SOULNOTE A-3 試聴レポート

SOULNOTE A-3 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2024年9月(1)

SOULNOTE A-3

今回は、SOULNOTEインテグレーテッドアンプ「A-3」試聴。プリアンプのP-3、パワーアンプのM-3の開発技術のエッセンスを盛り込んだもの。どんな音を聴かせるか、いつものリファレンスシステムで検証してみることにした。と、その前にSOULNOTEの加藤秀樹エンジニアに少し、触れたいと思う。

2024東京オーディオショーで、SOULNOTEの加藤秀樹エンジニアは、鮮度、鮮度と連呼している。生の演奏にあって、一般のオーディオに見られないのは鮮度だと言い、人の胸をキュンとさせるのが、音の鮮度だと分析する。鮮度はデーターで解析出来ず、時間軸に関係するのではと推測している。それを実現するために、音に悪影響を与える要素を全て排除し、それを耳を頼りに、比較試験で完成度を高めている。技術的取り組みは、NOS(ノンオーバーサンプリング)を採用したフィルターの除去、トランジスター1個で作動するシングルパワーアンプの構成、無帰還回路の採用、考えられる最良の部品の採用、ガタガタの天板、三本スパイク脚等に見られ、加藤エンジニアの哲学が反映されている。ドイツ、ミュンヘンで行われたオーディオショーでは、足で床を踏んで音楽に乗る人、感激して涙を流す人も現れた。そして、各国ディストリビューターとの販売契約は23件にも及んだと言う。

技術的特徴

1)左右チャンネルGND完全分離:パワーアンプの筐体非接地によりGNDを完全分離
2)シングルプッシュアンプ:キャンタイプ、バイポーラトランジスタによるシングルプッシュ回路
3)超強力ドライバー&プリドライバーによる4段ダーリントン構成:TO3タイプトランジスターを採用
4)新型TYPE-R回路採用:電圧増幅に、GNDシングル単段増幅TYPE-R回路を新たに開発
5)GND切り替え方式のセレクター:GNDまで切断するセレクターを採用。多くの再生機器を接続した場合に生じるGNDループを排除
6)抵抗切り替え式ボリューム
7)GNDアンカー:電源部のアンカーをサイドメタルに設置し、アンカーとして機能する特別筐体を設計
8)電源トランス:700VAトロイダル電源を垂直にマウント
9)無帰還電源:470μFのフィルターコンデンサーを採用し、その本数の容量で、電源の負荷を低減する
10)無固定構造:プラグ、インクレット、天板等を全て無固定化構造

リファレンス機器

●SACDプレーヤー:ESOTERIC K-05XD
●スピーカー:YAMAHA NS-5000 

SOULNOTE A-3 試聴

音の印象

フレッシュ、みずみずしい!今までに体験した事のない音である。音の立ち上がりがシャープで、粒立ちが良く、音に厚みを感じ、生き生きとした表現。低域の押し出しが強く、躍動感が迫ってくる。歌手や楽器が奏でる音に滲みは無く、分離独立して、全体と調和しながら曲を展開していく。POPS系や、JAZZ系の再現では、ライブステージの臨場感や、熱っぽい雰囲気を感じさせてくれる。クラシック再現では、深い静寂感の中から、バイオリンやオーケストラが浮かび上がり、非常に繊細に演奏技巧が表現され、格調の高さに満ちた表現。同じアンプから再現されている音なのかと思ってしまう。今まで聴いた試聴ソフトに、何かが付け加えられて出てくる様である。それが、加藤エンジニアが言う、時間軸であり、音の鮮度なのかもしれない。今まで収集したLPレコードや、CDを聴き直す時間が、私には残されているのかと変な不安を覚える。 

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ジャンル別試聴

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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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手嶌葵の哀愁感に満ちた歌声や歌い方が生々しくリアルに等身大に表現され、彼女のデリケートで女性的な性格が感じられる。音の立ち上がりがシャープで、音の滑らかさや、厚みを感じ、生き生きとした表現。伴奏の中に歌声が浮かび上がって演奏空間が広がる。繊細な表現がどっしりとした土台の上に広がる。伴奏の楽器は滲みなく、力を持って生命感に溢れて出てくる。CDにはここまで情報が入っているのかと思う。

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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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聴きなじんだCDだが、こんなにも繊細な声の表情が潜んでいたかと驚く。歌い方の表情の深さを感じ、伴奏のピアノも生き生きと艶やかに鳴る。全ての音が分離良く、そして、その一体感が素晴らしい。音楽の持つ躍動感が自然で生演奏が再現されている様。

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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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ビッグバンドを構成する楽器にリアリティがあり、低域の押し出しがあり、静かなスピーカーのYAMAHAがバリバリ鳴る。各楽器の質感が生々しく、それが全体の調和となって溶け込み、躍動感や迫力を感じる。力強く、体ごと音楽に乗れる表現で、演奏ステージを間近で見ている様な雰囲気がする。音楽の展開や、楽器の表現力が精緻を持って表現され、聴く人の感性や理解に訴えてくる。ドラムの乾いたアタック音や熱っぽさが伝わり、音像の中にのみ込まれる。

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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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バイオリンの音色が綺麗で、ピアノも格調たかく、高域が強調されず、演奏会場で聴いていたらこんな音ではないかと思わせる。バイオリンもピアノも演奏空間の中に存在し、落ち着きと演奏の品位の高さを感じ、実存感がより深まる。
1.2.3で感じた力強い音では無く、生き生きとした格調高い音。表現の深さから、ベートーベンの音楽性の深さをリアルに感じられる。音楽の世界に引き込まれる。

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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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演奏会場の雰囲気そのままではないかと感じ、各楽器の演奏が滲みなく、クリヤーに鳴る。全てのアンサンブルが自然に調和する。とがった表現が無く、静寂性の高い演奏空間で、オーケストラのスケール感を感じる。曲の展開が分かりやすく、演奏会場で聴いている様。アンプで色付けをし、表情を変えた様子は無く、録音された情報をそのまま出している。

TODAY’SONG

今宵は、鈴木勲の「BLOW UP」を聴きます。このLPは、ミュンヘンオーディオショーでSOULNOTEの音を聴いたアナログ誌編集長が、加藤秀樹さんを自宅に招きSOULNOTEオーディオで演奏させ、その時、贈呈された物の様です。これは、神成芳彦録音エンジニアが、当時の日本のジャズシーンの代表ミュージシャンの演奏を捉え、TBM(スリーブラインドマイス)レーベルから発売したもので、鈴木勲が弾くベースの弓引きが、図太く鮮烈に録音されています。TBMの代表的なLPレコードに、山本剛の「ミスティ」があります。

鈴木勲のBLOW UP 鈴木勲のBLOW UP

今週の生花:胡蝶蘭

店内フラワーアレンジ

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