DP-770 深堀り編 試聴レポート

DP-770 深堀り編 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2024年4月(3)

DP-770 深堀り編(LPレコード vs CDソフト)

アキュフェーズ のDP-770を試聴していた時に、再生音があまりにもリアルに感じ、古いジャズのLPレコードの再生音と違いはどうなんだろう??と気に掛かっていたので、手持ちの聴きなじんだLPレコードとCDソフト実際に聴いてみることにしました。アナログ再生の機材は、普及品から高額な製品まで千差万別で、一般的な評価はなかなか難しいとは思いますが、一応下記のシステムで聴いてみました。あくまで一聴の感覚です。

リファレンス機器

●プリアンプ:Accuphase/C-2900+AD-2900
●パワーアンプ:Accuphase/A-80
●スピーカー:YAMAHA/NS5000
●LPプレーヤー:LUXMAN/PD-151A
●MCカートリッジ:DENON/DC-103R、 Phasemation/PP-300

DP-770 深堀り編LPレコード vs CDソフト

LPレコード再生 VS CDソフト再生 

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1)HERBIE HANCOCK & CHICK COREA/IN CONCERT(ハービー・ハンコック&チック・コリア /イン・コンサート)よりSOMEDAY MY PRINCE WILL COME  長岡鉄雄外盤A級セレクションより選定 
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【LP】
ピアノの音が滲みなく綺麗。高域がまろやかで、音の抜けも良く、分離が良い。低音の再現もどっしりしている。レンジは狭く感じる。
【CD】
凛とした佇まいや、会場の生々しい雰囲気、音の分離感、静かな背景から音が立ち上がる感じはCDが良好。
DP-770 深堀り編LPレコード vs CDソフト

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2)BILL EVANS/EXPLORATIONS (ビル・エヴァンス/エクスプロレーション)より NARDIS
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【LP】
普段聴いているエバンスの音。スコットラファロのベースの音もハッキリしている。リアリティがあり、C-2900とA-80の実力の高さが良く分る。低音の再現性が一皮むけている。古い録音だが、生々しさが再現される。レンジは狭い。
【CD】
音に迫力があり、前に出てくる。ベースも音も、実存感がある。演奏者との距離が近づいたような感覚。レンジは広く感じる。
DP-770 深堀り編LPレコード vs CDソフト

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3)DIANA KRALL / THE LOOK OF LOVE(ダイアナ・クラール/ザ・ルック・オブ・ラヴ)よりS'Wonderful
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【LP】
デジタル録音らしい、発声の明瞭さと、音のゆとり感、スケールの大きさを感ずる。レンジの広さと音の厚み、演奏空間の統一感を感じる。
【CD】
音がチョット硬質に成り、柔らかさが無くなるが、発声がハッキリして非常に分解性の高い音。
DP-770 深堀り編LPレコード vs CDソフト

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4)COUNT BASIE/KANSAS CITY 7(カウント・ベイシー/カンザス・シティ・セヴン)よりOH,LADY,BE,GOOD,
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【LP】
インパレスレーベルの録音の優れたレコード。音の明瞭さがあり、各楽器のソロが歪感無く自然に展開する。テナーサックスや、ドラムの重低音も自然さがある。
【CD】
ビクターK2のCD。音像の明確な点は変わらないが、高域の抜けの感じはLPに分があるように感じる。CDで再生すると、レンジが狭いような気がする。しかし、単独で聴けば、十分堪能できるレベルだと思う。
DP-770 深堀り編LPレコード vs CDソフト

まとめ

同じ音楽ソース(CDソフトとLPレコード)を、それぞれCDプレーヤー、LPプレーヤーで再生し試聴すると、再生される音には差がある。

LP再生(PD-151A/DL-103R)の場合は、艶やかさやふくよかさと包まれるような感じを受ける。CD再生(DP-770)の場合は、音が鮮烈になり、レンジの狭さを感じ、LPとは雰囲気が変わる。

一昔前のCDプレーヤーの音は平面的な表現で、音の厚みや生き生きとした感じの無い、無機的な音だったが、DP-770では表現スタイルは違うもの、生命感や躍動感は感じられるものになった。これは録音技術が24bitになり、CDプレーヤーは、NOSモードやANCC回路の採用、DACのディスクリート化、デジタルクロックの精度アップ等が結びついていると思う。

一般的に、CDソフトの音とLPレコードの音は、録音方法が違うから、同じ音にはならないと言われるが、今回の試聴でも、それはやはり感じた。しかし、アナログ録音からデジタル化した音は、表現は違うものになるとは言え、生き生きとした躍動感に満ちた音となり、比較しなければ、十分聴きごたえのある音になっている。また最新技術で録音されたCDソフトは、アナログ時代に味わえなかった、レンジの広さと、音の緻密さ、S/N比、空気感が感じられ、新たな興味を味わえる。CDソフトとLPレコードの音質差は段々少なくなってきているように思う。

まとめると、アナログ録音された音源をデジタル化してCDにして再生しても、同じ音源をレコードから再生した方が、再生される音楽の生き生きした感覚や存在感はより感ぜられる、と言うことです。ただし、現在のデジタル録音された音源は、CDプレーヤーを使用しデジタル再生した方が、レコード再生より高品位(レンジ感、S/N比、密度感等)な音楽が再生できる、と言うことです。

ただ、真の芸術性を味わうなら、アナログ録音されたソースにはアナログ再生で、デジタル録音されたソースにはデジタル再生を選んだ方が楽しめるようなな気がする。  

今週の生花:姫瑠璃虎の尾、ニゲラ他

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