静岡ジャズ喫茶巡り Foolish Heart

静岡ジャズ喫茶巡り Foolish Heart

静岡ジャズ喫茶巡り~お客様より~2024年1月(2)

そのジャズ喫茶の名は「Foolish Heart」

静岡に新しいジャズ喫茶が誕生したと聞き、早速行ってみた。cenova(新静岡セノバ※バスターミナル一体型商業施設)から水落交差点に続く北街道沿いに店舗がある。北街道は江戸期以前の中世では東海道の役割を担い、東海道より北を通っているので北街道と呼ばれ、石碑と案内板も設置された歴史のある街道。駿府城外堀から水落交番まで続くこの鷹匠町商店街は、最近まで八百屋さんやお肉屋さんが並び、子どもたちの遊び声が聞こえていたような通り。

静岡ジャズ喫茶巡り Foolish Heart

そのジャズ喫茶の名は「Foolish Heart(2023年6月新規オープン)」。ご存じ、Bill Evans (ビル・エヴァンス)Waltz For DebbyのA面1曲目からの名前。クラシカルで瀟洒な入口を入ると、カウンター4席・テーブル席2組がある。赤レンガが貼られた壁には、昔の広告看板やレコードジャッケットが飾られ、あちこちに置かれたアンティークな家具が、経て来た時間と落ち着きを醸し出している。

静岡ジャズ喫茶巡り Foolish Heart

ご主人(オーナー)は、隣で美容院を営む息子さんに押され、予てから「ジャズを通じてコミュニケーションの場を作りたい」と言う思いもあり、ジャズ喫茶を開いたのだと言う。お料理を担当されている奥様も気さくな方で、店内はとてもいい雰囲気。ジャズは孤独な趣味のようだが、店内に入ればジャズが聴け、会話ができ、知らない情報や経験のやり取りで、互いに昔過ごした時間をも共有できる。料理上手な奥様が作るランチメニューのカレーもお洒落。頂いたホットサンドもパンは美味しく、挟まれたウインナーもチョット、ピリリッと食べ応えがあり旨かった!コーヒーはご主人がハンドドリップで丁寧に淹れ、雑味なく濃厚で後味はマイルド。お値段が330円と言うことで、これは相当価値のある一杯だ。紅茶は紅ふうき、静岡丸子の和紅茶。季節限定メニューで「ぜんざい」も提供されるとのこと。

ライトで上品なジャズが聴ける

オーディオシステムは、スピーカーがJBL、アンプはSANSUI、プレーヤーはDENON。コンクリート壁で天井が高く、特に残響は無い。流れてくる音は高音から低音までのバランスが取れていて厚みもあり、演奏を構成する楽器の分離も明瞭。スピーカーをセットしてある棚の柱が共鳴して第二のスピーカーの効果を出していると言うことだった。今のオーディオ機器は高精細だが、時代を経た機材でも、十分ジャズの聴きどころを再現している。LPレコードはご主人が20代に収集した50~60年代の名盤が中心。ビルエバンス、マイルスデイビス、ウイントンケリー、ケニードリュー。珍しい物では、HAL GALPER (ハル・ギャルパー)と日野皓正がENJA(エンヤ)に吹き込んだLPや、渡辺貞夫がモントルージャズフェステバルで録音したLPもあった。また、笠井紀美子が流麗な英語で歌うレコードも何枚かお持ちだった。ハード・バップは無いが、ライトで上品なジャズが聴ける。

静岡ジャズ喫茶巡り Foolish Heart

ジャズと時間の共有

「Foolish Heart」は、インスタグラムでお店の日常を発信、SNSを介して地方からもお客様が来る。東京銀座で30年ジャズ喫茶を経営していたという女性も来店されるとか。若い人はジャズの知識に触れたくてやって来る。ある女性たちは奥様から料理を習いたくてやって来る。常連のお客様は好きなCDやLPレコード持参でやって来る。「Foolish Heart」には、様々なコミュニケーションが生まれている。まさにご主人の意図したものが、水面に投げ込まれ波紋を広げているのである。

  

information

静岡市葵区駿府町1-54 永田ビル1階
営業日 木、金、土
営業時間 10:00~18:00
TEL 090-9176-1965

※「Foolish Heart」さんの発信されている公式サイトでのご確認をお願いいたします。

お問合わせ

特価販売価格、試聴に関するお問い合わせなど、お電話・メール・お見積りフォームにてお待ち申し上げます。

試聴レポート一覧ページへ

店舗のご案内

AVBOX店舗へのご案内