ご購入のご相談はお電話でも承ります
AMATI TRADITIONはソナス・ファベールの製品群の中で、上位にラインナップされているスピーカーである。
OLYMPICA NOVAは清々しい雰囲気の中に精緻な音楽を奏でていた。
AMATI TRADITIONを聴くと、横山大観が描いた、朱色に染まる太陽と桜のあでやかさを春霞で包んだ風景の様に、極めて情緒的な印象を受ける。
イタリアの風土と言えばカラッと明るく、陽気で、開放的な印象を受けるが、イタリア映画の「自転車泥棒」や「ニューシネマパラダイス」の様に、現実の過酷さの中、懸命に生きる人々を美しく描くものや、エンリコ ピアリヌンツイのジャズの様にロマンティックで哀愁漂うものも見受けられる。
そんな一般的なイタリアとはちょっと違ったイメージを感じながら試聴を行ってみた。
試聴アンプはOCTAVE V80SEとアキュフェーズのDP-750/C-2850/A-75である。
■OCTAVE V80SE
明瞭な声や、楽器演奏、オーケストラ演奏を、優しい上質感に包みながら展開させる。
オーケストラ会場の大きさや、ライブハウスの空間の、歌手やバックミュージシャンとの関係もバランス良く表現する。
低音も歯切れが良く、厚みがある。V80SEに使用されたKT150真空管のせいか、音に厚みがあり、躍動感がある。
出てくる音は、アンプとスピーカーの一体感を感ずる。
■Accuphase DP-750/C-2850/A-75
あらゆるスピーカーに適性を見せるアキュフェーズだが、このスピーカーには、ちょっと硬質の表現になり、
情緒性を生かし切れて無い様な印象を受ける。でも、声や楽器の精緻な表現を感じ、
立体感や奥行き感、演奏の技巧、楽器の余韻等、表現される音楽は、奥深さがある。
スピーカーボックスは、奥に向かってしぼんでいくリュート楽器の様な外観を持ち、 絞り込んだ側面の下部にスリットがあり、低音を放出している。 ソナスはこれをスピーカーの一部と考え、3.5ウェイ4スピーカーと表現し、クロスオーバー周波数は、 80hz/250hz/2.5khzと、あまり例を見ないものになっている。 外観は突板の表面に深層塗装が施され、高級家具のイメージである。
オールマイティだが、クラシックの表現により深淵なものを感じる。
OCTAVE V80SE+YAMAHA CD-S2000、Accuphase DP-750 C-2850 A-75
♢ JPOP:明るく、優しく、明瞭な声、厚く深みがある。低音も自然。包み込まれるような雰囲気。演奏が聴きやすい。
♢ JAZZ VOCAL:優しく、色気と明るさが明瞭で、曖昧さが無い。深い低音。口の大きさや歌手の姿が自然。躍動感あり、
楽器は目の前で演奏しているような実存感あり。スピーカーの前面に、ステージが広がる。すべてがゆとりを持って響く。
♢ JAZZ :ピアノが明るく、余韻も良好。音が上質な感じ。それぞれの楽器の音が自然で分離良く、低音の切れが良い。
音が伸びていて、窮屈感はない。ゴージャス感があり、目の前で演奏しているような印象。
♢ CLASSIC PIANO: オーケストラ会場で、目前で聴いているような印象。上質な音で、明るく華やか。
演奏技巧の素晴らしさや、ピアノ演奏の情緒性は、スピーカーやアンプが作ったのもではなく、自然ににじみ出てくる様に感ずる。ピアノの重低音も自然。
♢ CLASSIC VIORIN :目の前にオーケストラが展開している様。すべてにゆとり感がある。弦の演奏表現に引き込まれるような魅力がある。哀愁感も躍動感もさりげなく表現する。
♢ JPOP:明るく、爽やかな声。背景空間に深みある。きりりとした音。楽器の低音に深みがある。音は、中高域に硬質な感じを受け、低音は、上質な優しい感じがする。
♢ JAZZ VOCAL:声を浮き上がらせる様な音つくり。ベースのリアル感が良い、ピアノも自然、声や歌の表現がリアル。
♢ JAZZ:演奏会場の雰囲気が出ている。やはり、優しいジャズ。テナーもピアノもトランペットもソナス色、でも、金管楽器の質感は十分出る。聴いていて楽しいジャズ。
♢ CLASSIC PIANO:オーケストラホールの中でピアノが演奏されているのを感じる。ピアノの表現は精緻で、ピアノの音は美しく、余韻に満ちている。演奏技術の高さを感じる。
