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B&W 802D4/804D4 展示開始 早速試聴していただきました
B&Wの大型スピーカーがAV BOXの店頭から姿を消してから久しく、どこか物足りなさを感じていたところ、なんと9月27日突如として運び込まれ、チョンマゲ姿のツイターと、独立したドームを持つミッドレンジ、メインボックスにウーハー2基が収められた802D4とスリムな804D4が試聴室に置かれたのだ。800D3シリーズは、スピーカーの描く空間が一般のスピーカーより広く、その中に精緻な音像を描いたが、この度はどんな音楽を奏でるのか興味深く試聴した。技術資料が少なく、詳細な改良点が分からないが、ミッドレンジやウーファーのコーン紙のダンパーを布製からバイオミメティック素材(生体の持つ優れた機能や形状を応用した物。例えば、ハスの葉が水をはじくこと。B&Wの素材が何かは企業秘密だそうです)へ変更。またツイターのエンクロージャーのストロークが長くなり、ミッドレンジドームの構造の変更、ウーハー用ボックスの合板の構成と構造が大きく変わった様だ。また音圧が、802D4では90db、804D4では89dbと近代スピーカーとしては高い。値段も802D4は、一基205.7万円、804D4では95.7万円とアップした。今回の試聴は、入荷してから間もなく、十分なエージングが出来ていないので、その辺は割り引いていただきたいと思います。
【804D4】
清涼感のあるクールで落ち着いた鳴り方。静かな背景の中に、歪感の無い密度の高い音像が再現される。声や楽器の表現が程よい自然感と密度があり、生々しさに通じる。802D4と比べると、低音の量感に差を感ずるが、十分高品位な音である。
【802D4】
音は804D4と同質で、やや硬質で密度感のある音像を描く。一音一音が、804D4よりさらに繊細な表現をする。低音はさらに量感があふれる。すべてが生々しい。スピーカーの表現に、歪感とS/N比が改善された、との、表現があるかどうか分からないが、密度が高く、程よい厚みのある声や楽器の音像が静かな背景の中に浮かびあがる。色彩感、情緒性、躍動感、分離性、定位、立体感等が自然な形で表現される。前世代「802D3」に感じた演奏空間の広さは無い。
804D4は、ツイターが独立し、ミッドレンジとウーファーが同じキャビネット内に収められたスタイル。802D4は、ツイター、ミッドレンジ、ウーファーが独立してキャビネットに収められている。B&Wの伝統的なスタイル。
プリアンプ:Accuphase/C-2850
パワーアンプ:Accuphase/A-75
CDプレーヤー:Accuphase/DP-750
804D4 オールマイティ
802D4 オールマイティ
【804D4】
1)JPOP
ソースは女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き。清涼感のある落ち着いた音で、声と、伴奏の分離良く、深みのある低音が出る。情緒性たっぷり。レンジの広さは十分。自然な音域バランスの良さを感ずる。ワンランクアップして一皮むけた様な感じ。
2)JAZZ VOCAL
ソースは女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ。透明感や清涼感を感じ、落ち着きがある。低音は芯があり硬質な音。躍動感や音の深みを感じ、ボーカルを生々しく再現し、ピアノの音も生々しい。相当、細かな音が出る。これだけ鳴れば、過不足ない。歪率やS/N比が一段向上した。
3)JAZZ
ソースはビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ。歪率を余り感じず、背景(S/N比)が静かになった。メインの楽器のアルトサックスが生き生きと鳴る。自然な躍動感やエネルギー感を感ずる。CDに含まれる音像をそのまま出している様に感ずる。サックスの細かな表現や息遣いがリアルに出てくる。ピアノの質感が良く出る。音の分離感も良い。音は硬質な感じで甘くない。音像の密度感が高くなった。SONNY CLARK COOL STRUTTIN’ エソテリック盤を聴く。 硬質な感じがJAZZに合う。リマスターされたCDの再現性は良好。楽器の分離、質感が良く出て生々しい。特に、管楽器の表現が良い。楽しめるJAZZ。
4)CLASSIC PIANO
