JBL 4369 スタジオモニター 2ウェイフロア型スピーカー
標準価格:1,760,000円(税込/1本)
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カリフォルニア州ノースリッジにあるJBLが世界に誇るアコースティック施設で設計・開発されたJBL 4369は、スタジオモニターシリーズのフラッグシップモデルです。この2ウェイの高性能モニタースピーカーは、卓越した音響精度とダイナミックレンジを提供し、オーディオ愛好家やプロフェッショナルから高く評価されています。
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15インチ(380mm)2219Nd Differential Drive ウーファー
2219Nd は、JBL の特許技術である Differential Drive® を採用した 15インチ(380mm)ウーファーで、3インチ(75mm)のデュアルボイスコイルを搭載しています。純パルプ製コーンには、コッパ―キャップ/ファラデーリングが組み合わされており、ACインダクタンスを低減し、歪みを抑え、中域の明瞭度とクロスオーバー性能を向上させます。モーターは FEA(有限要素解析)によって徹底的に最適化され、従来比で最大50%のエクスカーション向上を実現しています。また、デュアルダンパー構造を採用し、高エクスカーション時に発生する非線形歪みを相殺します。新設計のキャストアルミフレームは、通気性の改善と構造剛性の強化をもたらし、優れた性能と高い耐久性を確保しています。
3インチ(75mm)D2830Bコンプレッションドライバー + Sonoglass製HDIウェーブガイド
2830B コンプレッションドライバーは、特許取得済みの Sonoglass 製 High Definition Imaging(HDI™)ホーン/ウェーブガイドと組み合わせられており、超軽量のアニュラー(環状)Teonex ダイアフラムを 2 枚備えています。各ダイアフラムには独立したボイスコイルとネオジム磁気回路が割り当てられ、この構造により、従来の 3インチダイアフラムと同等の放射面積を確保しつつ、質量とモーターフォース比を大幅に低減しています。このデュアルダイアフラム設計は、高域出力を強化し、高域特性をより滑らかに、そして広帯域に拡張します。さらに、全体的な効率を向上させ、最大出力の向上、歪みの低減、そして許容入力の倍増を実現します。
主な仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 製品名 | 4369 |
| タイプ | 380mm径2ウェイ・フロアスタンディング型スタジオモニター |
| 構成 |
380mm径ウーファー (2219Nd-1) 2×76mm径 D2 コンプレッション・ドライバー (D2830B) + Sonoglass®製 HDI™ホーン |
| インピーダンス | 6Ω |
| 感度(2.83V/1m) | 93dB |
| 周波数特性(-6dB) | 28Hz~25kHz |
| クロスオーバー周波数 | 800Hz |
| 外形寸法(W×H×D) | 630×1,120×470mm |
| 製品質量 | 63.5kg |
JBLモニターシリーズスピーカーは、2015年12月に発売された「4367WX」から約10年の時を経て、2026年3月に「4369」を発売した。
キャビネットサイズは1.5倍に増え、価格も1.7倍になったが、伝統のコンプレッションドライバーとホーンの組み合わせ、38cmの大型ウーファーは変わっていない。しかし、音作りは圧倒的に変わった印象だ。
情報量と繊細さが増し、低音域も歯切れよくリアル感が増している。キャビネットの大型化により描かれる音場が拡大し、繊細な音像が浮かび上がって音楽ステージへの臨場感が高まった。いつものレファレンス機材で、その音を試聴してみた。
●中高域:D2コンプレッションドライバー
リング状のダイヤフラム(振動板)を採用し、外縁から内周部へ音圧を集中させる構造。D2ではこのドライバーを対向して2基結合させることで、ワイドレンジ化と高い耐入力を実現しています。なお、振動板にはTeonex(ポリエチレンナフタレート)を使用しています。
※構造の詳細は、製品カタログおよび公式サイト掲載の構造図をご参照ください。
●低域:380mmウーファー(No. 2219Nd-1)
歪みを極限まで抑えることで中高域の明瞭度を向上。デュアルダンパー構造を採用し、非線形歪みを効率的に相殺しています。
●キャビネット
25mm厚のMDFを採用し、フロント下部には16mmのサブバッフルを追加して剛性を強化。インシュレーターにはIsoAcoustics社製のアイソレーションフィートを採用しています。
