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今月はTADのディスクプレーヤー「TAD-D1000TX」とフロアスタンド型スピーカー「TAD Evolution Two」をレポート。コンセプトがそれぞれ「音楽の真実を紡ぎだす」「寛ぎの空間に、音楽が溢れる」とあり、従来の音楽を鋭敏に分析的に鳴らす方向とは違っている。果たしてどのような空間に包まれるのか?ということで前回は「D1000TX」を、今回は「Evolution Two」をレポート。リファレンス機として通例のアキュフェーズC-2900、A-75、DP-750の組み合わせで試聴、次にマッキントッシュMA7200がふさわしいのではないかと思い、TAD-D1000TXとの組み合わせで試聴してみた。
・2.5cmベリリウムトゥイーター クロスオーバーは2.8khz
・15.5cmウーファー アラミド繊維とパルプコーンをラミネート
・エンクロージャーの底部にポートを配置し、低音を前後に逃がす
システム1では、爽やかな静けさを感じられる音色で、明瞭な音像に多少マットがかかったような雰囲気である。生活空間の中でさりげなく上質な音楽を味わう事が出来、スピーカー本来の性格、音色を再生しているようにも感じた。システム2では、TAD-D1000TXの音色、性格が支配的で、明快かつ力強さを感ずる音になる。メーカーのうたい文句である「くつろぎの空間に、音楽が溢れる」とは違った感じであった。従来のTADのスピーカーの精緻でリアルに音像を描く性格から、緊張感を感じず、音楽を楽しむ方向に性格が変わった。基本的に、音像の再現は明確だが、印象としてはおとなしく落ち着いて、爽やかで優しい雰囲気を奏でる。ウーハーが15.5cm×2の為か、低域の量感は少ない。ボーカルやクラシックが良い。McIntoshのプリメインアンプMA7200は、従来の太いマッキントーンに、繊細さと軽やかさと上品さが加わった音で、価格的に相応なプリメインアンプと感じたが、上記組み合わせでは、良さが生かされなかった。
■リファレンス機材
・プリアンプ:Accuphase/C-2900
・パワーアンプ:Accuphase/A-75
・CDプレーヤー:Accuphase/DP-750
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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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声は落ち着きの中に華やかさや、優しい表情がある。空間表現が明瞭で、チェロの低音の重厚さ、沈み込み、音の分離良好。声に定位良好。全体的には、優しいJPOP。
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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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静かな落ち着きのあるジャズボーカル。低域の量感は無いが、明瞭な表現。刺激的な鳴り方はしない。定位良好。TADにしてはソフトな鳴り方。音像はソフトフォーカス。
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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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音像はマイルドで、明確に音像を描くタイプでは無い。刺激的でない雰囲気で味わう音楽。明確だが優しい表現。躍動感や分離の良さは持っている。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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ソフトな響きのピアノ。金属的な響きでは無い。日常生活の中に合って、静かに聴けるクラシック。しかし、クラシックの演奏の格調さは十分に感ずる。余韻は少ない。演奏会場の中間の席で聴いているよう。しかし、表現は芯があり、ハッキリしている。
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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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オーケストラの中に、バイオリンの音が重厚に優しく響く。弦の演奏は魅力的な表現で、音圧を押し付けてくるような表現ではない。バイオリンの音は中心部に明瞭に浮かび上がり、技巧の細やかさを表現している。格調高い表現。
■リファレンス機材
・プリメインアンプ:McIntosh/MA7200
・CDプレーヤー:TAD/TAD-D1000TX
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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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S/N比の良さを感じる。声は自然で曖昧な部分が無く明瞭。音は従来のTADのように鋭く分解的では無く、滑らかな存在感を感ずる音。歌と伴奏の奥行き感がやや平面的、マッキンの性能か?低音の量感は無い。
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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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滑らかな自然体な音で、ベースの音もはっきりしているが量感は少ない。S/N比の高さを感じる。クリーン電源を使用した時の音のよう。躍動感も自然。各々の楽器のリアリティーが高い。低音がもう少し欲しい。しかし音像はクリヤーで過不足ないレベル。会場の雰囲気とか、奥行き感に少し不満あり、やや、静かなジャズボーカル。
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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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音像は非常に明瞭。全体的におとなしめだが、ジャズの躍動感は大いに感ずる。楽器演奏の非常にデリケートな部分も表現する。ジャズを、上品に静けさを持って聴くには良好。ピアノの質感や存在感も明瞭。刺激的なジャズでは無い。上品な雰囲気。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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クラシックの風格の高さを感じる。他のTADのスピーカーのように鋭敏に切り込むのではなく、緊張感を持たずに聴けるクラシック。ピアノの音のすべてを表現しているようで、技巧のすべてを感じる。静寂感の中に浮かび上がって来る。心穏やかに演奏に酔いながら聴ける音楽。
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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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オーケストラの低音の量感は薄い。バイオリンの音が非常に明瞭で、音色(艶・震え・弦の擦れ)のすべてを伝えているよう。やはり落ち着いた品格のあるクラシック、心穏やかに陶酔できる。音の分離は良好。音の厚みの持たせ方が自然。これで会場の立体感、雰囲気がでたなら、と思う。とにかく音像は非常に明瞭である。
「TAD Evolution Two」を聴いて、今宵はPaul Desmond(ポール・デスモンド)のPaul Desmond/The Modern Jazz Quartet を聴きます。Paul Desmondの軽やかなアルトサックの演奏に、MJQの爽やかで軽快な演奏が寄り添います。正面から向き合っても、BGM的に聴いてもお洒落な演奏です。
今週の花はクルクマ、ピンククッション、島大谷渡、etc・・クルクマの花は苞の中でひっそりと咲き、花びらのようなピンクの部分は花を守る苞なのだそうです。それとは対照的に雄しべがグッと上に伸びている姿のピンククッション。花もそれぞれ個性を持っています。さて、ご存じの方も多いとは思いますが、TVやYouTube で流れた知らない曲を調べる方法をご紹介します。YouTubeで観光地訪問記などを見ていると、おしゃれな音楽が流れてきて、何の曲だろう?と思うことがあります。そんな時はiphoneで「Hey Siri(ヘイシリ) この音楽の名前を教えて」と言って、画面に近づけてみてください。たいていの曲は「これが見つかりました」と答えてくれます。私は京都が好きなので、YouTubeで犬と歩く京都の動画を見ていてエンディング近くなると、軽やかな素敵な曲が流れます。その曲は「Cody Francis(コーディー・フランシス)のSweet Baby」でした。AV BOXで親しくなったお客さんから教えてもらったツールです。
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