LUXMAN SQ-N150 D-N150 試聴レポート

LUXMAN SQ-N150 D-N150 試聴レポート

~お客様より~2021年1月 第二弾 試聴レポートのご紹介~

LUXMAN Neo ClassicoII 「SQ-N150」「D-N150」

優美なフォルムそのままに、進化を続けるラックスマンの音作り

ラックスマンは、優美なフォルムで、持つものに満足感を与えてきたメーカーである。時代が変わっても、歴代のアンプは、存在感を放ち続ける。近年、発売されたL-595Aは、1989年発売のL-570Aの同一デザインだし、LX-380は、1970年発売のSQ-38FDのデザインを踏襲している。2007年発売のSQ-150,D-N150も優美なデザインはそのままに、再生性能の向上を目指して進歩し続けている。
旧ラックスの音色は、こってり艶やかで、重々しく、ピアノや弦楽器の再生には、独特の魅力を備えていた。かつて、タンノイとの組み合わせは、ゴールデンカップルと言われた。そのラックスマンも、近年は、きわめて中庸な音作りをしている。
今回のSQ-150,D-N150もどんな音作りなのか、KEF 「LS50 META」ソナスファーベル 「HERITAGE Minima Amator II」を使用し試聴してみた。ラックスマンのパンフレットには、侘(わ)びた風景のなかに艶めいたふくよかさを実感させ、このうえもなく精巧な一幅の絵画の様と、詠ってある。
静かな空間に、音像が優しく、艶やかに実存感をもって再現されるのか。

LUXMAN SQ-N150

音の印象

■KEF「 LS50 META」
落ち着きのある、硬質できりっとした音。一音一音の分離よく、自然な印象を受ける。トランジスターアンプで再生している様に感ずるが、そこそこ厚みがあり、やはり真空管アンプだなと思う。演奏会場のスケール感は望めない。
■ソナスファーベル「 HERITAGE Minima Amator II」
落ち着きがあり、分離感の良い音に、スピーカーの音の濃厚さが加わり、実存感が増す。声や楽器の繊細な表情も表現する。KEFで味わえなかった、演奏会場のスケール感を感ずる。高額なスピーカーを駆動する性能も備えている様だ。

LUXMAN SQ-N150

フォルム

マット調シルバーの外観を持ち、A4サイズの中に、小ぶりな真空管とトランスを配置し、存在感を主張しない。上品な統一感は、生活空間にあって、自然に調和する雰囲気を持っている。

LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150

適応ジャンル

オールマイティ

リファレンス機材

・ラックスマン SQ-N150、D-N150 
・KEF LS50 META
・ソナスファーベル HERITAGE MINIMA AMATOR Ⅱ

音楽ジャンル別印象(KEF  LS50 META)

JPOP:華やかで、落ち着いた音。音の分離良く、音像がはっきりしている。アキュフェーズより硬質に感じ、分解性高い。さりげない厚みがあり、上質感を感ずる。前後感はないが、包み込まれる様な雰囲気を持つ。
JAZZ VOCAL:ベースがカチッとして躍動的に響く。特に、低音に不満はない。レンジ感は広い。音は艶やかだが硬質な感じがする。点音源の良さを感じる。ピアノの硬質感と、艶やかさが良く出る。いつまでも聴いていられる自然感が良い。
JAZZ:ジャズは生き生きと鳴る。音の分離も良好。音の硬質感が生き生き感に通じる。ジャズをBGMとして聴くには最適に思える。楽器の質感は良好。KEFとラックスマンの相性は良い。音が重なる部分でも、分離感は味わえる。音場感、前後感までは無理だが、非常にバランス良い鳴り方で、聴いていて楽しい。
CLASSIC PIANO:ピアノの音に芯があって、艶やかに響く。演奏会場の雰囲気まで出せないが、クラシックピアノを楽しく聴かせる。音楽の本質が盛り込まれている様な音作り。静寂感もあり、低音や高音も自然に伸びている様。音楽を楽しく聴かせる。オーディオ初心者が購入して、十分楽しめる組み合わせ。
CLASSIC VIOLIN:クラシックの格調の高さ、森厳さが十分出る。オーケストラの中で、バイオリンがバランスよく奏でられる。音にあいまいさは無く、各々の分離感が良い。クラシックを聴いても楽しい。上品さは十分伝わって来る。オーケストラのスケール感はそこそこで、演奏会場の雰囲気は出ないが、音楽を楽しめる。

