2019年12月レポート

ヤマハGT-5000発売記念試聴会レポート

12月13日と14日に開催いたしました「YAMAHAレコードプレーヤーGT-5000発売記念試聴会 講師:井上誠治氏」に参加されたお客様から試聴レポートが届きましたのでご紹介いたします。「YAMAHAレコードプレーヤーGT-5000」は現在、店内にて展示いたしておりますのでご来店くださればお聴きいただけます。なお、掲載内容は実際にお聞きいただいたお客様個人の印象でありまして全てを保証するものではありません。

ヤマハGT-5000発売記念試聴会レポート ~お客様より~2019年12月

ヤマハGT-5000レビュー

1、序

皆さんは、速水御舟の「炎舞」と言う日本画をご覧になったことがお有りでしょうか。暗黒の闇の中に一筋の炎が立ち上がり、それに引き寄せられるように蛾が群がる。絵は、一瞬の時間を切り取ったものであるが、凛とした雰囲気の中にメラメラと妖しく燃え上がる炎のエネルギーと、今、まさに炎に飛び込もうとする蛾の宿命が描かれている。生と死が絡み合った時間が流れ、生の儚さまでも書き込まれている様な気がする。それが、日本画の格調高く繊細な技法の中で描かれているのである。
 今回、試聴したYAMAHAのGTー5000レコードプレーヤーを起点とした5000シリーズのシステムも、速水御舟の日本画の様に、荘厳な雰囲気の中に芸術家の演奏を繊細に描き出して行く。グールドのピアノは軽快にはずみ、デュプレのチェロは心の中まで揺さぶられるように響き、ベームのレクエムは演奏会場から降り注ぐ様に奏でられる。音楽や絵画が一線を越え、芸術の領域まで高められた時、感動やオーラを放ち始める。今回のYAMAHAのオーディオ機器は、伝送の技術を余す所無いレベルまで高め、自身は目立たず、芸術への感動を過不足なく試聴者に伝える物と思える。
※山種美術館所有の速水御舟「炎舞」は、無断転用出来ませんので、インターネット、画集等を参考にしてください。

2、使用機器

LPプレーヤー:GTー5000  MCカートリッジ:フェーズメイション PP-2000
プリアンプ:C-5000 パワーアンプ:M-5000 スピーカー:NS-5000
MCカートリッジからプリアンプ、パワーアンプまでは、バランスケーブルで繋がれている。バランス伝送の効果は大きく、カートリッジで発電された微弱な振幅を損なわずに増幅させていく。演奏会場の空気感まで再現する要因になった。ケーブルは特に高価なものは使用せず、電源ケーブル、スピーカーケーブルはフルテックの普及品を、バランスケーブルはYAMAHAの付属品、電源ボックスはオヤイデの普及品を防振ボードの上に固定し、試聴した音を家庭で再現するための配慮がされていた 。

 ヤマハGT-5000レビュー

3、使用機器特性

今回使用する機器のプリアンプC-5000とパワーアンプM-5000は、昨年商品化した製品と同じもの。レコードプレーヤーGT-5000はインナープラッターの削りだし精度UPと、軸受け精度UP。外装の塗装をマット調とピアノブラック調をそろえた。アクリルカバーは5mm厚で、精度の高い物を国内で生産する体制を整え、発売は来年からになる。MCカートリッジのフェーズメイションPP-2000はカートリッジ内もバランス回路。プリアンプへは完全バランスで信号を送る。

 ヤマハGT-5000レビュー

4、YAMAHAがGT-5000に懸ける思い

YAMAHAの目指すところは「ピアノやチェロの大きさが見える以上に、演奏者が見える様なオーディオ 」にあり、GT-2000が発売された年は、CDプレーヤー、CDソフトが発売された1982年。今回あらためてレコードプレーヤーを発売した理由として、アナログ録音された物はアナログで再生した方が良いとの思いからだと言う。「GT-5000」のねらいを聞いたところ以下の3つを挙げてくれた。
1) 音ばなれの良さ、解放感を持たせる。
2) 低音の再生能力を上げる。
3) カートリッジの出力電圧は、2mvからμvオーダーの数値まで及ぶ、微弱信号を余すとこなく再生したい。

