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2024年2月14日、静岡市葵区浅間町にミュージック喫茶「kugo music cafe」が誕生した。kugoとはオーナーご夫婦のイニシャルを一文字ずつ組み合わせた名前だそうだ。この浅間町周辺には2100年前から続く浅間神社、徳川慶喜居住跡の西草深公園、家康が幼少期を過ごした臨済寺や、城北公園、浅間窯、天ぷらの名店成生(なるせ)などが点在し、歴史と伝統が感じられる静かな住宅街である。
オーナーは経営していた会社を譲渡し芸術の世界に舵を切った。好きな音楽に浸るとともに、音楽好きな人との会話を楽しみたいと10代の頃から思い描いていた夢が実現することとなる。
逸る気持ちを抑えて扉を開けると、そこはまだ新築の木の匂いが漂っていた。コンクリート打ち放しの床には無垢の木が敷き詰められ、壁は漆喰で、天井は奥から手前に傾斜が付けられている。無垢板のカウンター席には木製の椅子、スピーカーの正面には上質なリスニングチェアが置かれていた。自然な反響と吸音を作り出す壁の漆喰は、今はまだ完全に乾いておらず少々デッドな響きだが、2~3か月後には最高の音響効果をもたらすはずだ。昔から日本の土蔵は最高のオーディオルームと言われてきた。傾斜が付けられ天井は定在波の影響を逃がしている。それぞれにオーナーの配慮が感じられるこの場所は、十二分に非日常を味わえる空間である。
音響機器は現在求めうる日本の最新、最高技術を盛り込んだものが並ぶ。
・スピーカー:TAD/TAD-CR1TX-EB
・プリアンプ:Accuphaseの/C-2850
・パワーアンプ:Accuphase/A-300×2
・CDプレーヤー:Accuphase /P-1000、DC-1000
アナログ再生は、YAMAHA/GT-5000とLUXMAN/PD-171AにSMEのトーンアーム、カートリッジはDS-Audioの光カートリッジDS-003とDENON、 Van den Hulも聴ける。他 ネットワークプレーヤー、Accuphaseの電源ノイズ整流器も稼働している。
私が持参したCD、LPレコードをJPOP、JAZZ、CLASSICとかけてもらい、贅沢な時間に身を委ねることにした。
曲が始まる前に、無音の空間が現れ、音像が定位よく立ち上がっていく。。。
音が生きている!音像は明瞭で、厚みがあり、その歌や楽曲の展開は非常にリアルである。アバド指揮アルゲリッチのショパンピアノ協奏曲第一番は、ピアノの瑞々しい音色に驚かされる。ソニークラークのブルーノート盤では、ピアノの鍵盤を弾くタッチが見え、朴訥だがどこか哀愁を帯びた弾き方が脳裏に染み込んでくる。
ホレスシルバー盤では、ジョーヘンダーソンのテナーサックスの胴鳴りが図太く、驚くほどリアルである。微細な信号の再現性の高さに圧倒される。普段何気なく聴いていた曲にこんな音が潜んでいたのか、と感心する。
いろいろとジャズ喫茶を巡り歩いているが、「kugo misic cafe」のシステムは一味も二味も違っている。CD、SACDの録音良好なソフト再生では、目の前に歌手、演奏者が浮かび上がる。高域はどこまでも伸びる感じで低域も締まっており曖昧さが無い。LPレコード再生では、DS-Audioの光カートリッジDS-003の性能の高さが、このシムテムで生かされ、伸びやかな高域が音像の生々しさを再現している。全てのジャンルにおいて再生は自然である。これらの機材は上記で紹介したように、TAD、Accuphase、LUXMANの最新技術で作られたオールジャパンであり、世界に十分通じるものである。もうこれ以上何が必要なのだろう。ただただ音楽と言う芸術を味わいたい、と思うレベルである。
後日オーナーにお願いし、LP盤ジャズのレーベル別、録音技師別試聴をやってみた。
先ず、STEEPLECHASEのNIELS PEDERSENとSAM JONESのDOUBLE BASSは、盤がくたびれているのがハッキリわかる。裏面は鮮度が高い。
BLUE NOTEのSOMETHIN’ELSE(NY盤)は音の密度感が高く、立ち上がり立下りが俊敏で、マイルスの息づかいまで伝わって来る。
