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2024年4月Accuphaseより、A級プリメインアンプ「E-700」が発売された。カタログには「演奏会での深い感動を、卓越した表現力でお楽しみください」とある。今回、比較試聴したA級プリメインアンプE-800のカタログには「セパレートアンプに匹敵するクオリティで、お好きな音楽を心ゆくまでお楽しみください」とある。「E-700」には、アキュフェーズの高級CDプレーヤーやパワーアンプに搭載され始めたANCC回路が組み込まれた。E-800の発売から4年の歳月が、どのような技術革新をもたらしたか試聴してみた。
●BALANCED AAVAボリューム回路。
●ANCC回路 出力端子直前から、音の信号、歪、ノイズを検知し、それを入力部に戻し、副アンプを使用して、歪、ノイズの打ち消し成分を出力する。歪とノイズを大幅に低減。
*アキュフェーズの特許
●アルミニウムブロック削り出しボリューム
●パワーアンプ部は、+側とー側の入力インピーダンスを等しくし、外来ノイズの除去能力に優れるインスツルメンテーション・アンプを採用。
●MOSFET 4パラレル、プッシュプルA級動作 出力35W/8Ω
●大型トロイダルトランスと56.000μFコンデンサーを2個搭載
●ダンピングファクター 1.000を達成
●SACDプレーヤー:ESOTERIC/ K-05XD
●スピーカー:YAMAHA/NS-5000
【E-700】
E-700で音楽が再生された瞬間、スピーカーが発する音に体ごと包まれるような感覚を覚える。JBLの大型フォーンが作り出す音響効果と似ているが、ライブハウスやオーケストラ会場の雰囲気に、さらに近いような気がする。音像は大きく、その音質は柔らかく優しいが、繊細感や新鮮さは一級のものを持っていて、躍動感やエネルギー感も損なわれない。音楽ジャンルの区別なく、音楽を楽しませてくれる。E-700の伸びやかな再生は、新しい音作りを提案しているように感じ、今まで演奏会場に足を運んでいた人にとって、家で同じ雰囲気が感じられる気がする。様々な性能を持ったCDプレーヤーやスピーカーの組み合わせを検討すれば、さらにその性能が生かせるような気がする。
【E-800】
同時比較したE-800は、きりりとした音像と、音の艶やかさ、繊細さ、瑞々しい生命感、程よい音の厚みを持ち、従来のアキュフェーズトーンの延長線上にある音。これはこれで、A級プリメインアンプの特色を生かし切った音と印象を受ける。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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【E-700】
音像が広がったような表現だが、その表現は曖昧では無く、繊細さが深まったような感がする。曲の雰囲気、ライブ会場の雰囲気は他の組み合わせと変わりは無く、スケール感があり明瞭で重みがある。音像の大きさは、声や伴奏楽器の質感に影響は無い。
【E-800】
ライブ会場の雰囲気や、声の落ち着き、表情は深く明瞭で、存在感がある。高音の伸び、低音の深さは、音楽のゆとりや深さになって表れてくる。自然な感じが深まってくる。歌詞は非常に明瞭である。高域から低域までのバランスが良い。
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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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【E-700】
音像空間が広がった印象を受け、音が前にせり出してくるよう。音像は大きいが繊細さは損なわれていない。E-800に比べて若干おとなしく柔らかな表情も見せる。声の生々しい雰囲気をより感じ、迫ってくるような色気がある。
【E-800】
声は生々しく、定位は明瞭で空間に声が浮かび上がる。S/N比の高さが明瞭である。音は明るく明瞭な音作りで、生き生きとした躍動感が良い。音の厚みもあり、実存感に通じている。発音は全て明瞭。ピアノの艶やかさや低音の厚みも生々しく、質感が良好。
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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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【E-700】
音像が大きく、音の肌触りが分かるように迫ってくる。しかし、その音像は曖昧さが無く、一つ一つの楽器が分離独立した鳴り方は十分な質を持つ。木管楽器の質感も柔らかく、楽器の演奏を傍で聴いているよう。ライブ会場の最前列で聴いているようで、音が体の周りに溢れ、ジャズ演奏に包まれるよう。新しい感覚。
【E-800】
各楽器の分離良く、音の立ち上がり、立下りの反応良く、低音が生々しく響き、ジャズバンドの楽しさを過不足なく伝えてくる。打楽器は鋭く、木管楽器は柔らかく再現する。楽器の音が分離良く交じり合わず、ベールがはがれたような雰囲気。
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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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【E-700】
弦の調べが迫って来るような感じと、音に包まれるような感覚を覚える。体の周りに音が響き渡たるような感覚。しかし、その音は決して曖昧ではなく、音の強弱、深み、重みを表現し、十分高音質な表現力を持つ。生で聴く音に近いのか。
【E-800】
バイオリンが鮮明で、ピアノの一音一音の厚みも存在感がある。演奏が、目の前で弾いているようで、臨場感がある。レンジ広く、高域から低域まで曖昧になるところが無い。音の強弱と音の厚みと躍動感を兼ね備えた音。
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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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【E-700】
音はE-800に比べて若干柔らかく、穏やかになる。しかしその音は曖昧では無い。この肌触り感は、微弱音が再現される為か?曲の再現性は高く、音楽を正確に表現し、包み込まれるような生々しさを感じる。オーケストラ会場で聴く臨場感を大いに感じる。
【E-800】
音に滲みなく、厚みがあり、明瞭に音像を描き出す。明るさ、艶やかさがあり、音に重みがあるため安っぽくならない。クラシックの品位の高さを十二分に表現する。オーケストラの会場の臨場感を感ずる。
今宵は「Sabine Devieilhe(サビーヌ・ドゥヴィエル)のBACH・HANDELのアリア集」を聴きます。玉を転がすようなソプラノの持ち主で、バッハの讃美歌を透き通った美しい声で歌います。E-700で聴けば大聖堂の中で、目前で歌っている様な気分になれる事でしょう。フランス音楽とバロック音楽の名門エラート社製で、非常に録音の優れたCDです。
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