2021年11月(3)レポート

Accuphase/E-5000/C-2900 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2021年11月(2)

Accuphaseより創業50周年記念モデル第4弾、AB級ステレオプリメインアンプのトップモデル「E-5000」が発売されました。発売前より多くのお問い合わせがありましたので、早々に試聴されましたお客様からのレポートを紹介いたします。同時に先月発売の(2021年10月)プリアンプ、C-2000シリーズの最高峰として開発された「C-2900」も聴いていただきましたのでそちらもあわせて紹介いたします。

「Accuphase/E-5000/C-2900」

アキュフェーズ社は、今秋、AB級プリメインアンプE-5000、プリアンプC-2900を発売した。同社は、50周年イベントとして、プリメインアンプE-800、プリアンプC-3900、CDプレーヤーのDP-1000、DC-1000のフラッグシップモデルを世に送り出して来たが、今回は開発時に培った最新技術を、中堅製品に応用した製品づくりのように見受けられる。従来のA級プリメインアンプE-800と、前回作のプリアンプC-2850と比べてどんな点に変化があるのか試聴してみた。

音の印象 

E-5000: AB級アンプの特色として、音の立ち上がりのスピード感や低音の迫力を感ずる。一つ一つの音の肉厚感は後退するが、さりとて楽器や声の質感が損なわれるものではない。分離感は良く、ロック等のエネルギーを体感するような音楽にはふさわしい。オーケストラ等のスケールの大きい音像も自然に感ずる。
E-800:A級アンプらしく、コッテリとして明るく華やかな印象。低音再生は重みがあり、テナーサックスの胴鳴りやベースのブルン感が自然で、ピアノやオーケストラの重量感に存在感がある。一つ一つの音に厚みがあり、女性の声やピアノの高域に色彩感があふれる。

C-2900:使用したパワーアンプはA-75でC-2850と同一だが、音の表現はガラリと変わる。あたかも、A級とAB級のアンプが混ざったような印象を受ける。空間的スケールが大きく、音が軽やかになり、音が解き放たれたような感じがする。C-2850のコッテリ感は無くなり、重厚な感じは少なくなる。音にスピード感があり、低音の出方に迫力がある。C-2850ではロック調の音調に重たさがあったが、C-2900ではストレートに体に伝わって来る。音像はC-2850と比べると、肉厚感は薄くなるが、分離感は良好である。
c-2850:A級のパワーアンプを駆動するプリアンプとしては、こってりとした明るく華やかな印象を受け、E-800と比べると空間的広がりが生まれ、E-800の音にスケール感、分離感、細やかさが付与される。やはり、E-800の倍以上の価格がするプリとパワーには相応の性能が存在する。ただ、E-800を単体で聴けば、十分魅力的な世界を演出する。

技術的改良点 

E-5000とC-2900と共通の改良点はボリュームを、AVAAからBALANCED AVAAへの変更である。AVAAは、大きさの異なる入力信号を作り、その組み合わせで音量をコントロールしているが、BALANCED AVAAは、AVAAをバランス回路で構成しノイズレベルを低減している。C-2900はノイズレベルを20%低減。C-2900はプリント基盤に金プレートを施し、ガラス布フッ素樹脂基盤を採用。左右独立構成のトロイダルトランスとフィルター・コンデンサーによる電源回路を採用している。E-5000は、パワートランジスターを5パラレル・プッシュAB級動作で構成し、ダンピングファクター1,000を達成している。

フォルム

全てアキュフェーズ調で統一され、若干の変更は見られるものの、大きな変更はない。

アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート

ジャンル別試聴 E-5000/E-800

■リファレンス機材
・CDプレーヤー:YAHAHA CD-2100
・スピーカー:YAHAHA NS-5000

1)JPOP :女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
・E-5000:伸びやかな声、程よい肉厚感。落ち着きと快活さを併せ持つ。伴奏のチェロの音は太く、実存感がある。一つ一つの音像が、分離して浮かび上がる。A級の音と比べると淡白だが、全ての音がのびやかで力強い音。ロック調の曲もストレスなく再現する。
・E-800:女性的な優しさを感じる、コッテリとした艶やかな音。柔らかさや表情の豊かさを感じる。伴奏のチェロの質感も良好。S/N比が高いように感ずる。音の色彩感が豊か。エネルギー感は後退する。ロック調の曲はちょっともたもた感を感ずる。

