Accuphase DP-770 試聴レポート

Accuphase DP-770 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2024年2月

Accuphase DP-770

Accuphase社は、2021年8月にDP-1000、DC-1000を登場させた。そして今回はその主要技術を組み込み、一体型CDプレーヤー「DP-770」が発売となった。DP-1000、DC-1000は、声楽家や演奏家の傑出した技巧、曲の解釈、表現しようとする情熱までをも再現する。さて今回のDP-770はどんな表情を見せてくれるのかワクワクしながらヒアリングした。

フォルム・技術的変更

●トラバース(ディスク回転モーターと信号ピックアップ)を支える弾性ダンパーの新規設計。
●D/Aコンバーター部に、独自の、歪みノイズ打ち消し回路「ANCC」を組み合わせた。
●電源用平滑コンデンサーを新規設計。
●ドライブメカはD&M製で変更なし。
●ACチップはESSのES9028PROをチャンネル毎に独立して搭載、チップが内蔵する8回路を並列動作させていて変更なし。

リファレンス機器

●プリアンプ:Accuphase/C-2900
●パワーアンプ:Accuphase/A-80
●スピーカー:YAMAHA/NS5000

Accuphase DP-770 試聴

音の印象

非常に鮮度が高く、分解性に優れ、曖昧な所の無い音。S/N比の高い空間から、実存感のある音が滲みなく立ち上がってくる。オーケストラが放つ重低音の中から、ソロパートの楽器が混濁なく立ち上がり、バイオリンとピアノのデュエットも距離感と一体感を持って奏でられ、ダイナミズムと個々の音像の鮮やかな再現性が両立している。音に厚みがあり、ギスギスした音ではなく、現実に近い音を感じる。DP-1000、DC-1000の評価で、「ライブステージとリスナーとの間には、オーディオと言うベールがあるが、そのベールが取り払らわれた感覚を覚える」と評したが、同じようにDP-770もライブステージを見ているようである。低域については以前の試聴でDP-1000、DC-1000は少しふくよかだった記憶があるが、DP-770の低域は曖昧さが無く、高域の鮮烈さは群を抜いている。最新の録音技術で作られたCDソフトやSACDソフトの再生音は、目の前で演奏者やオーケストラが展開しているかようにリアルである。私の感覚では、古いジャズをCD化した音源はレンジの狭さと、音にそっけなさを感じてしまう。やはり、アナログ録音された音源は、LPレコードから再生をした方が、音楽として楽しめるような気がする。ただ比較試聴することなく、CDだけ再生した場合は、音の密度感や前にせり出してくるような感覚は十分味わえ、音楽の楽しさを損なわない。そう言えば以前、Accuphaseの技術者の方が「やっとアナログ再生に近づけた」と、ふと言った言葉が裏図けられたような気がする。 

ジャンル別試聴

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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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高域の分解性や鮮度が高く、歪を感ぜず、綺麗な高域を感じる。しかも厚みがあり、作った音では無く、あるがままの自然な音のよう。音のバランスも良く、低域から高域までの再現が自然である。ライブ会場の雰囲気を感じる。

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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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発声が明瞭で歪感が無く、躍動感や音の切れの良さを自然に再現する。ピアノの音も、高域が良く伸び、低域に深みがある。音像が明瞭で、女性の声と伴奏の分離良好で、バランスが良く、音楽を自然に楽しめることが出来る。再現される音場のスケールが大きい。

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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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ビッグバンドジャズの音が、分離、解像力に優れ、ソロ楽器の存在が、独立して浮き上がるが、全体的な迫力や統一感は失われない。締まった低音が出て、躍動感を感じる。演奏会場の雰囲気と楽器の存在が自然に存在する。バリトンサックスの重低音が生々しく再現される。とにかく、演奏会場で聴いているようで、聴いていて楽しい。なんて生々しいのだろう。

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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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バイオリンの音も、ピアノの音も自然で、弓と弦の擦れる音とピアノの鍵盤を叩く音の質感が良く分り、二つの楽器の演奏がバランス良く再現される。ピアノの音と、バイオリンの音が交じり合わず、すっきりとしている。再現される音域の統一感が自然で素晴らしく、高域の音がうるさくならない。スケールの大きい音になる。音が非常に明瞭で全く滲みが無い。

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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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オーケストラの重低音が交じり合わず再現され、ソロ楽器の存在が演奏空間に、見事に調和して奏でられる。金属楽器も木管楽器もその質感を生々しく再現する。音の分離が非常に優れている。あまりに自然、あまりに存在感がある。空間の迫力があり、演奏会場で聴いているようである。 

TODAY’SONG

今宵はモーツアルトのレクイムを聴きます。ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏カール ベーム指揮。録音会場は、ウィーン ピアリス教会で、天井は高いが、左右の壁は狭く、上質なオーディオで聴くと、音が上から降って来るように再現される、と言うもの。でも、神にささげる神聖で荘厳な感覚がオーディオルーム一杯に響き渡ります。今宵はクリスチャンです。

シューベルト:アルペジオーネ ソナタ レコードジャケット シューベルト:アルペジオーネ ソナタ レコード再生

今週の生花:河津桜

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静岡 河津桜

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