月27日、地下鉄の改札口を出たところで、8人の男女に因縁をつけられ、袋叩きに合い、右腕と鎖骨を骨折し、復帰はいつになるかわからない。
華やかだが、常に不安と背中合わせの仕事である。
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■BLUE GIANT 4-6巻あらすじ
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