2)JAZZ VOCAL :女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
・E-5000:中高音に伸びやかさを感じ全体的なバランス良好。男っぽい野性的な鳴り方で、力強い。中高音の密度高く、音に滑らかさを感じる。一音一音の分離良好。A級のようなコッテリ感は無いが、音をぶつけてくるような迫力がある。
・ E-800:ボーカルの声が明確に浮かび上がる。一音一音の重量感や躍動感が心地よい。伴奏の楽器の質感が良い。存在感がある。ピアノの音も、どっしりとした中に、軽やかな表現も感ずる。

3)JAZZ :ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
・E-5000:アルトサックスの質感が良い。一音一音に、勢いがあり、エネルギー感にあふれ、俊敏さを感じる。ジャズのエネルギー感を肌で感じ、乗れる感じがする。音楽にピアノの音も、AB級としての存在感がある。コッテリした音ではないが、充実感のある音。
・E-800:アルトサックスの音に、明るさ、華やかさ、重みがあり、存在感を感ずる。そこそこに俊敏さを感じる。上品なエネルギー感、コッテリとした表現。若干、優しさがあり、AB級の様な凄みは感じられない。音の綺麗さが際立つ。十分説得力のある音。

4)CLASSIC PIANO :ピアノソロ、グラモフォンの録音
・E-5000:A級とは表現が違うが、ピアノのキラキラ感を感じ、格調の高さを感じる。クラシックの尊厳さを感じ、音に勢いを感ずる。重低音も良く響く。重量感あり。
・E-800:AB級と比べると、A級の方が、ピアノの音が艶やかで華やか。ピアノの鍵盤を叩くタッチに上品な存在感、重量感があり、一音一音の密度高い。綺麗なクラシックピアノ、しかも、重低音の表現は十分。表現の多彩さを感ずる

5)CLASSIC VIORIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
・E-5000:重みがあり、存在感のあるクラシック。分離性高く、オーケストラのパートが良く分る。バイオリンの表現は非常に俊敏で、バイオリンの音の細やかさ、質感、弦が震える感覚を、存在感を持って表現する。細やかな音は硬質なイメージだが良く表現する。一音一音の分離が良い。A級と比べると、音像はちょっと平面的か?十分、格調高いクラシック。
・E-800:オーケストラが綺麗。音にまろやかさがあり、バイオリンの音が艶やか。クラシックの音に華やかさを求めると、A級。そこそこにセパレートの音。バイオリンの質感、弦の震え、擦れる感覚が良好に表現される。格調高く、明るさも、華やかさも、併せ持った表現。
アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート  

ジャンル別試聴 C-2900/C-2850

■リファレンス機材
・パワーアンプ:Accuphase Aー75
・CDプレーヤー:Accuphase DP-750
・スピーカー:YAHAHA NS-5000
(CDプレーヤーとプリアンプはバランス接続)

1)JPOP :女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
・C-2900:空間的スケールが大きく、音が軽やかになる。音の放出感が大きい。C-2850のコッテリ感は無くなり、重厚な感じは少なくなる。ロック調の曲も、自然に表現される。
・C-2850:声の表情に落ち着きがあって、明るさも、華やかさも表現する。空間的広がりも良好。一音一音の存在感や重みがレベルアップする。E-800の音に、スケール感、分離感、細やかさが付与される。セパレートアンプの方が、表現が繊細で一音一音の存在感あり。

