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SPEC/RSA-BW1
リアルサウンド・アンプ
躍動感溢れるサウンド

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SPEC-RSA-BW1
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SPEC RSA-BW1 リアルサウンド・アンプ
標準価格:605,000円(税込)

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試聴レポート抜粋:従来のD級アンプの高解像。エネルギッシュな音とは違って中庸な太さで、たっぷりした低音を備えている。底板に採用したスプール材やイタヤカエデ材が、繊細な響きや余韻を与えているのかもしれない。日本のメーカーが追求する、歪感の低減や、S/N比の向上が十分に反映されているように思う。音は明るく明瞭で、音楽ジャンルを問わず、オールマイティな表現力を持っている。
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【主な特徴】
ハイ・スピードでクリアーな「音色」を実現

スペックは「クラスD方式のアナログアンプ」にこだわって製品をお届けしています。受け取ったアナログの音楽信号をデジタル変換せずに電源回路から届くクリーンで余裕のある直流電流へ載せるコトにこだわっています。 この「クラスD方式のアナログアンプ」の中枢は、電力エネルギーの約96%を利用できる熱をほとんど発生しない高効率FETです。小さな高効率FETが音楽の繊細なアナログ信号を元に大型電源トランスが供給する大電力を直接コントロールすることで、音楽エネルギーとして出力しています。シンプルで小さな回路だから、また熱をほとんど発生しないクラスD方式アナログアンプだからこそが、従来のトランジスタ方式のアンプが抱える高温による歪みが無く、ハイ・スピードでクリアーな「音色」を実現できたポイントです。

【主な仕様】

最大出力 100W × 2 (4Ω)
周波数特性 10Hz ~ 30kHz ±1㏈ (6Ω、1W)
高周波歪率 0.02% (1kHz、80% 出力時)
入力感度・利得 300mVrms、 37.3dB
(Volume MAX時、6Ω、1kHz、アンバランス入力)
入力端子 バランス入力:1系統
RCAアンバランス入力:3系統
スピーカー端子 1系統
電流電圧 AC 100V、50Hz/60Hz
消費電力 無信号時 15W、 最大出力時 180W(8Ω、100Hz)
外形寸法 440 mm(W)× 120 mm(H)× 414 mm(D)
質量 14.5kg

* 仕様および外観は改良のため、予告なく変更することがあります。

【SPEC RSA-BW1をもっと詳しく】

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SPEC/RSA-BW1、NuPrime/CDT-9、DAC-9X、STA-9X

今回は、日本のSPEC社とアメリカのNuPrime社のアンプを試聴してみます。SPECは、2010年に創業、旧パイオニア営業・技術陣が独立して出来た会社であり、クラスD方式のアンプの製造を得意とします。NuPrimeは、2014年にアメリカで創業した会社。製品は非常にコンパクトで、日常にさり気なく溶け込み、生活の一部となるような新しい聴き方を提案しています。アンプはクラスD方式を基調としています。

RSA-BW1、CDT-9、DAC-9X、STA-9X セッティング

技術的特徴/SPEC

●RSA-BW1:クラスD方式のアナログアンプ
・入力されたアナログ信号をデジタル変換せず、直流電流に乗せる。パワー部には、PWM(パルス幅変調)のMOS FETを使用。この方式だと、電力エネルギーの96%を利用でき、熱をほとんど発生しない。またスピーカーが発生する逆起電流を吸収し、スピーカーを瞬時に駆動(動かす)、瞬時に制動(止める)する事が出来る。
・熱を発生しない事は、筐体のシャーシに木材の使用を可能とし、ベースにスプルース、スパイクにイタヤカエデ、ヒッコリー材を使用し、音楽に自然な響きを載せている。
・シンプルな機能は経路が最短化でき、高純度伝送を可能としている。
・従来のプリメインアンプは、プリ部のボリュームで音量を調整しパワー部に届けていた。スペックのプリメインアンプは、パワー部の直前に電子アッテネーターを配置し、微小信号を損なうことなく、パワー部に届ける。
・一般的なボリュームはAカーブであり、中音量付近のコントロールに適しているが、スペックのDクラスアンプは、歪がほとんどないのでBカーブを採用し、ボリュームの下限から上限まで調整可能範囲としている。

