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世界の主流はトランジスタアンプであるが、真空管アンプメーカーも底堅く存在する。
日本では、TRIODE、UESUGI、LUXMAN、A&M(AIR TIGHT)、SUNVALLEY AUDIO等が真空管アンプを作り続けている。普段、真空管アンプを聴く機会は少ないが、たまに現行品やヴィンテージ品を聴くと、音の濃厚さや、空間に音像が浮かび上がる様子に驚かされる。かつて、AV BOXで、「THORENS/TD-124 + KRELL/PAM-2 + AUSTIN/TVA-1 + JBL/4344」の音を聴いたが、音像が、艶やかで濃厚で、迫力に満ちていた。目の前で弾いている様なライブ感があった。「GARRARD/301 + MARK LEVINSON/LNP-2 + 300Bモノアンプ×2 + ALTIC」では、音像が空間に浮かび上がる。真空管アンプ時代には、現代には無い世界が存在していた。TRIODEの新しい真空管アンプは、どんな世界を描くのか試聴してみた。
■KT150プッシュプルプリメインアンプ
1)KT-150真空管を使用し、AB級プッシュプル回路で、100W+100Wを実現。ダイナミックで力強いサウンド。
2)日清紡マイクロディバイス製MUSESシリーズ電子ボリュームを搭載。入力近くにボルームを配置し、信号経路の最短化を実現。
3)簡単なバイアス調整 シャーシー天板に、メーターと調整ボリュームを装備。メーターを見ながら、バイアスを調整できる。
●SACDプレーヤー:ESOTERIC K-05XD
●スピーカー:YAMAHA NS-5000
分解性高く明瞭な音で、声や楽器の質感の表現に深みがある。トランジスタアンプに比べると、音は太く、コッテリとした音で、低音に重厚感を感じるが、不自然ではない。非常にバランスが取れた音。ピアノの音が、まろやかで刺激的な音は出ない。ビッグバンドの低音の迫力や、重厚感をさりげなく表現する。クラシックの分野では、弦楽器やピアノが、演奏空間の中に、距離をもって存在し、重厚感と崇高感が共存している。音楽の持つ芸術性が、どのような情景や思想を表現しているのか感じられ、時間を忘れて音楽に引き込まれる。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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明瞭な音だが、一つ一つの音に深みがあって質感の表現が深い。声もピアノも実存的。トランジスタアンプに比べると、音は太くコッテリとした音に感じる。しかし、音に重みはあっても、不自然な物ではない。透明感も表現し、非常にバランスの取れた音。重みのある音が、透明な空間に広がり、実存感に通じている。ピアノの低音も自然に響く。歌手の歌に込めた感情がヒシヒシと伝わって来る。
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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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非常にバランスの取れた演奏空間である。若干野性味があるシーネイの華やかな歌声が、スピーカーが作る深みのある演奏空間の中に伸びやかに存在する。歌、ピアノの音に、重厚感があって生々しく実存感がある。しかも、一つ一つの音は明瞭で分解性が高いが、まろやかで刺激的な音は出ない。伴奏楽器(テナーサックス、トランペット)の質感も良好。
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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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ビッグバンドジャズの低音の迫力と、重厚感をさりげなく表現する。各楽器の表現は曖昧さが無く、分離独立して各楽器の質感も十二分に表現する。重みのある音で実存感がある。重みがあっても、躍動感は多いに感ずる。低音楽器(バスフォーン等)の表現はリアルである。ドラムの乾いた音も生々しい。音楽に引き込まれ時間を忘れて聴いている。ジャズを聴くのに音に重みがあるのは嬉しい。
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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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バイオリンの質感が素晴らしく、ピアノも存在感をもって響く。音の重厚感が、クラシックの崇高な感じを高めている。生のステージを見ている様であり、静寂性の中から演奏が響いてくる。音が重いと感じるのではなく、演奏の深みを感じる。バイオリンとピアノが作る、距離感が感じられる。もし、さらに求められるなら、演奏空間の透明性や奥行き感だろうが、楽器表現は十分なレベルまで達している。何より、音域バランスが非常に良い。
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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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重厚な演奏空間が広がり、各々の楽器の独立した演奏は素晴らしく、実存感を持ってステージを構成する。音の重厚さは演奏の深みとなり、芸術性を感じ、迫力ある再現となる。曲の旋律からは、どのような情景や思想を表現しているのかを感じ取ることが出来る。
今宵は、SONNY ROLLINSのBLUE NOTE 1558 VOL.2を聴きます。SONNY ROLLINS (テナーサックス)、JAY JAY JOHNSON(トロンボーン)、THELONIOUS MONK、HORACE SILVER(ピアノ)、PAUL CHAMBERS(ベース)、ART BLAKEY(ドラム)の大物ジャズマンが、緊張感の中に、濃厚なアドリブを展開します。YOU STEPPED OUT OF A DREAM やPOOR BUTTERFLY のバラードでも、心に染み入るようなアドリブを展開します。TRIODEの濃密な低音が相応しいのでは、と感じながら。
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