5、試聴

■■カーメンマクレエ グレートアメリカンソングブック THEY LONG TO BE CLOSE TO YOU Pure Pleasure Records盤■
 カーメンマクレエ マクレエの声が、空中に浮かび上がる。ベースの低音はリアル。各パートの分離良好。
※CDのミキシングと、レコードのミキシングとは違うので、レコードの音はレコードで済生した方が良いのではないかと考えた。(井上さんの、試聴合間のコメントです)


■■山本剛 ミスティ Impex Records盤 45回転 マルチマイク、オンマイクでリミッターを付けない録音■
 山本剛 ミスティ 音は綺麗で、鍵盤へのアタック感がきちんと立ち上がる。
◎LPレコードが発売されて71年が経つ。回転数が33 1/3なのは、映画のコマ送りと同調させていたから。映画用のレコードサイズは40cmだから、ロングアームが必要だった。当時のガラード201はダイレクトドライブだった。レコードのフォノイコライザーカーブは、RCAのRIAA統一カーブが出来る前は、レコード会社が勝手にやっていた。聞いて、何かおかしいのはカーブが違っている。  


■■グレングールド バッハ ゴールドベルグ変奏曲 16~17番 オランダ盤■
 グレングールド バッハ 乾いて軽い音に調律したYAMAHA グランドピアノCFを、弾いている。情熱的で、香り立つよう。荘厳さと、格調の高さと、軽快さが同居している。5000シリーズの音は、オールマイティだが、クラシックの方が聞きやすい。音の調和に優れる。
◎GTー5000は、音ばなれの良さ、解放感、音の伸びに注目して設計された。前作GTー2000はダイレクトドライブで、使用するDCモーターの駆動にサーボを掛ける。この方式だと伸びやかさがでないので、ACモーターを使用しベルトを使う事にした。ACシンクロナスモーターは電源の周波数に同期する。送電所より送られる電源周波数は変動するので(送電所に勤めたオーディオファンからの指摘もある)、レコードプレーヤーの中で周波数を作り、ロックを掛けて、モーターを回す。 周波数を確認するために、プレーヤー内部の周波数に同調したLEDストロボで、ストロボスコープを読み取る。インナープラッターは削り出し精度を上げた。プラッターも鋳造は使わず、無垢のアルミを削り出して作っている。瞬時に駆動すると、ベルトがスリップして音を立てるのと、寿命が短くなるので、立ち上げる時間を10秒取っている。


■■ジャクリーヌ デュプレ ハイドン チェロコンチェルト 2楽章 1967年デュプレ22才の演奏、ストラディバリ1913年作成ダビデス使用、EMIレコード盤オリジナル ダビデスは現在、ヨーヨーマが使っている■
 ジャクリーヌ デュプレ やはりYAMAHAはクラシックが良い、チェロの低音の響きが心地よい。低音の引き締まり方が良好。音が香り立つ様。チェロが際立って浮き上がる。クラシックに最適な音色。
◎低域の再生能力を上げる為、カートリッジの微弱な信号を拾い上げる工夫をした。カートリッジ針は、昔は丸形状だったが、今は平面に近い楕円形状になっており、カッティングマシンの針に似たものになっている。トラッキングエラーをつけると、音の再生が片寄るのを防ぐため、アームをストレートにした。針先には、何トンもの力がかかる、カンチレバーを後ろから真っすぐ引っ張ることで、負荷を減らす。微小レベルの信号を拾うため、アームの共振を無くす。又、フェーズメイションのカートリッジの価格差は、ボディの共振構造の差である。これが低域の再生能力を上げている。ヤマハのアームは有効長より短い。短くてすむと強くなる。更にアームは二重構造で、アルミとカーボンの組み合わせである。又、真っすぐなアームを提唱したのは、オーディオ評論家の江川三郎氏である。