ソースは、ピアノソロ、グラモフォンの録音。ピアノの音が硬質な感じで生々しく、音の質感が良く出る。クラシックの尊厳さ、重厚さ、且つ、軽やかさも表現して、ピアノ演奏の豊かさを感ずる。楽器から発せられる音が空間に広がっている様を感じる。
5)CLASSIC VIORIN
ソースはオーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音。S/N比が高く、オーケストラを眼前で聴いている様な生々しさがあり、細かな表情が自然に出てくる。演奏に不自然さが無い。作った情緒性では無く、楽器が持っている情緒性がそのまま出ている。会場の雰囲気、空気感も出ている感じ。
【802D4】
1)JPOP
ソースは女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き。音に色彩感を感ずる。女性の声の表情、温かみ、息遣い等、非常に細かい音を表現する。伴奏のチェロも、分離性良く、深い表現で生々しい。804も802も音の色調は同じ。802D3の様な空間的広がりは無いが、出てくる音が実存感を持って生々しく鳴る。
2)JAZZ VOCAL
ソースは女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ。女性の声に表情が現れ、生々しい。やはり、歪感の低さ、背景の静けさ(S/N比の高さ)を感じる。一つ一つの音に密度感がある。静けさの中に躍動感がある。ボーカルの浮かび上がり方が良好。バックのピアノの鳴り方が、804D4に比べ、低音の量感が豊か。
3)JAZZ
ソースはビッグバンドを背景にアルトサックスのソロ。低音の豊かさが、楽器の表現の豊かさに通じる。サックスの質感が良く出る。メイン楽器の浮かび上がり方が秀逸。定位、分離が良好。演奏会場の奥行き感、各楽器の位置関係が良く出る。躍動感が自然。作ったような躍動感では無く、自然感に近い。SONNY CLARK COOL STRUTTIN’ エソテリック盤を聴く。中域が充実した音。音に実存感がある。エネルギー感をどんどん迫る音では無いが、クールな雰囲気で聴けるJAZZ。管楽器が生々しい。音にさりげない厚みがある。ジャズでは、804D4の方が生々しいか。
4)CLASSIC PIANO
ソースはピアノソロ、グラモフォンの録音。音に厚みがあり、ピアノの音に重厚感がある。音に色彩感があり、演奏の表情が非常に良くわかる。やはり、歪率や背景の静寂感が優れている。細部の表現も非常にデリケート。演奏の技巧が良くわかり、生々しい。目の前で、聴いているような生々しさを感ずる。重低音がさりげなく出ている。
5)CLASSIC VIOLIN
ソースは、オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音。目の前に透明感のあるオーケストラが広がる。バイオリンの音が生々しく響く。歪率や背景の静けさが非常に良い。バイオリンの演奏の技巧の高さが良くわかる。ベールが2枚ぐらい剥がれた様。楽器の色彩感が良くわかる。目の前で、オーケストラを見ている様。いたずらに空間を表現するのではなく、演奏楽器そのものを表情豊かに浮かび上がらせる。
歪感の無い音が、静かな背景の中に浮かび上がる再現性は、一般的に音場型と言われる分類に相当する。どのスピーカーメーカーでも、高額な上位機種に、相当するものがあり、JBLでは、エベレスト67000やK2シリーズがそれだ。比較的、大型が多い中で、今回のB&Wは家庭に置いても丁度よい大きさを持っている。資金が許せば、入手して損のない製品と思います。
●「R.シュトラウス/4つの最後の歌」セル ロンドン響 20世紀の歌姫、シュバルツコップの代表作。シュトラウス最晩年の境地をみごとに歌い上げる。 ●「DIANA KRALL /THE LOOK OF LOVE」 ダイアナクラールの悩ましく憂いに満ちた声が聴ける。CD一枚を、LP2枚に収めた高音質盤。 ●「STEELY DAN/ Aja 」フージョンをこのような品位のあるスピーカーでなぜ聴きたいかは、このアルバムがジャンルを問わず、完成度の高い物と思うからです。ボーカルのドナルド フェイゲン ギターのウォルター ベッカーの他、ジャズ、フージョン界のミュージッシャンをサイドに迎えています。非常に録音が優れた作品です。ジャケットのモデルは、日本の山口小夜子です。
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