技術的特徴/NuPrime

●CDT-9:CDトランスポート
・CD再生部分は、一つの筐体の中に回転読み取り部だけを含み、DACは別筐体にプリアンプ部と共に含まれる。
・CDプレーヤー サンプリングレート 光デジタル 44.1khz~96khz 24bit
●DAC-9X:DAC+プリアンプ
・ DAC ESSテクノロジー9028Q2M×2、MQA再生可能。DACとプリアンプを内包し、伝送ロスを低減する。
●STA-9X :A級+D級方式ステレオパワーアンプ
・シングル無帰還A級アンプとD級アンプを組み合わせ、130Wステレオアンプを構成。BTL接続で330Wモノパワーアンプとして使用可能。独自の発信回路でパルス幅変調を行い、従来品を超える750khzのスイッチング周波数で動作。

*D級アンプの動作工程 

・1950年頃からある技術で、熱を余り発生せず小型化出来る事から、1990年半頃よりパソコン、薄型TV、携帯電話等に使われる。
・ D級アンプは、入力信号と、基準となる三角波を比較して、PWM信号を作る。
・入力信号が三角波より高ければHIを、低ければLOを出力する。したがって、入力レベルが高い時には、HIの期間が長くなり、低ければLOの期間が長くなる。
・出力されたPWM信号をフィルター回路で平滑にすることで、入力波形が増幅された信号に交換する事ができる。 

外観

■SPEC/RSA BW1
存在感あふれる大きな黒い二つのダイヤルが印象的で高級感を醸し出している。

■NuPrime/CDT-9・DAC-9X・STA-9X
一つの筐体が、W235×D281×H60と非常にコンパクト。生活空間の中に会っても自己主張しない存在感と、落ち着きと上品さを兼ね備えたデザイン。

SPEC/RSA BW1 外観 SPEC/RSA BW1 外観 SPEC/RSA BW1 外観 NuPrime/DAC-9X 外観 NuPrime/CDT-9 外観 NuPrime/STA-9X 外観

適用音楽ジャンル

両社とも オールマイティ

リファレンス機材

アンプ SPEC/RSA BW1 NuPrime/STA-9X(シングルとダブルで使用)
CDプレーヤー NuPrime/CDT-9+DAC-9X
スピーカー YAMAHA/NS-5000  

※今回は以下3パターンの組み合わせで試聴しています
① RSA BW1+CDT-9+DAC-9X+NS-5000
② STA-9X+STA-9X(モノアンプ2台使用)+CDT-9+DAC-9X+NS-5000
③ STA-9X(シングルで、ステレオアンプとして使用)+CDT-9+DAC-9X+NS-5000

SPEC/RSA BW1 試聴 NuPrime/CDT-9+DAC-9X 試聴 NuPrime/STA-9X(シングルとダブルで使用) 試聴 RSA-BW1、CDT-9、DAC-9X、STA-9X セッティング背面

音の印象/3パターン

※CDプレーヤーは共通でCDT-9、DAC-9Xを接続

■ SPEC/RSA-BW1
従来のD級アンプの高解像。エネルギッシュな音とは違って中庸な太さで、たっぷりした低音を備えている。底板に採用したスプール材やイタヤカエデ材が、繊細な響きや余韻を与えているのかもしれない。日本のメーカーが追求する、歪感の低減や、S/N比の向上が十分に反映されているように思う。音は明るく明瞭で、音楽ジャンルを問わず、オールマイティな表現力を持っている。

■ NuPrime/STA-9X+STA-9X(モノアンプ2台使用)
同じD級アンプでも音は太く、刺激的な鳴り方はしないが、さりとて繊細感や明瞭感や躍動感はあり、基本は落ち着きのある音。小型スピーカーとの組み合わせでは、上質な音響空間を目指す音作りだと思う。筐体はコンパクトデザインで、日常生活の空間に自然と溶け込み、さりげなく音楽を聴かせるものと思う。

■ NuPrime/STA-9X(シングルで、ステレオアンプとして使用)
モノアンプをステレオに切り替えると、D級アンプの特性が表れる。音は高明瞭で、エネルギッシュな鳴り方をする。声は若々しくなり、楽器の質感は向上し、ピアノの演奏も技巧の多彩さが表現される。ただ、オーケストラとバイオリンの演奏の表現では、バイオリンの技巧の表現は向上するが、オーケストラの表現に分解性と重みが無くなる。

音楽ジャンル別/3パターン

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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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①SPEC/RSA BW1
音場広く、声は明瞭で落ち着きがあり、表現は多彩。伴奏のチェロの音は明瞭且つ、低音が豊かで、さらに声と伴奏のチェロの分離良好。繊細さ、声の表現も過不足ないレベル。

