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前回の試聴で、marantz「SACD 10」は非常に解像力が高く、録音の悪いCDでも演奏者の音楽を生き生きと描き出してくると印象を受けた。価格は1,980,000円で、一体型では非常に高価である。では発売以来、STEREO SOUND誌で一位を取り続けているAccuphase DP-770、価格1,507,000円と比較してどんな違いがあるか検証してみた。昨年、DP-770は試聴レポートに取り上げ、その性能に驚愕したが、価格差50万円がどんな性能をもたらすのか試聴する。
●SACDプレーヤー:marantz/SACD 10
●SACDプレーヤー:Accuphase DP-770(比較試聴機)
●プリアンプ:Accuphase/C-2900
●パワーアンプ:Accuphase/A-80
●スピーカー:YAMAHA/NS-5000
marantz SACD10は、解像力の高さに驚かされる。音像や定位が明瞭で、それを程々の迫力で再現し、臨場感を感ずる。marantz MODEL10を組み合わせた時ほどではないが、音楽の持つダイナミズムを感ずる。しかし、女性ボーカルの艶やかさや優しさや、バイオリンとピアノのデュエットでも、響きや余韻に浸れる包容力の様なものも持ち、ビッグバンドジャズやオーケストラの迫力は生々しく臨場感あふれる。
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Accuphase DP-770は、オールラウンドな再生に力点を置き、全てのジャンルを上品に再生する。Accuphaseの匠さを感ずる。解像力はmarantzほど高くは無いが、女性の声、会場の雰囲気を上品に纏め、バイオリンとピアノのデュエットでも、しっとり感と余韻に包まれる。ビッグバンドジャズや、オーケスストラでは、演奏会場の中間席で聴いている様な雰囲気だが、特に不満があるレベルでは無い。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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【SACD 10】
音の明瞭度が優れている。音像、定位が明瞭で、彼女の声の魅力である、艶やかさ、優しさ、はかなさ、哀愁感をオンマイクで聴いている様。力強い音と言うより、実存の生々しさが感じられる音。むやみに、パワーで押し付けるのではなく、歪の無い音が、耳に聴きごたえのある音量で届けられる。
【DP-770】
綺麗な声で、マランツより解像力が後退するが、綺麗にまとまっている。音の分離も程々で、マランツ程明瞭ではない。全体的な雰囲気作りはアキュフェーズの巧みさを感ずる。彼女の声や曲のもつニュアンスを上手く伝えている。
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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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【SACD 10】
解像力が優れ、曖昧な所が全くない。音像は明瞭で、声の質感、伴奏楽器のドラムパーカッションの質感が優れた音であり、立ち上がり、立下りのスピード感も優れた音である。ピアノの音も明瞭で、演奏会場の空気感も描き切っているようである。
【DP-770】
上品な女性ボーカルの音像。ピアノの音も上品で、艶やかに感ずる。定位は明瞭だが、音場は狭くなる。アキュフェーズの方が女性ボーカルの魅力を再現している。ピアノの音も艶やかにコロコロと表現している。艶、響きでマランツとは違いがある。しかし、音像はぼやけることなく、定位は良い。
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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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【SACD 10】
解像力高く、スイングジャズオーケストラを眼前で聴いている様な音である。音に歪感は全く感ぜず、各楽器の音像と分離を明瞭に表して来る。音楽の作る躍動感に引き込まれ、体が揺れる様な高揚感がある。
【DP-770】
マランツ程、解像度は高くないが、こちらの方が聴きやすいかもしれない。演奏会場の中間席で聴いているようで、耳当たりの良さが感じられる。ステージで聴いているとこのように聴こえるのではないか。
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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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【SACD 10】
解像力高く、明瞭な音。バイオリンの音もピアノの音も、ピアノの重厚感も描き切る。迫力を感ずるクラシックで、眼前で聴いている様な迫力を感ずる。音に曖昧な所が無く、会場の空気感まで感ずる。
【DP-770】
優しい表現の音作りで、上品さが前に出る。ピアノの余韻、響きを上手く纏めている。若干、解像力は落ちるが、会場の奥行き感を感ずる。
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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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【SACD 10】
音像の明瞭な生々しい音。各楽器の音は、分離して聞こえ曖昧な所は無い。実際のオーケストラの演奏の生々しさ迫力を伝えてくる。S/N比は高く、演奏会場の特等席にいる様。音のスピードに違和感が無く、自然に感ずる。
【DP-770】
上品な鳴り方で、演奏会場の中間席で聴いている様だが、曲の持つ不気味さや格調の高さは感じ、クラシックを聴く楽しさを損ねない。
今宵は、今宵は、ART BAKEY /A NIGHT AT BIRDLAND WITH THE ART BLAKEY QUINTET VOL.2を聴きます。VOL.1と同様、1954年のバードランドライブハウスの熱気がむんむんし、バイタリティー溢れたブレーキーのドラムと、ファンキィータッチなホレスシルバーのピアノと、流麗で歌心に溢れるクリフォードブラウンのトランペットの演奏が見事にとらえられています。
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