●主なスペック
クロスオーバー周波数: 800 Hz
出力音圧レベル: 93 dB
●SACDプレーヤー:marantz/SACD10
●プリアンプ:Accuphase/C-2950
●パワーアンプ:Accuphase/A-80
●LPプレーヤー YAMAHA /GT-5000
●MCカートリッジ DENON /DL-103R
「伝統と継承」――JBLは、そんな言葉がふさわしいメーカーである
世界中のメーカーがオールジャンルの音楽の忠実再生を目指すなか、他の再生を犠牲にしてまでジャズ演奏の生々しさを追求する姿勢を貫いている。
4333、4343、4344、4344MKII、4338、4365、4367WXと続くモニターシリーズの音の変遷において、時代によっては静寂感や余韻の再生に力点が置かれたモデルもあった。しかし、この度の4369は、ジャズの持つエネルギーの再現を最大目標としながらも、歌手や演奏者の微妙な技巧までも表現するようになった。
特にジャズのLPレコード再生では、空間に楽器が浮かび上がり、ソニー・ロリンズとJ.J.ジョンソンの掛け合いの妙がリアルに再現され、力強さとアドリブの多彩さが伝わってくる。ビル・エヴァンスとジム・ホールの『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』の演奏では、これまで名演と言われる理由が今ひとつ分からずにいたが、4369ではそれぞれの演奏に呼応する即興の緊迫感と、作り上げられる調和、そして芸術性がしっかりと伝わってくる。ただただ演奏に引き込まれ、感激に浸るのみであった。
「レコードの溝にはここまでの情報が刻まれていたのか」と感嘆させられると同時に、現実に一歩も二歩も近づいたそのサウンドに、「ジャズはJBLである」という思いを新たにする試聴となった。なお、クラシックの再生においても、弦の繊細な響きやピアノの艶やかな余韻、オーケストラのダイナミズムを荘厳に描き出してくれる。
【試聴に関するご注意】
※スピーカーのエージング時間がまだ浅く、音に硬さが残っているため、今後の経過によって評価が大きく変化する可能性があります。以下のインプレッションは、あくまで試聴時点での参考としてお読みください。
■ CD / SACD 試聴
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1)手嶌葵 『さよならの夏』(『AOI WORKS』より)
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広大な音場の中に、きりと際立つ明瞭なボーカルが浮かび上がる。声は繊細でありながらも芯のある活力を帯び、伴奏の楽器群にもエネルギッシュな躍動感がある。音場全体を漫然と描くのではなく、個々の声や楽器の存在感をくっきりと浮き立たせる聴かせ方だ。大型キャビネットならではのスケール感豊かな空間が広がり、ピアノの音響にはまるで小ホールに身を置いているかのような、美しい残響と奥行きが感じられる。
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2)シーネ・エイ(Sinne Eeg)『月光のいたずら』(『Face The Music』より)
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スピーカーのサイズ感ゆえに、音場の広がりは一般的なブックシェルフや中型機を遥かに凌駕している。全体としてエネルギーに満ちたサウンドだが、ボーカルの繊細なニュアンスや豊かな表情の描き出しが極めて深い。ライブハウスの最前列で耳を傾けているような臨場感があり、テナーサックスの密度の濃い存在感、芯のあるピアノ、そして体に響くベースとドラムの躍動感に引き込まれる。特にドラムの打撃音のインパクトには圧倒される。
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3)マンハッタン・ジャズ・オーケストラ 『Sing, Sing, Sing』(『Sing, Sing, Sing』より)
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ビッグバンド・ジャズ特有のエネルギー感が凄まじく、一音一音がダイレクトに迫ってくる。まるでコンサートホールの最前列にいるかのような迫力だ。木管楽器の音色は実にふくよかで、ドラムの圧倒的な存在感、低音弦楽器が刻むリズムとドラムのアタック音が見事に調和している。このスピーカーが持つ多彩な表現力と描き分けの深さを実感させられる。
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4)ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番『スプリング』