音楽ジャンル別印象(ソナスファーベル HERITAGE MINIMA AMATOR Ⅱ)

JPOP :生々しく厚みのある音。カチッとした分離の良い音。一音一音が上質。歌手の息遣いやチェロの質感の生々しさが良く出る。音の前後感が出る。音に重みがあり、重厚感がある。
JAZZ VOCAL:音に厚みが在り、実存感がある。ベースがぶるぶると鳴る。しかし声は軽やかに流れ、分離が良く迫力がある。自然な落ち着き感あり、ウキウキ感も表現する。聴いていて楽しい。
JAZZ:実存感を感じ、楽器の繊細感も十分表現する。ベースの沈み込みも十分。音の軽やかな感じが良い。全体が聞きやすい。自然環境で聴かれる音に似ている。其の上に、上質な音を載せてあり、金属楽器の質感も良く出ている。
CLASSIC PIANO:ピアノの芯のある硬質感と、キラキラ感が良い。スケール感を求めると大型システムだが、このスピーカーでもピアノ演奏を十分楽しめる。レンジ感も広く、つまった所がない。低音の重厚さを感じる。高音の弾むような軽やかさや、力強さも表現する。バランスの良い音。生活空間の中で、さりげなく上質な時間を過ごせる組み合わせ。
CLASSIC VIOLIN:オーケストラ会場の雰囲気出る。スケールが広がり、しかも、音の分離が良好。音が、くっきり、はっきりしていて、どちらかと言うとトランジスターアンプの音に近い様な表現。弦の甘くゆすられる様な音は、ソナスの独特の音。震えるような指使いに思わず聞きほれる。弦の音は魅惑的で、引き込まれる様なあやしい魅力を持っている。格調高く、演奏者の思いまで伝わってきそう。

まとめ

ラックスマン SQ-N150、D-N150は、KEFもSONUSもラックスマンの音調で駆動し、それぞれの良さを引き出している。生活空間の中に音を常時満たしたい人はKEFだし、音楽に正面から向き合いたい人は、SONUSを薦める。音は、ラジオやテレビから流れてくる音の延長線上にあるようで、不自然な感じや違和感を、感じないものである。このセットを選ばれる方は、スピーカースタンドも併せて検討されると良いでしょう。壁や棚の制約のある条件より、解放された空間で鳴らした方が、性能を発揮できると思います。
今宵は、軽くて軽妙な感じのするWEST COST JAZZからPACIFICレーベルに残されたオムニバスLPと、イラストカバーがお洒落なBUD SHANKU 、JOHN LEWISのアルバムを聴きます。小粋で、このシステムに相応しい音楽の様に感じます。

LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150 LUXMAN SQ-N150

Today’s song

■■THE BLUES■■
PACIFIC RECORDS中のブルース(憂鬱な雰囲気)の名演を集めたオムニバス
バドシャンク、ビルパーキンス、ジョンルイス、ジュリーマリガン等の演奏が聴ける。
THE BLUES
■■BALLADS FOR BACKGROUNDS■■
PACIFIC RECORDS中のバラード(静かで美しいメロディラインを持つ)の名演を集めたオムニバス
ローリンドアルメイダ、ジュリーマリガン、バドシャンク、チェットベイカー等の演奏が聴ける。
BALLADS FOR BACKGROUNDS
■■BUD SHANK QUARTET■■
バドシャンクは、パシフィックレーベルのオーナー リチャード ボックが全活動期間中に亘って契約をしていたアーティスト。陽気なシャンクが、翳りの美学を見せたアルバム。
BUD SHANK QUARTET
■■JOHN LEWIS GRAND ENCOUTER■■
パシフィックレーベルを代表する名盤
イーストジャズの2人(ジョンルイス、パーシーヒース)ウェストコーストの3人(ビルパーキンス、ジムホール、チコハミルトン)が邂逅してできた作品。アドリブ重視より、グループとしてアンサンブルを重視した作品。
JOHN LEWIS GRAND ENCOUTER

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