奥行き感、立体感を感ずる、低音のリアル感がそうさせるのか。
♢ CLASSIC VIORIN :オーケストラホールの広がり、奥行きを感じる。アキュフェーズの音だと、少し硬めの印象。
しかし、バイオリンの技術、弦楽器を演奏する余韻が素晴らしい。バイオリンのまろやかな響きは他にない。
弦の表現は魔力を感じる。オーケストラの各パートの分離感全て自然に感じる。
AMATI TRADITIONは、定価360万円の高価なスピーカーです。
200万円クラスのスピーカーでもリアルな再生は可能だが、AMATIはそこにあたかも演奏会場を表す空間が加わる。
優しさと精緻と、低音が作り出す空間の広さと、情緒性がある。表現される演奏に、緊張感を抱くことなく、引き込まれる様な包容力を持っている。
そしてOCTAVE V80SEは、スピーカーの存在を忘れて、音楽に傾倒できる一体感を生む。AMATI TRADITIONは真空管アンプの方が魅力を出せる様な気がする。
ネットで紹介される、ゴールドムンドやコンステレーション等の超高級アンプでなくても、OCTAVEで十分陶酔できる。
又、国産でも、ラックスマンのC-900uとM-900uや、真空管のCL-1000とMQ-300、uesugi(上杉研究所)のU-BROS-280RとU-BROS-120R、
フェーズメーションCA-1000とMA-1500等を比較試聴したらどうだろう。
これだけのスピーカーなので、ゆっくり時間をかけて検討されることをお勧めします。
今宵は、哀愁感と華麗なテクニックで聴衆を魅了したアートペッパーのアルバムを聴きます。
■■The Broadway Bit マーティ・ペイチ ■■
マーティペイチ楽団と共演したブロードウェイ ビット
恐ろしく録音が良いアルバムです。
■■アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション■■
アートペッパーが、マイルスディビスコンボのリズムセクションであった、レッドガーランド、
ポールチェンバース、フィリー ジョー ジョーンズと共演したアルバム。ジャズアルバムの定番中の定番
KT150真空管を使ったアンプとして、TRIODE MUSASHIがある。OCTAVEは、プリ部をトランジスターで構成するハイブリッドアンプである。価格的には、3倍の差があり、比較するのは無理があるが、異なる点はどこか試聴してみた。
このスピーカーは、優しく精緻な表現と、低音処理のうまさから、コンサートホールの存在を感ずる表現力を持っている。TRIODE MUSASHIは、音が太く、エネルギー感があり、クールであっさりした印象がする。ある程度、このスピーカーの良さを引き出しているが、このスピーカーはもっと繊細感や実存感を出せる。MUSASHIには、他に、バランスが取れた組み合わせがあると思われる。
♢ JPOP:柔らかな声だが、リアリティがある。静けさのなかに、高品質な音を感じる。
♢ JAZZ VOCAL:全ての表現にゆとり感(開放感)がある。VOCALのバックの楽器が、後方で控えめに鳴り、リアルな空間表現がある。声に曖昧さが無く、録音された音をすべて表現している感覚。
♢ JAZZ:優しいジャズ。楽しさ、小気味良さ、音の分離感等良好。出力されてくる信号を、ゆとりを持って音に変換している。楽器全てに実存感がある。時として低音過剰気味のTRIODE MUSASHIの音が、違和感なく低音の深みに通じている。中高域はリアリティ高く、低音はまろやかに感じる。
♢ CLASSIC PIANO:非常にリアルな音を、ソナス色のベールに包んである。若干優しく感ずる。ピアノの余韻が美しい。低音の深み、高音のリアル感が、目の前で引いているかの様で、生の演奏を聴いているかの様な雰囲気が出ている。オーケストラホールの中でピアノが演奏されている実存感がある。
♢ CLASSIC VIORIN :オーケストラ会場の雰囲気を感じ、楽団が目の前に展開している様。バイオリストの弦の音が魅力的。明るく、優しい。スケールの大きさが感じられる。自然だが、ちょっと優しく、緊張感を伴う様なものでは無い。リラックスと上品さを併せ持つ。
特価販売価格、試聴に関するお問い合わせなど、お電話・メール・お見積りフォームにてお待ち申し上げます。