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van den Hul The Crimson XGW カートリッジ
標準価格:¥814,000(税込)
修理代金(針およびカンチレバーの交換代):¥176,000(税込み)
※コイル等の内部部品の交換は含まれておりません
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van den Hulの上級モデル。内部損失が多く制振性に優れ、軽量な木製のスケルトンボディーを採用。出力電圧は0.65mV/chで、上位COLIBRIと同じMC(Matched Crystal)※ゴールドコイル線材を使用。強力なサマリウムコバルトマグネット採用してます。圧倒的なチャンネルセパレーションとトラッキング性能を実現。
※MC(Matched Crystal)線材:通常の金属と比べ、結晶体が大きく相互に密に接触しているため結晶体境界面で発生する伝送ロスが極めて少なくなります。
●モデル:VDH-CRIMSON
●形式:ムービングコイル型
●スタイラス形状:2μm × 85μm(超偏平楕円針)
●出力電圧:0.65mV
●針 圧:1.4g~1.6g
●再生周波数帯域:5~55,000Hz
●推奨負荷インピーダンス:25Ω~500Ω
●質 量:8.75g
●コイル線材:MCゴールド
●カンチレバー材:ボロン
今月は昨年(2021年)11月に発売となりましたフェーズメーション半導体フォノアンプのミドルクラスモデル「EA-320」の試聴機が届きましたので、同ブランドセパレート型フォノアンプ「EA-550」とMCカートリッジ「PP-2000」、van den Hul「The Crimson」で試聴、お聴きいただいたお客様からの感想レポートが届きましたので紹介いたします。
Phasemation「EA-320」「EA-550」「PP-2000」/van den Hul「The Crimson」
フェーズメーションPP-2000は、2021年東京オーディオショーの各ブースで使用され、音楽に求められる要素を過不足なく盛り込んだMCカートリッジ。また、バンデンハル The Crimsonは、新導体の開発に歴史のあるメーカーが生み出した中堅MCカートリッジである。それぞれを、フェーズメーションのMC昇圧トランスを内蔵したフォノアンプEA-550と、ヘッドアンプを内蔵したフォノアンプEA-320を使用し聴き比べを行った。
一般に、MC昇圧トランスは、MCカートリッジが発生する0.1~0.3mvの電圧を、トランスの巻き線比率を使用し増幅する。電源を使用しないため、ノイズの影響は受けないが、音域と低域が不足し、かまぼこ型になる傾向がある。ヘッドアンプはMCカートリッジの電圧を、アンプを使い電気的に増幅する。音域的にはフラットだが、電源を使用する為、S/N比を稼げない。
フェーズメーション フォノアンプの特徴
●EA-320
1筐体内に、デュアルモノラルレイアウトで回路構成。負帰還アンプの問題点である時間遅れを解消する為、高い精度と技術を回路に組み込み無帰還アンプで構成。RIAA. DECCA.コロンビアイコライザーカーブを搭載。カートリッジの消磁回路を持つ。
●EA-550
左右独立筐体。負帰還アンプの問題点である時間遅れを解消する為、高い精度と技術を回路に組み込み無帰還アンプで構成。RIAA. DECCA.コロンビアイコライザーカーブを搭載。カートリッジの消磁回路を持つ。MCトランスは、巻き線構造に、特殊分割巻きを採用。2次巻線材に、PC-TRIPLE-C線を採用。低域リニアリティと高効率昇圧(低損失)で、可聴域内の位相歪を減少させた。かまぼこ型音域は感じない。
音の印象
●EA-320
ヘッドアンプによる増幅の為か、繊細感や音場の深みは後退する。音場が平面的になる。音色は、クールで色彩感は後退するが、どっしりとした存在感を再現する。EA-550と比べると差があるが、定位や、低域から高域の音のフラットな再現性は、良好に感ずる。
●EA-550
昇圧トランスによる増幅の為か、MCカートリッジの持つ繊細な表現を過不足なく再生している様に思える。音場の深みや、楽器の音の透明感や繊細な余韻を再現し、それでいて、サックスやベースの低音も再現し、過不足ないレベルまで表現する。
●PP-2000
フェーズメーションのフラッグシップモデルだけあり非常に完成度の高い性能を感ずる。凛とした存在感の中に、色彩感、繊細感、定位、立体感、音場の広がりを感ずる。しなやかであり、力強くもあり、生き生きとした明るさであり、重厚な暗さも表現する。あらゆるジャンルに適性を持ったカートリッジと感ずる。
●THE CRIMSON
バンデハルのラインナップの中では中堅に位置し、音は太く、クッキリと明瞭で、力強さを感ずる。エネルギー感や躍動感にあふれ、真夏の太陽を浴びているような印象を受ける。音場は明瞭で分解性に富み、ジャズやロック等のエネルギー感を体感するような音楽に適性を感ずる。
リファレンス機材<
・アンプ:Accuphase C-2850 A-75
・ターンテーブル:YAHAHA GT-5000