DUKE PEASONのTENDER FEELIN’S(47west63rd盤)では、曲はロマンティックだが、ピアノのタッチが鮮烈で 力強いのが良く分る。
AUDIO LAB 猪俣猛のTHE DIALOGUE 菅野沖彦録音では音が綺麗で鮮明。
TBMの山本剛 MISTY神成芳彦録音では、ピアノの音の鮮明さとハイ上がりのアタックの強さが分かる。
ATLANTICのDUKE ELLINTON パリコンサートでは、ジョニーホッジスのアルトサックスが分厚く再現され、ECMのキースジャレット、STILL LIVEでは、演奏者とマイクが離れているのが分かり、コンサートホールの雰囲気が再現される。
TADの音は、全ての音源を忠実に再現しているのが分かる。私が所有するJBLの4338では、全てがホーンから押し出されてくる雰囲気で、JAZZ向けの音作りがなされているのだ、とあらためて感じた。中古レコード市場では、BLUE NOTEのオリジナル盤が高値で取引きされるが、TADシステムで聴くと、凄さがあふれ独特の価値を持った録音であるのが分かる。今回は、各レーベルと録音技師による音作りの差が、確にわかった。これほど違うものかと愕然とし、システムの違いによる再現性の高さを堪能出来た試聴であった。
オーナーのCDソフト、LPレコードコレクションは、ロックやジャズ中心に600枚程所有されている。有名盤の大半はコレクションされ、お客様のリクエストに答えられるようになっている。またオーナーはこのカフェを始めるにあたり、コーヒーの淹れ方をUCCコーヒーアカデミーに通い、技術を磨かれた。壁の棚にはUCCアカデミーの認定証書がかざられていてる。そのブレンドコーヒーは、雑味なくマイルドで、コクがあり非常に飲みやすいく、価格も一杯500円とリーゾナブルだ。他にキリマンジェロ、マンデリン、コロンビア等のストレートコーヒーがあり全て500円である。コーヒーだけでも満足度が高い。
まだ開店して数日だがお客様が見える。近所のおなじみさんはジャズに造詣が深く、ソニークラーのCOOL STRUTTIN’とエラフィッツジェラルドとカウントベイシーのJAZZ AT THE SANTA MONICA CIVIC.72をリクエストしていた。また昨日は、76.9HITZ DRIVE(静岡FM局)のPAT BOGGSさんが取材に見えて緊張したと言っていたが、本日も来店され音楽を聴きながらパソコンに原稿を書いている。近々「kugo misic cafe」の紹介もあるのかな、と思う。
再生される音楽は、今まで聴いてきた音楽と次元を超えている。このシステムで聴くブルーノートの音は、滲みが無く俊敏で、微妙なピアノのタッチやテナーサックスの胴鳴りの質感等、こんな音が潜んでいたのかと思うほどリアルである。ルディ ヴァン ゲルダーとアルフレッドライオンの目指していたものが体感できる。クラシックのピアノ演奏者や弦楽器演奏者の血の滲むような努力の果てにつかみ取ってきた芸術性を聴き取り、ショパン、シューベルト、チャイコフスキーの浄化された精神と夢を感じることが出来る。
この端正な音を聴いたとき、ふと日本文化を感じた。日本の文化は秘すれば花、わび、さび、に代表されるように、静かで奥深い印象である。欧米の文化は、オペラ、ミュージカルに代表されるように、華やかで開放的な印象である。やはり、音響デザインの在り方も、それぞれの文化の上に成り立っているのかな、と改めて感じた試聴となった。
ほんとは誰にも教えたくないお店が出来てしまったけど、皆さんも来店してみて下さい。今まで感じたことのない音に巡り合えます。
この「kugo music cafe」の音響システムは、全てAV BOXから購入し、宮澤店長、深澤さんのアドバイスを受け、高品位の物を選定して満足度の高い物だった、とオーナーは感謝していました。
〒420-0862
静岡市葵区浅間町2丁目38
TEL :080-3582-7635
営業:水、木、金、土
オープン:13:30~18:30
駐車場:2台
バス停:浅間神社前
※不定休有り/営業日等ご確認お願いいたします
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