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DENONの音決めの責任者、山内慎一さんの設計理念は、「Vivid & Spacious(鮮やかに広々と)」である。この理念を踏まえ、PMA-3000NEの開発にあたり重視したのは、音の鮮度が高く、しっかりとした音像の再現と、さらに、しなやかさや空間描写も両立できるようにした点である。また、全ての音が、パワフルに吹き出してくるように、スピーカーの制動力を増強した。「PMA-A110」をベースに、回路構成、筐体内部のレイアウト、ワイヤリングおよび基板間の接続方法、カスタムパーツまで全面的に刷新したと言う。記憶に残る、PMA-2500NEの音色を頼りに試聴をおこなった。
●UHC-MOS FET使用のシングルプッシュプル増幅回路。差動1段回路。パワーアンプ基板からスピーカー出力端子への接続は、ワイヤーから、140μmの銅箔および銅製バスパーに変更。
●パワーアンプ定格出力 80W+80W(8Ω)
●可変ゲイン型プリアンプとパワーアンプによる二段構成。音量に合わせてプリアンプのゲインを増幅し、パワーアンプのみで増幅する。
●電子ボリュームコントロール。 センサーによりノブの回転角を検出し、その情報を元に電子制御ボリュームで音量をコントロール。
●EIコアトランスを対向配置し、漏洩磁束の影響を打ち消す。整流回路には低ノイズのダイオード採用。2系統のパラレル構成により、発熱を抑えた。大容量カスタムコンデンサー搭載。ダイオードユニットとブロックコンデンサーの接続部は銅製のバスパー使用。パワーアンプ回路への電源供給ラインは、片面一層70μmの銅箔から両面二層140μmの銅箔に変更。
●MM/MC対応フォノイコライザー
●11.2 MHz DSD、384 KHz/32bit PCM対応 USB-DAC
●SACDプレーヤー:ESOTERIC/K-05XD
●スピーカー:YAMAHA/NS-5000
PMA-2500NEの万人向けの音作りに、静寂さと繊細さが加わった。低音は、量感を感ずるものではないが、クリヤーで分解性の高い物になった。音場の背景は静かで、音像の分離、定位は良好で、音像が全体に溶け込む様に存在する。女性ボーカルでは、哀愁感、滑らかさ、色気、野性感を多彩に表現し、生き生きとした躍動感も伝えてくる。ジャズのビッグバンドは、楽器の分離と質感が程よく再現され、引き締まった低音が躍動感を再現し、聴き疲れしない。バイオリンとピアノのクラシックは、清々しさの中に、演奏が格調高く再現され、時間を忘れ聴き入る雰囲気を持っている。オーケストラでは、曲の荘厳さ、不気味さもさりげなく表現し作曲者の曲に込めた意図を感ずることが出来る。しかし、上級機種程の重厚感はない。再生ジャンルに偏りはなく、優秀録音ソースに不満無く対応できる能力を持っていると思います。
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1)手嶌葵 Aoi Worksより さよならの夏
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静かな背景に、手嶌の繊細な声が浮かび上がる。音像の分離や定位も良好で、音像のエッジが立つようなイメージでは無く、全体に溶け込むような音作り。刺々しさはなく、上品な雰囲気を醸し出す。声の浮き上がり方がよく、音像の分離も自然で、背景とのバランスも良く、存在感がある。哀愁を表現する音場が広がる。
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2)Sinne Eeg Face The Musicより月光のいたずら
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静寂だが、十分な解像力と押し出し感がある。声の滑らかさ、野性的な雰囲気、女性的な色気も表現する。レンジも広く、ジャズボーカルの躍動感を生き生きと伝えて来る。発声や各々の楽器の表現は非常に明瞭で、全ての音に、伸びやかなゆとりがある。
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3)Manhattan Jazz Orchestra SING SING SINGよりSING SING SING
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ビッグバンドを構成する各楽器の分離や、再現性が高く、引き締まった低音から、躍動感や迫力を感ずる。全体的にクールな音だが、各々の楽器の質感が良く、奥深く、実存感を感ずる。バンドが表現しようとする意図が明瞭。刺激的では無く、聴きやすいジャズで、聴き疲れしない。
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4)Beethoven:The Violin Sonatas Sonatas5
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綺麗な澄んだ音で、清々しさを感ずる。バイオリンの弦を弓が擦る音や、ピアノとの和音の作り方も明瞭で、クラシックの格調の高さを醸し出す。中高音の解像力の高さが印象に残る。バイオリンとピアノの躍動感も良く、演奏空間表現も程々に感ずる。聴いていて引き込まれ、音楽に浸りきる雰囲気を持っている。
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5)Mussorgsky 展覧会の絵 よりプロムナード、こびと
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オーケストラの各楽器の分離良く、生々しい。演奏会場の雰囲気は感ずるが、スケール感はそう大きくはなく、上級機種にみる重厚さは後退する。しかし、不満を感ずるレベルではない。曲の荘厳で、不気味な演奏をさりげなく表現し、演奏会場の雰囲気を伝えてくる。DENON特色の万人向け音作りに、クールで繊細さが加わった。
今宵は、八城一夫の「SIDE BY SIDE 2」を聴きます。菅野沖彦録音で、澄んだ音色と、艶やかでまろやかな響きのピアノの音が記録されています。間を活かしたコクのある演奏で、秋の静かな夜にぴったりな演奏です。A面はベーゼンドルファー、B面はスタインウェイとピアノを弾き分けており、音色の違いも楽しめます。
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