KEF Reference 3 Meta 試聴レポート

KEF Reference 3 Meta 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2022年11月(2)

KEF Reference 3 Meta

KEFは、1961年、レイモンドクックにより創業されたイギリスのスピーカーメーカーである。BBCのモニタースピーカーLS3/5Aや、オーディオ評論家瀬川冬樹さんが推薦したKEF MODEL 303や、最近では、同軸構造のUniQドライバーユニットを組み込む製品を送り出している。ここ数年は、UniQドライバー単体のカジュアルな製品が多かったが、久々に本格的なスピーカーが発売され、前回はブックシェルフ型のReference 1 Metaを試聴。今回は3ウェイフロアスタンド型モデル「Reference 3 Meta」を試聴してみた。

技術的特徴

・12世代UniQドライバー
・スピーカーユニットの背部に、音を吸収するカバーを付けてあり、99%の音が減衰されるようだ。
・スピーカーをつなげるネットワークは、自社開発のコンピューター解析ソフトにより、最適な設計にこだわっている。さらに、コイルやコンデンサーまで自社開発している。
・スピーカーボックスの背面はバスレフポート仕様になっていて、長さの違う筒が用意され、共振周波数の変化により、異なった音色を楽しめるようになっている。
※もともと、スピーカーボックス自作マニアは、ダクト口に紙管を挿入し自分の好みの音色を作ることが定石になっている。紙管の長さでヘルツホルム共振周波数を変化させ音色を決める。
・UniQユニットとウーハーは Reference 1 Metaと同等の物。

KEF Reference 3 Meta KEF Reference 3 Meta KEF Reference 3 Meta

リファレンス機材

・スピーカー:KEF/Reference 3 Meta
・プリアンプ:Accuphase/C-2900
・パワーアンプ:Accuphase/A-75
・CDプレーヤー:Accuphase/DP-750

KEF Reference 3 Meta セッティング

音の印象

音の滑らかさ伸びやかさは、Reference 1 Metaと共通のものを持っている。低音はウーファーが2個になり、柔らかい音質ながらも、実存感、スケール感が増している。UniQの同軸構造により、ソロ歌手や、ソロ楽器は音像の中心に浮かび上がり、リアリティが増している。刺激的な音は出さないが、音像の繊細さは深く、声や楽器の質感が感じられた。
Reference 3 Metaには、2種類のバスレフポート用の筒が用意されており、短いものではメリハリのある音に、長いものでは伸びやか音になるとの説明を受けた。今回は時間の関係で短い筒のみの試聴となってしまったが、長、短でのじっくり聴き比べも試みたい。また、オーディオルームに展示のフロア型スピーカーで「Sonus faber OLYMPICA III」を比較試聴として聴いてみると、Sonus faberは一音一音は明瞭だが、カラッと明るく元気の良い音。しかし落ち着き感も併せ持っている。各音像の分離は良好で、繊細な表現もし、声や楽器の存在感を表す。躍動感やエネルギー感も良好に表現する。Sonus faberの音はKEFの音より厚みがあり、低音に堅さがある。どちらかと言うと、ポピュラー寄りの音作りかなと思う。

ジャンル別試聴

-------------------------
1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
--------------------------

音は滑らかで音の分離が良く、定位良好。Reference 1 Meta とはスケール感が全く違う。低音が柔らかく伸びやかで、しかも、締まり方が両立している。チェロの深みやリアリティを感ずる。AccuphaseパワーアンプA-75の透明感がそのまま表れる。

-------------------------
2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
--------------------------

声が非常に滑らかで、余韻が綺麗に響く。ピアノの存在感も如実に感ずる。各楽器の分離良好で、ライブハウスの空気感も出ている。声は同軸スピーカーの良さが出て、伴奏の中心に浮かび上がる。全てにゆとり感がある。アンプの性能がそのまま表れる。

-------------------------
3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
--------------------------

同軸スピーカーの点音源の為か、ソロ楽器の存在にリアリティがある。打楽器の出方に存在感がある。相当繊細な音にも反応する。しかし刺激的な音は出ない。楽器の質感や演奏者の技巧はつかみ易い。バックのビックバンドの迫力も伝わってくる。

-------------------------
4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
--------------------------

ピアノの音に品位を感ずる。ピアノの音に透明感があって美音であり、残響や余韻が綺麗に出る。ピアノの技巧、オーケストラホールの存在感を感ずる。スケール感が大きく、ピアノ演奏のダイナミック感が伝わってくる。

-------------------------
5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
--------------------------

オーケストラの演奏が各楽器分離良好で、存在感があり自然に響く。ソロバイオリンの浮かび上がり方に存在感がある。バイオリンの音色が非常に滑らで、憂いに満ちた雰囲気や技巧、クラシックの品位を鮮やかに表現する。

TODAY’SONG

今宵は、ドリスデイとアンドレプレビンが共演した、DUETを聴きます。ドリスデイはポピュラー歌手ですが、歌唱力は相当高く、ジャズのスタンダードを流麗に歌います。柔らかく親しみやすい声と、アンドレプレビンの格調高い伴奏で魅了されます。

DUET ジャケット DUET レコード再生

ショートエッセイ

大道芸ワールドカップin静岡が3年ぶりに開催されました。例年3日間の日程が、今年は11月5日と6日の2日間で短縮して行われました。演者が32組と少なく、アーティストは邦人のみで、外国人女性達の華やかな衣装や、大規模な機材の演出は無かったものの、各会場は久しぶりのワクワク感を楽しむ観客であふれていました。子どもたちをステージに上げたりと、観客を巻き込んでのパフォーマンスは、地味な演出ながらも見せ方が上達しているなぁと感心しました。今年の観客者は69万人で、例年(2019年170万人)に比べると減少しました。このイベントは、1992年来、繁華街の賑わいを取り戻そうと企画された成功例の一つです。 

大道芸ワールドカップin静岡

今週の生花:ローゼル・シンフォリカルボス・トルコ桔梗・赤唐辛子

店内フラワーアレンジ   

お問合わせ

特価販売価格、試聴に関するお問い合わせなど、お電話・メール・お見積りフォームにてお待ち申し上げます。

試聴レポート一覧ページへ

店舗のご案内

AVBOX店舗へのご案内