2018年6月レポート

McIntosh/MA252

店内の展示機器を試聴されたお客様から試聴機の感想をいただきましたのでご紹介させて頂きます。店内展示機器は常時試聴できますので是非ご来店ください。なお、掲載内容は実際にお聞きいただいたお客様個人の印象で全てを保証するものではありません。

プリメインアンプ3機種 じっくり聴いてみました ~お客様より~

 使用機材

CDプレーヤー DENON DCD-SX11 試聴に使うアンプやスピーカーを鳴らすのに、十分な性能、高音から低音まで、過不足なく再生する。 スピーカー タンノイ オートグラフ ミニ 明るいが、落ち着いた音。帯域バランス良好。夜など、低音量で聞くときは、上品な雰囲気が味わえる。重低音は出ない。  試聴アンプ エソテリック F-05/ マッキントッシュ MA252 / トライオード TRU-A300XR PSVANE WE-300B仕様

ESOTERIC/F-05

格調高く、静かな音。音像が、積極的に前に出てくる様な鳴り方ではなく、コンサートホールの中間ぐらいで、聴いている様だ。音質は、上質で密度感あり。女性ボーカル、ピアノ、バイオリン等すべて、静かに余韻をもって響く。分解性良好。オーケストラの広がり感はあるが、楽器が浮き出てくる様な鳴り方ではない。ジャズは楽器の分解性高く、躍動感はあるが、荒っぽさはない。すべて、エソテリックサウンドに包まれる。ただ、ボリュームが-25dbぐらいにならないと、適正な音量にならず、コントロールがやりづらい。  このプリメインアンプは、10cmスピーカーでは、鳴らす方向が違うのかと思い、YAMAHA NS5000で聞いてみた。上品で、格調高い音が、YAMAHAのスピーカーと相性良好と感ずる。女性ボーカルは、音に深みあり、色付け少ない。音の分離良好、スケール感あり.レンジ広く、低音厚みある。ジャズボーカルは、落ち着きあり、若干おとなしいが、S/H比良好。音像シャープ 細かい音よく出る。定位良好。クラシックピアノの音は綺麗、会場の雰囲気よく出る。表現は、深みがあるが、コンサート会場の後ろの席で聞いている様。ジャズは厳粛で重みがある。帯域バランス良好。凄みもある。ジャズオーケストラは、音を立ち上げない、穏やかな方向が感じる。メイン楽器の演奏が、背景の音に溶け込んでいる様な印象で、楽器がうかびあがってくる様ではない。やはり、エソテリックサウンドに包まれる。

McIntosh/MA252

音が太く艶があり、押し出し感ある。上品な感じで、音像はくっきりしている。音の繊細感は少ない。ジャズの躍動感も感じ、不足ない。クラシックのピアノの音像が大きい。艶やかで上品。演奏会場で聞けば、こんな感じではないかと思う、実在感ある。帯域バランスは良好で、よくもこんな小さなスピーカーから低音が出るものかと感心する。10cmスピーカーでは、フルオーケストラの臨場感は無理か。ジャズはまあまあ臨場感ある。マッキンは、エソテリックと比べると音が軽いが、音の浮かび上がらせ方が上手い。一音一音の立ち上がりが早い。音が、際立つ。小さな部屋で、上質な鳴らし方できる。

TRIODE/TRU-A300XR PSVANE WE-300B仕様

音は、太く硬質で、躍動感ある。滑らかさはちょっと無く、荒い感じ。女性ジャズボーカルは、甘さがなく、聞きやすい。音と背景のバランス良。レンジ感は狭い。クラシックピアノ、バイオリンは自然な響き、スケール感はないが、そこそこ聴ける。ジャズは骨っぽく、躍動感は十分。低音の押し出し感ある。 このアンプは、 反応はやく、クールでエネルギー感あふれるスピーカーのほうが合いそうだ。

EPISODE ~マイ_ラスト_ソング~

この所、久世光彦著 マイ ラスト ソングを、小泉今日子と中野真理子が、ピアノの伴奏に合わせた朗読公演で取り上げたり、NHKが夜の番組で取り上げたりしている。テーマは演出家、映画監督、作詞家である久世光彦が、かかわった人に、人生の最後にどんな歌を聞きたいかと、問うストーリーであり、つらく悲しい経験があった時や、心揺さぶられた時の歌にまつわるエピソードをつづったものである。  例えば、さくらの唄という歌を美空ひばりが歌っている。これは、無名時代のなかにし礼と三木たかしが作った歌で、好きだったひとが去り、もう何もなくなったが、どこかで桜の匂いがする。との歌で、安手の感傷のようだが、この当時の両者には、せめて感傷ぐらいなければ生きていけなかった。美空ひばりが、久世の依頼でこの歌を歌ったが、「こういう歌を私の最後の歌にすればいいのでしょうが、まだ死ぬわけにはいかないので」と言い、久世は、美空ひばりのラストソングはこの歌だと信じている。この様なエピソードが歌を主題に続くのである。  ゴッド ブレス アメリカという歌がある。アメリカ映画、ディア ハンターのエンディングソングとして歌われた。3人の若者が、ベトナム戦争に出向き、心身共に傷つき、あるものは恋人を失い、あるものは車いす生活になるが、それでも、祖国の恢復といま一度の繁栄を願って歌うのである。そして、テーマのギター曲のカヴァティーナが流れる。久世は、私たちは、戦争を放棄したついでに、誇りをも放棄してしまったようだと言っている。私たちは、国を思って歌える祖国の歌があるだろうかと言っている。  赤毛のアンシリーズ、アンの友達の中にも、同じような話がある。生涯を娼婦として暮らした人が、臨終のときに、牧師の説教を受けるのだが、受け入られない。ただ、牧師の孫が、その人の心を読むことが出来、バイオリンでその人の人生をたとえて、時には優しく、時には激しく奏で、最後にすべてを抱擁する愛を演奏し、その人は、それを受け入れ、心穏やかに、終末を迎えるのである。  老淑女は、ある日、昔の別れた恋人に、そっくりな娘に会う。娘は、歌が上手で、日曜学校で賛美歌を歌っており、その娘の声を聴くために、教会に出かけるようになった。貧乏だったので、花を送り、娘がパーティーに着ていくドレスを贈るために、陶器の水差しを売った、父の詩集が読みたいと言うので、昔、恋人から送られた詩集を送った。 娘が、歌の才能があるのに、高度な教育が受けられないというので、昔、老淑女の父を投機に誘い、破産させた従兄に、育英金を頼むのである。育英金は、快諾されたが、老淑女は、帰り道雨にうたれ、肺炎を起こし、病床に伏すが、うわごとで今までのいきさつを喋る。そして、その娘や近隣の人々の看護をうけ、健康を取り戻すのである。  人生の悲しい時、苦しい時、出会った歌は、人生の最後に生々しくよみがえり、懐かしく聞きたいと思うのだろうか。自分の人生の最後に何を聞きたいと問われれば、2~3思い浮かぶが、まだもうチョット生きそうなので、ゆっくり考えることにします。 

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