■■モーツアルト レクイエム ベーム指揮 ウィーンフィル ムジーク フェラインザール演奏会場で収録 フランス グラモフォン盤■
 モーツアルト レクイエム ムジーク フェラインザール会場は、左右の壁がボックス席になっていて、横からの反射が無く、演奏が横に広がらない。しかし、天井が高く、ガラス張りの為、音が上から降り注ぐ。レコードを聴くと、左右の広がりが無く、上方から音が降ってくるのが分かる。
◎GT-5000のキャビネットに使われている足は、特許機器の製品で極めて効果的なもの。まず、360度方向に効く。一般的なインシュレーターは上下方向に効くもの。特許機器製は、-60㏈の振動遮断効果がある。普通のインシュレーターは低音には効かないが、このインシュレーターは7hzまで効果がある。普通は低音カットフィルターを用いるが、このインシュレーターを採用したGT-5000は、フィルターをかける必要が無い。


■■マイルス デイビス アラウンド ザ ワールド タイム アフター タイム 1989年 シカゴ公演 ワーナーミュージック盤■
 マイルス デイビス 国内ミキサーズラボ北村勝敏がカッティングし、オーディオ評論家福田雅光が98点をつけたレコード盤
ドイツ盤より良くなり、臨場感あふれ、低音がより制動されている。マイルスの白鳥の歌の様。


■■サムシン エルス 枯葉 アナログプロダクション盤■
 サムシン エルス ブルーノートオリジナル盤より、レンジ広く、伸びやかさがある。音像はハッキリしているが、どこかマイルド感がある。現代録音の様。マイルスの演奏している姿が生々しく、リアリティが感じられる。非常に細やかな音が再現されている。

まとめ

今回の一連のYAMAHAのシステムは、微弱音の再生にこだわり、レコードと言う媒体から、あらゆる情報を引き出そうとした意欲を感ずる。演奏会場の空間を描き出し、ソリストの楽器に向き合う姿勢や演奏技法まで見られるようだ。曲に対する思い、表現しようとする情熱、鮮やかな技巧まで描いていく。ただ、音楽を描き出す完成度はクラシックソースに分がある。音楽の対極にあるジャズは、凄み、絶叫、陶酔、エネルギーの噴出、インタープレイに見るソリスト達の緊張感が背景にある。かつて、アルティックやJBLがこだわった、ホーンと38cmウーハーの世界が描く再生音は耳に心地よい。今までのジャズ向きのスピーカーでは、日本盤 < セコンド盤 < オリジナル盤の順で、鮮度や臨場感が上がって行き、視聴者の満足度はあがったが、YAMAHAのシステムではオリジナル盤のほとんどはレンジが狭く、当時の録音技術のレベルや録音技師の手法を克明に描き出す。ドラムやベースのリアリティは、今まで聞いたことのないレベルだ。ヤマハの井上さんが使用したジャズレコードは、全て現代の技術でリマスターした定評あるプロダクションの物ばかりである。レンジは広く、演奏会場の各パートの定位は正確で、楽器の質感もリアリティがある。しかし、YAMAHAのシステムが描き出す空間は、淡白な日本画を連想させて、ジャズのエネルギー感を味わうのは他の選択肢もありそうだ。ただ、ミシェルペトルチアーニ等のヨーロッパ系ジャズや、ECM、MPSに代表される録音は未聴だし、最新技術で録音されたレコードなら、又、結果が違っている可能性が高い。何か月前、アキュフェーズのDP-750が発売された時、DP-750、C-2850、A-75でNSー5000を再生した時、NSー5000は見事にジャズの世界を描いて見せた。入力ソースに懐の深いスピーカーだと思う。今回、荒井由実のミスリムの中から海を見ていた午後を再生した。スピーカーの上部に、左右に空間が広がり、自然な定位の荒井由美のボーカルが静かに流れる。今まで聞いた事の無い世界だった。あらゆる可能性を秘め、興味の尽きぬシステムコンポーネントだった。 

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YAMAHAレコードプレーヤー GT-5000
YAMAHAプリアンプ C-5000
YAMAHAパワーアンプ M-5000
YAMAHAスピーカー NS-5000
Phasemation/MCカートリッジ PP-2000

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