・スピーカー:YAHAHA NS-5000
適合ジャンル
●PP-2000:オールマイティ
●THE CRIMSON:ジャズ・ロック
ジャンル別試聴 【THE CREMRIN】
--------------- まとめ -----------------------------------
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●+EA-320
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1 荒井由実 ミスリムより海を見ていた午後
このフォノアンプの方が自然な感じがする。音の太さはそのままだが、エネルギー感は少なくなる。音場の広がりは少ない。EA-550に比べると、定位が甘い様な気がする。
2 ドナルドヘイゲン ナイトフライよりI.G.Y
カートリッジの勢いが、フォノアンプで緩和され、聴きやすくなる。落ち着き感が生まれる。バランスが良い。音楽に乗れる良さがある。
3 ケニークラーク THE GOLDEN EIGHTよりLA CAMPIMANIA
ドラマーを中心としたビッグバンド。定位は良好で、テナーは図太く、聴きごたえはある。音が単調で、繊細さが感じられない。ベース等はハッキリ聞こえる。ドラムのスティックさばきは切れがある。
4 グレングールド ゴールドベルク変奏曲より第16変奏
音場が平面的で、技巧の良さが伝わらない。クラシックの再生には、もっと繊細感や落ち着き感が欲しい気がする。
5 エリーザベト シュヴァルツコップ シュトラウス FOUR LAST SONGSよりFrühling
明るく艶やかさがあるが、繊細さが無い。ある程度の解像力はある。音場は平面的。発声や技巧に奥深さが無い。クラシックの落ち着き感が薄い。
●+EA-550
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1荒井由実 ミスリムより海を見ていた午後
PP-2000に比べ音は太くなり、一つ一つの音にクッキリ感がある。分離感は非常に良好。音にエネルギー感がある。音が明快で、明るさや艶やかさがある。荒井由実が、かわいいと感ずる。歪や不自然さは無い。
2 ドナルドヘイゲン ナイトフライよりI.G.Y
ロックで、躍動感あふれる音楽。音にエネルギー感があり、一つ一つの音がクッキリしている。音は明快でエネルギーバランス良好。音の出方に過不足ない。ロックが明快になり、一つ一つの音が力強い。
3 ケニークラーク THE GOLDEN EIGHTよりLA CAMPIMANIA
ドラマーを中心としたビッグバンド。音は太く、エネルギー感がある。テナーが図太い。音が滑らかだが、フェーズメーションと比べると、若干繊細さに欠ける。ピアノの響きに、重厚感と乗りの良さがある。若干、人工的な感じを受ける。ベースも若干膨らむ。ドラムのスティックさばきは存在感がある。オーケストラも眼前で聴いているようなリアル感がある。
4 グレングールド ゴールドベルク変奏曲より第16変奏
音が太い、繊細さは,感じられない。その分エネルギー感が感じられる。音は艶やかで綺麗。繊細な技巧が大雑把になり、クラシックには勢いがありすぎる感じがする。もう少し、落ち着き感や森厳さが欲しい。
5 エリーザベト シュヴァルツコップ シュトラウス FOUR LAST SONGSよりFrühling
ソプラノが艶やかすぎるか? 若干色付けを感じる。ソプラノ歌手の技巧を生かし切れていないような感じがする。表面がチョット平面的に成る。音は滑らかで綺麗。レンジは広く、歪感は無い。元気すぎるクラシック。
「Phasemation/PP-2000」は、STEREO SOUND誌の年末ランキングで連続一位を獲得する実力があり、あらゆるジャンルの音楽を過不足なく再生します。EA-550との組み合わせでは、完成度の高さ、また純正同士の良さも出てました。EA-320との組み合わせでは、EA-320の力不足が感じられ、EA-320を使用するにあたってはPP-500、PP-300、PP-200などでは十分な力を発揮するだろうと思います。
「van den Hul/THE CRIMSON」は、以前、同社のTHE MC-10とTHE FROGを聴きましたが、「THE CRIMSON」は、音の方向性が違っているような印象を受けました。MC-10とFROGは、ブルゴ-ニュワインのように、コッテリとしたコクと上品でマイルドな味わいを、成熟年数の違いで表わすような印象を受けましたが、「THE CRIMSON」は、ボルドーの力強いワインのように太く、力強く、逞しい印象で、エネルギーを体感できる音楽ジャンルに特化したものと感しました。EA-550との組み合わせでは、力強さを体感でき、またEA-320との組み合わせでは、エネルギー感が緩和されクラシック系にも適性が出ていました。このカートリッジの生かし方は、各音響機器の音色や特性に深い知識を持っている経験者に委ねた方が賢明かな?と、思います。
詳しくは2022年2月(1)試聴レポートページへ
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