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LUXMAN D-07XをAccuphaseのシステム(C-2900+A-80)で試聴した前回のレポートでは、「艶やかで気品に溢れ、繊細で柔らかく、声や楽器の表情を豊かに表現し、日頃、聴きなじんだAccuphaseの音に、若干の太さと柔らかさを加えたように思える」と感じたが、アンプを同ブランドのL-509Zで試聴するとどうであろうか?
L-509Zは、アグレッシブ(攻撃的、挑戦的?)で、鮮度の高い音と評され、L-509Zのカタログには、増幅帰還エンジンLIFESを採用、音質調整部には新機構LECUA-EXを採用、プリアンプとパワーアンプを一体化させ、かつてない高みに到達させたと書かれている。D-07XやL-509Zの単独試聴は難しいが、アンプを変え、それぞれの性能を探ってみることにした。
【LUXMAN D-07X】
●ローム社製DACチップ BD34301EKVを2基搭載。
●UBS入力:PCM768khz/32bit、DSD22.4Mhz 専用ソフトにより伝送負荷を平準化
●MQA規格に対応
●クロック:発信周波数付近のノイズを限界まで低減する、高精度、低ジッターの超低位相雑音モジュールを2系統搭載
●SACD,DSD再生時に音質を選択可能な2モードのアナログFIRフィルター内蔵
●非対象のレイアウト構造:信号の最短かつ理想的な経路、重量バランス、アナログ回路の為の容量確保
●LxDTM-i構造で、高鋼性とディスクドライブ部分の外来振動を遮断。高精度で安定した信号読み取り性能を実現
●モノラルモードで動作させたDACの出力を、I/V変換とディスクリート部品で構成したバッファー回路により、音楽信号を低インピーダンス化
●可聴帯域外のフィルター処理は、バッファー回路内で行う
【LUXMAN L-509Z】
●増幅帰還エンジンLIFES:増幅回路で発生した歪成分だけを主アンプにフィールドバックすることで、静特性を実現。プリ部、パワー部に搭載
●600VAのEIカスタムトランス。10,000Μf×8本の大容量コンデンサー
●高音質フォノアンプ搭載
●トーンコントロール BASS/MIDDLE/TREBLE
●オーディオ基盤 レジスト被覆を廃する
●ダンピングファクター 330
●LUCUA-EX ボリューム:独立の固定抵抗を電子制御するアッテネーター方式
●CDプレーヤー:LUXMAN/D-07X
●プリメインアンプ:LUXMAN/L-509Z
●スピーカー:YAMAHA/NS-5000
D-07XとL-509Zの組み合わせの音は、クールで音に勢いが感じられる鳴り方。音像のスケールが大きくダイナミックな感じを受ける。音は明瞭で、細部の表現も過不足は無く、ジャズやオーケストラに凄みを感じるが、女性の声や、クラシックのバイオリンやピアノの品性を損なうものでは無い。静寂さや落ち着き感も併せ持っている。この組み合わせは、音に勢いがあるが、決して荒々しい印象ではない。L-509Zの音作りに引きずられているのかなと思う。人が聴いて、心地よいと思う感覚を、知り尽くして設計している。古いジャズには相性が良いようだ。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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音に勢いがあり、低音もしっかり沈み込む。非常に繊細な音で、明るさと音のバランスが見事に調和している。人間にとって聴きやすい音であり、音楽を楽しいと思う感情を分析して作っているよう。YAMAHAのスピーカーからこんな音が聴けるとは思わなかった。NS-5000にはLUXMANが合う。でも前回のAccuphaseのシステム(C-2900+A-80)に比べると、繊細さは落ち、多少、粗削りにはなるような気がする。
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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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歌手の発声が非常に明瞭で、細やかな表情も過不足なく伝えてくる。チョット粗削りな所がジャズの凄みや迫力に繋がっている。音像のスケールの大きいジャズ。これはこれで、満足のいく鳴り方。試聴レポートで3システムを聴いている中では、一番スイング感を感じる。自然に体が揺れ、躍動感に通じる。
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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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低音の量感がたっぷりで、ジャズバンドの迫力を感じる。各楽器の表現は明瞭で、ダイナミックなスケール感の中で奏でられる。各楽器の再現は十分な表現力を感じ、空間の中に各楽器の演奏が浮かび上がる。聴いていて楽しいジャズ。より繊細で、ダイナミックレンジの取れた機器もあるが、バランスの取れた鳴り方。
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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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音に勢いがある。バイオリンやピアノの品性はそのままで、音が、生々しいと感じる。高域から低域までバランス良く、バイオリンの音の質感やピアノの鍵盤を指が転がるような雰囲気も明瞭で、音楽の厳粛さを生き生きと組み立てている。繊細な音にも長けている。
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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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やはり音にエネルギー感がある。オーケストラの厳粛性や迫力を感じる。各々の楽器は分離独立しながら見事に調和して演奏され、音楽の芸術性を高める。各楽器の質感の再現性も高い。ベートーベンや、マーラー等のシンフォニーの、スケール感やダイナミックさを追求するものには、この組み合わせが良いように思う。決して艶やかで滑らかな音では無い。
今宵は、カーテスフラーのBLUES-ETTO中、ファイヴ スポット アフターダークを聴きます。カーテスフラーのトロンボーンに、ベニーゴルソンのテナーサックスが絡み、低音楽器が小気味よい旋律を奏でます。トミーフラナガンのピアノも切れの良いソロを演奏します。
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