②NuPrime/STA-9X
太めのたっぷりした音色。音像は明瞭で、音の瞬発性高く、反応性の高さと力強さを感ずる。低音もそこそこに力強い。力強さと、柔らかさと、反応性の良さと、落ち着きを感じる。

③NuPrime/STA-9X+STA-9X
声が明瞭になり、生き生きとする。中高域が強調された様な音。俊敏性、繊細さはモノパワーアンプとして使用するより増す。

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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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①SPEC/RSA BW1
声が明瞭で、表現の多彩さ、奥深さを感ずる。演奏会場の低音部の再現がよく、雰囲気が良く分る。S/N比の高さを感ずる。ブラッシワークの音も明瞭。音像がしっかりとした低音の上に表現される。安心して聴ける雰囲気を持っている。ピアノの音も明瞭。

②NuPrime/STA-9X
良く出来たプリメインアンプの音。音像、音場の生々しさは増す。基本的な音色は同一。音の太さは中庸になる。音場の表現まで求めるのは無理がある。

③NuPrime/STA-9X+STA-9X
音場はそれ程広くないが、高域から低域までバランス取れた音。限定された条件の中で、うまく纏めている。聴きやすさと落ち着きを感じる。躍動感もそこそこに感ずる。日常生活の中で、BGM的な聴き方にも、音楽に向き合う聴き方にも、安心して(緊張感を)聴ける音。音楽を楽しく聞ける音。

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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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①SPEC/RSA BW1
アルトサックスが生々しいが、落ち着きはある。ビッグバンドの背景の音も良く表現し、音の分離も良好。楽器の音に自然感が強くS/N比も高い。ピアノの躍動感が良好で、また繊細な表現も感じられる。ピアノの演奏の技巧が生々しく伝わり、聴きやすく、演奏の楽しさが充分伝わってくる。

②NuPrime/STA-9X
アルトサックスの質感は増す。躍動感も増すが、基本の落ち着き感はそのまま。ピアノの質感も良好。音場型では無いので、ビッグバンドを背景に演奏するような臨場感は望めない。

③NuPrime/STA-9X+STA-9X
低音の出る落ち着いた表現だが、躍動感も感じる。音は太く、アルトサックスの質感や息遣いが出てくる。繊細な表現も良く出る。音の分離もそこそこに良い。人が音楽を気持ちよく聞ける要素を分析している。音場の表現は、高級機種に比べると、チョット平面的だが、聴きやすい。

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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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①SPEC/RSA BW1
ピアノ演奏のスケール感を感じ、音が滑らかで音色が綺麗。会場の雰囲気も伝わり、クラシックピアノの格調の高さが十分反映される。ピアノの演奏の多彩さが良く表現されている。日本製の方がS/N比の改善に対応しているように思った。

②NuPrime/STA-9X
ピアノの繊細感は、ステレオアンプの方が表現される。ピアノの余韻や鍵盤を叩くタッチも感じ取れる。低音の切れが良い。全体的なレンジは広くない。

③NuPrime/STA-9X+STA-9X
まろやかで明瞭なピアノ。落ち着いた音色だが、音は太い。安心して聴けるクラシック。ピアノ演奏の重厚さ、格調の高さは感ずる。

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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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①SPEC/RSA BW1
オーケストラを背景としたバイオリンの独奏の表現が優れている。バイオリンの音が細やか。演奏技巧の繊細さが表現され、あでやかだが品が良く、落ち着きのあるクラッシック。バックのオーケストラの音もスケール大きく自然で、バイオリンの音と良く調和している。

②NuPrime/STA-9X
バイオリンの音色が生々しい。演奏の繊細さも際立つ。落ち着きと格調の高さを感じる。バイオリンの技巧の生々しさが伝わってくる。ただ、バックのオーケストラの存在が、MONO×2と比べて希薄になる。

③NuPrime/STA-9X+STA-9X
補助特別、繊細な表現では無いが、クラシックの格調の高さを優しく聞かせる。バイオリストの技巧や情感をほぼ正確に表現しているのではないか。全てのジャンルを、そこそこに聴きやすく表現する。

まとめ

SPECが作り出すD級アンプは、日本がつくるアンプらしく、音楽再生に求める多要素を生真面目に追求していると思いました。D級アンプは高解像度とエネルギー感が得意ですが、そこに音の滑らかさ、余韻、雰囲気を感じさせています。NuPrimeの製品は、緊張感を与えることなく落ち着き感が醸し出されるため、生活空間の中でさり気なく上質な雰囲気を作り出すことを優先させているのかな、と思います。同じD級アンプですが、方向性の違いを感じました。

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