2)JAZZ VOCAL :女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
・C-2900:A級の音に、AB級の良さを兼ね合わせた音になる。音像はコッテリ中心より平面的に成るが、一音一音の持つ質感は変化ない。躍動感やエネルギー感はちょっとあっさりするが、音に勢いがある。でも、格調高い。
・C-2850:ボーカルの声が明確に浮かび上がる。演奏空間のスケールが大きい。低音の出方に迫力がある。A級のコッテリ感と表情の繊細感が合わせて出て来る。明るさや華やかさが、全て自然。上品なエネルギー感を感ずる。柔らかさと力強さを両立させている。ピアノの演奏の諧調が明瞭。躍動感あふれる。

3)JAZZ :ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
・C-2900:A級の濃厚さはそのままに迫力が加味される。アルトサックスの音が存在感ある。音の切れが良い。高域から低域まで、バランスの取れた音。さりげないエネルギー感や躍動感が良い。ジャズのエネルギー感や凄みが伝わって来る。ピアノの音が自然。表現はちょっとあっさりか。ドラムやピアノの分離良くスイングするジャズ。
・C-2850:柔らかい音だがアルトサックスの質感は良好。少し甘い表現か?しかしエネルギー感、躍動感、凄みは大いに感ずる。ピアノの質感は良好。どっしりとした音場表現。その上に軽快な表現が作られる。ピアノの演奏にグルーブ感がある。

4)CLASSIC PIANO :ピアノソロ、グラモフォンの録音
・C-2900:あっさりしたピアノ。でも、品位のある響き。表現が非常に俊敏な印象。演奏者の指使いを感じ、音が綺麗で、迫力ある表現。低音の出方に迫力がある。
・C-2850:ピアノの実在感がある。どっしりとした重厚感。ピアノの技巧がハッキリと聞き取れる。ピアノのコロコロ感と減衰していく余韻の表現が素晴らしい。演奏の全体像と細部のバランス良好。演奏の優劣が如実にわかる。

5)CLASSIC VIORIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
・C-2900:オーケストラの存在感が生々しく、ドーンとくる重低音が気にならない。バイオリンの音も繊細感が良い。技巧も良く分る。音の抜けが良い。爽やかな、さりげなさを感じ、音が重くない。軽やかに聴ける演奏。音の余韻は綺麗。聴き疲れしないクラシック。
・C-2850:音の明確な分離と存在感がある。バイオリンの表現の繊細さ、緻密さが十二分に表現される。演奏会場のスケール感を感ずる。音の切れは良好。十分、格調高いクラシック。ここまでくると音楽ジャンルに向き不向きは無くなる。
アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート アキュフェーズ E-5000/C-2900 試聴レポート   

まとめ

E-5000とC-2900の音は同質な物に感ずる。共通技術はボリュームをバランスAVAAボリュームに変更した事で、音に対してこんなに支配力を持っているのかと思う。一言でいうと鮮烈で、非常にハイスピードな音である。C-2900+A-75の音は上記特性に加え、スケール感や分離感、繊細感が深く、高性能のスピーカーを選定すれば、すさまじい能力を発揮すると思う。E-5000はC-2900+A-75と比べると差があるが、スピーカーやCDプレーヤーをバランスの取れた物を選べば、秀逸な性能を発揮するレベルのものである。嘗て、オーディオ評論家の江川三郎氏は、安価なプリメインアンプ2台のMONO構成でスピーカーを駆動し、音楽の純度を高めた。クレルのプリアンプは、MONO構成になっていた。過去に提唱された技術が技術進歩によって、より高みにたどり着いたような気がする。オーディオ技術の概念を、また新たにしなければならない時代になった。

TODAY’S SONG

1 ジョン・コルトレーン の「AT THE VILLAGE VANGUARD 」を聴きます。咆哮するコルトレーンのソプラノサックの音を体感し、陶酔感に浸ります。
2 ヘルゲリエントリオの「SPIRAL CIRCLE」を聴きます。7曲目のTAKE FIVEは打撃音が鮮明に録音されたCDで、再生装置の実力を試される音楽です。 ジョン・コルトレーン のAT THE VILLAGE VANGUARD を聴きます ヘルゲリエントリオのSPIRAL CIRCLEを聴きます

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