YAMAHA NS-800A 試聴レポート

YAMAHA NS-800A 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2024年5月(1)

YAMAHA NS-800A

前回(2024年3月)NS-600Aのレポートで、YAMAHAの音響機器開発理念は、
1)一音一音が驚くほどに細かく正確な音色
2)静と動のコントラストが感動を呼ぶ
3)その場にいるような空気感を再現する
とありまして、NS-600Aはこの理念が裏図けられるように、正確な定位、音場再現、精緻な音像描写とサイズを超えた低音が味わえました。そして今回聴く「NS-800A」では、ひとまわり大きなキャビネットが生み出す豊かな音場が生まれると言っています。NS-600Aに魅了されたので、期待しながらこの「NS-800A」を試聴してみます。

技術的特徴

●ピアノフィニッシュのエンクロージャー 231×420×358mm(WxHxD)
●3cmのツイター、16cmのウーファーにZYLONとスプルース材の抄紙を使用
●再生周波数帯域 40hz~65Khz
●スピーカー背面の共振を打ち消すRSチャンバーをツィーターユニットに搭載
●吸収材を最小限に抑えるアコースティックアブソーバー
●反応性とダイナミズムを両立させるツイステッドフレアポード、ポートの内端を斜めにカット

リファレンス機器

●CDプレーヤー:marantz/SACD 30n
●プリメインアンプ:marantz/Model 30

YAMAHA NS-800A   試聴

音の印象

NS-600Aを試聴した時、CDに入っている情報の再現性の高さに驚いたが、「NS-800A」はウーハーが160mmになり低音が増して、楽器の再現性や音楽の深みをより感じるようになった。音は、静かな空間の中から浮かび上がり、声、楽器は分離独立して、バランス良く、自然に再現される。音像は非常に滑らかで実存感がある。JPOP、JAZZ、JAZZ Vocal、クラシックヴァイオリン、ピアノ、クラシックオーケストラと、それぞれ再現しても、ジャンルによる適、不適性は無く、CDに刻まれた音楽情報をリアルに再現するだけである。これは、リファレンス機材に使う、マランツのCDプレーヤーやプリメインアンプの基本性能の高さにもよるが、「NS-800A」の入力信号への反応性とフレキシビリティの高さによるものでは?と思う。試聴前に自宅のシステムでは再生に限界があると感じたCDをかけてみても、見事に聴きごたえ良く、リアルに再生する。さらにシステムを、価格をかけて高度化していけば、より繊細で、より魅惑的な音は再現できるようになるだろう。なので今回のマランツの組み合わせでは、音楽の芸術性を味わいながら楽しい時間を過ごすために選ぶとすれば、十分選択肢に値するシステムだと思った。

YAMAHA NS-800A  試聴 YAMAHA NS-800A  試聴

ジャンル別試聴

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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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正に、ライブ会場で聴いているとは、言い過ぎだろうか。手嶌葵の切ない声が生々しく迫ってくる。声は滲むことなく真ん中に浮かび上がる。ピアノの音も自然でNS-600Aより低音のボリュームが増して、音楽の深みが生まれている。音のバランスも自然で良好。個々の楽器も交じり合わず、分離独立している。レンジ感は広く、S/N比も高く、安心して音楽に入り込める雰囲気である。

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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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レンジ感広く、声が中央に浮かび上がり、躍動感も自然に感じる。音はしまり良く、ピアノの音も自然感が漂い、低音の深みを感じる。音の分離も良好。歌手と伴奏とのバランスが非常に良い。打楽器、管楽器の質感を自然に描き分ける。CDの情報をそのまま出している感じ。

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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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各々の楽器の分離良く、ジャズバンドの低音の迫力、音圧を感じる。木管楽器、金管楽器、打楽器の質感も自然。ジャズバンドの躍動感を脚色すること無く自然に再現している。この生々しさと、実存感の高さが、ジャズバンドの楽しさを大いに盛り上げてくれる。低音楽器の音圧も高い。バンドの実力もつぶさにわかり、聴いていて楽しいジャズ。入力に対し、再現性が非常に高いと思う。非常にバランスが良い。音はハリがあって滑らかで、聴き疲れがなく、いつまでも聴いていられる。音場は中庸。

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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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バイオリンの音も、ピアノの音も自然感が漂い、音が綺麗に分離し混濁しない。深い背景の中から気品のある演奏が浮かび上がり、NS-5000に比べると、音に明るさが載っている。バイオリンの演奏の深み、ピアノの低音など、どっしりした音をベースに、中高音が組み立てられている。バイオリンとピアノの距離感が良い。聴いていて安心して音楽に引き込まれ、純粋に音楽を味わうことが出来る。作曲家、演奏家の意図を感じることが出来る。音楽のジャンルの壁は無くなっている。

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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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オーケストラが淀みなく広がり、各々の楽器の演奏が交じり合う事がなく、自然に再現される。作曲家の音楽に対する意図が如実に分かり、音楽の芸術性の高さに感服する。低音の不足は感ぜず、音色はNS-5000と比べて、ちょっと明るめで、より自然に再現され、展開される音楽に陶酔できる。

TODAY’SONG

今宵は、ビルエバンスのCONSECRATIONを聴きます。ビルエバンスは、1980年9月15日に亡くなり、この演奏は1980年8月31日から9月7日にかけて、サンフランシスコ、キートン・コーナーでライブレコーディングされたもの。体調が悪いことを自覚しながら、気力を振りしぼるように全身全霊で演奏に取り組んだ最後の記録である。それは、長いキャリアで積み上げた芸術性のすべてをぶつけた、鬼気迫るものであった。この演奏は、演奏家の魂まで感じられるオーディオシステムで聴きたいですね。

SABINE DEVIEILHE BACH・HANDELアリア集 SABINE DEVIEILHE BACH・HANDELアリア集

今週の生花:グランブルー・ミントカラーの薔薇他

このアレンジを見てくださったお客様から「造花?」とよく聞かれましたが、生花です。切花に専用の着色剤を使用してアート的なカラーが出来上がるそうです。グラデーションが何とも言えず魅惑的な雰囲気を醸し出しています。

店内フラワーアレンジ

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