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演奏会場で聴いているかのような迫真のスケール感。ヴァイオリンの表情は極めて繊細で、弓が弦を擦るかすかな震えまでもリアルに再現する。ピアノもスケールが大きく、空間全体を包み込むように響き渡る。SACDフォーマットの持つ情報量に対する表現力も一段と深まった印象だ。快活でエネルギッシュでありながら、クラシック音楽ならではの荘厳さもしっかりと描き出す。大型ウーファーが作り出す豊かな低音に支えられ、ツイーターとミッドレンジの繊細さが見事に調和した、「ジャズ専用にとどまらないJBL」の懐の深さを証明する再生音である。
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5)ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』より「プロムナード」「こびと」
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大型システムだからこそ成し得る、フルオーケストラの臨場感が見事に再現される。コンサートホールで豊かな音波に全身が包み込まれるような迫力だ。各楽章の描き分けが明確で、各パートを受け持つ楽器群が混ざり合うことなく、それぞれの定位と旋律が見事な調和を見せる。優秀録音SACDへの追従性には目覚ましいものがあり、あふれるエネルギー感のなかにも生の演奏が持つ凄みが宿る。一聴した瞬間から、その音の生々しさに圧倒される。
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6)ビル・エヴァンス&ジム・ホール 『My Funny Valentine』(『Undercurrent』ESOTERIC SACD盤より)
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ビル・エヴァンスのピアノとジム・ホールのギターによるデュオ演奏が、にじみなく圧倒的なリアリティで迫ってくる。歴史的名演と称えられるこのトラックの緊迫感を現代的な高解像度で描き出し、「さすがJBL」と唸らされる出来栄えだ。
■ LPレコード 試聴
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1)ボビー・ハッチャーソン 『Aquarian Moon』(『Happenings』より)

かつてのジャズ喫茶の名音響を格段に上質にしたイメージで、豊かな音の洪水に身体ごと包み込まれるような快感がある。ヴィブラフォンの透明感ある響きも、ピアノの打鍵も明瞭で実存感に溢れ、ジャズ特有の張り詰めた緊迫感がストレートに伝わってくる。マレットが鍵盤を叩く瞬間のタッチや、指先のアタック感までもが鮮明だ。圧倒的な迫力と繊細な表現力が見事に両立しており、音と演奏の双方に心ゆくまで酔いしれることができる。各プレイヤーの圧倒的な技量が手に取るように分かり、ドラムの表情もまさに目の前でプレイしているかのようだ。
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2)ビル・エヴァンス 『Nardis』(『Explorations』より)

深く沈み込む低音に豊かな繊細さが加わり、ピアノの歯切れの良さ、ウッドベースの重厚かつ生々しい響きが際立つ。長年にわたりジャズの現場とともに歩んできたJBLの、歴史の深さを実感させるサウンドだ。音像は極めて明瞭で、ビル・エヴァンスとスコット・ラファロの存在感が鮮烈に立ち現れる。「これ以上、何を望むのか」と思わせる領域に達している。ホーンが創り出す伸びやかな中高域が空間に美しく浮遊し、これほど上品でありながら迫力に満ちた『Nardis』は聴いたことがない。
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3)ソニー・ロリンズ 『Poor Butterfly』(『Sonny Rollins, Vol. 2』より)

ソニー・ロリンズとJ.J.ジョンソンの密度の濃い掛け合いやスリリングな絡み合いが生々しく、演奏の緊迫感とアンサンブルの妙がひしひしと伝わってくる。各々のアドリブの豊かさはもちろん、演奏にかける意気込みや情熱までもがダイレクトに響く。これまでの体験では味わえなかったほど繊細かつ力強い表現であり、「レコードの溝には、これほどまでの情報が刻まれていたのか」と感嘆させられる。ルディ・ヴァン・ゲルダーの手による録音の生々しさに改めて驚かされるとともに、まさにスタジオの原音に大きく近づいた印象を受ける。黒人ミュージシャンたちの持つ熱いバイタリティを全身で浴びるような、密度の濃い試聴体験となった。