DS Audio DS-W3/DS-E1 試聴レポート

DS Audio DS-W3/DS-E1 試聴レポート

試聴レポート~お客様より~2024年1月

DS Audio DS-W3/DS-E1

2023年は、光電式カートリッジが注目された年であった。年末のStereoSound(ステレオサウンド)誌では、今年度優秀フォノカートリッジの分野に、DS Audioの「DS-W3」が1位、「Grand Master Extreme」が続いての2位、 「DS003」は5位、そして同位として「DS MASTER3」をランキングしている。フォノイコライザーアンプには、DS Audioの「DS Master3」「DS-W3 」さらに、光カートリッジにも対応したフォノイコライザーアンプでは、UESUGI(上杉研究所)の「U・BROS-220R」そしてSOULNOTEの「E2」がランクインしている。光電式カートリッジは、1960年ごろから製品化されたが、熱による音質の変化があり、それを最近のLEDや光検出器が課題を克服した。従来のカートリッジの発電方式では、高域で出力が増加し、低域で出力が低下する。しかし光学式カートリッジでは、高域も低域も、同じ出力が得られ、低域の再生能力が圧倒的に優れていると言う。

フォルム・技術的変更

●LEDと遮光板を左右2系統にすることにより、出力を40mvから70mvへ、チャンネルセパレーションを10db以上改善。S/N比の向上にもつながった。
●遮光板のサイズの減少と、無垢ベリリウムの採用により、50%以上の軽量化。
●カンチレバーには、ボロンを採用し、カートリッジベースには、アルミニウム合金を一体加工し、内部配線の太さを1.6倍にしてインピーダンスを低減している。

リファレンス機器

●カートリッジ:DS Audio/DS-W3、DS-E1、※DENON/DL-103R
●専用フォノイコライザーDS Audio/DS-W3 イコライザー、DS-E1イコライザー
●LPプレーヤー:LUXMAN/PD-151A
●プリアンプ:Accuphase/C-2900
●パワーアンプ:Accuphase/A-80
●スピーカー:YAMAHA/NS5000

DS Audio DS-W3/DS-E1 試聴

音の印象【DS-W3】

レコードの溝から、音を抉り(えぐり)出すように、非常に敏感に、繊細に、音を再現する。特にクラシックのソプラノ歌手アリアでは、あらん限りの声を発しているように響き、弦を擦る弓の音は震えが伝わるように響き、オーケストラでは各楽器の存在が宙に浮く。その再生される音は鮮烈という新しい要素であり、かつてない芸術性と、演奏をリアルタイムで聴いているような感覚は、オーディオの技術革新の新たな成果であろう。また各々が作り出す旋律は非常に明瞭で、かつ作曲者の意図がつかみ易い。POPS系のソースでは高域よりの音で、優しさや柔らかさを感じるような音では無く、またJAZZ系のソースでは、ピアノやギターの音が鮮やかに聴こえるが、全体の統一感は他に選択肢があるようにも感じる。ステレオサウンド誌によれば、上位機種の「Grand Master Extreme」が全ての音楽ジャンルをフラットに再現するとあるので、是非聴いてみたい気がした。 

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ジャンル別試聴【DS-W3】

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1)荒井由実  ミスリムから海を見ていた午後
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レンジ広く、定位良好で、解像力高く分離良好。優しさと落ち着きがあり、女性の声を魅力的に演出する。少しだけ高域が強調された音に感じる。

DS Audio DS-W3 試聴用レコード

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2)八城一夫 SIDE by SIDE 2 菅野沖彦録音
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アナログらしい中域の太い音。ピアノの質感や、ベースの引き締まった音や抜けが良い。ピアノの諧調が明瞭で、旋律の理解がしやすい。ギターも存在感を持って張り出して来る。演奏会場で聴いている様な臨場感がある生々しい音。引き締まった音とまろやかさが同居している感じ。録音の優劣を明瞭に表す。

DS Audio DS-W3 試聴用レコード

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3)ゲイリー ピーコック Tales of AnotherよりVignette
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硬い音では無く、ECM録音らしいまろやかさと、優美さを兼ね備えた音。音の分離良く、ピアノの旋律を明瞭に描き出す。ベースの音も明瞭で、リアルに再現する。ベースの弦を弾く指の動きが分かるよう。シンバルを叩くスティックの音も明瞭。録音の音をそのまま再現しているのか。

DS Audio DS-W3 試聴用レコード

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4)カルメン カラヤン指揮ウィーンフィルよりハバネラ
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オペラ会場の雰囲気が明瞭に再現され、歌手の存在感がある。ソプラノ歌手の技量の高さが明瞭に再現される。会場の深み、立体感、生々しい雰囲気を感じる。録音の良いレコードを如実に再現する。まさに、オペラ会場で聴いている様。分解性は非常に高い。

DS Audio DS-W3 試聴用レコード

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5)シューベルト アルペジオーネ ソナタ イ短調 D.821
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レンジ感広く感じる。チェロの深い音や、低音の沈み込み、弦を擦る弓の音や演奏技量等、生々しく再現される。まろやかで柔らかい音に、心惹かれて魅了される。伴奏のピアノの音も、優しくバランス良く再現される。

DS Audio DS-W3 試聴用レコード

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6)LA FOLIA: HARMONIA MUNDI盤 長岡鉄男外盤A級セレクション選定
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各楽器の音は非常に明瞭で、深みのある低音や、分離の良さを再現する。各楽器の質感も良く、優秀録音のすばらしさを表す。この録音の良さを感じるのは、今まで以上。非常にS/N比が高い。曲の楽しさが伝わってくる。定位が良く、全体的にバランス良好、レンジ感広い。

DS Audio DS-W3 試聴用レコード

音の印象【DS-E1】

光電式カートリッジの入門用で、低価格(10万円、専用フォノイコライザー10万円)光電式カートリッジの良さが味わえるような設計になっており、音は低音から高音までのバランスが自然。人はどんな音を良い音と感じるのか、十二分に分析して作られている。さらに歌手、各楽器の定位も良く、聴きやすさと、微量な繊細感を上手なバランスで作り上げているように感じた。 

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ジャンル別試聴【DS-E1】

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1)荒井由実  ミスリムから海を見ていた午後
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すっきりした軽やかさがある。定位も良く、伴奏の中に、歌手がクッキリと浮かび上がる。演奏会場で歌っている様な臨場感がある。音域バランスが良く、自然に聴こえ、このレコードはこのカートリッジの方が聴きやすい。

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2)八城一夫 SIDE by SIDE 2 菅野沖彦録音
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DS-E1は中域が充実した鳴り方で、ジャズの再現には、若干、音の太さがあっている。一音一音に重みがある。目の前で聴いている様な感覚がある。肩の力を抜いて音楽を聴き惚れる安心感がある。ベース、ピアノ、ギターと一体となったバランス感が良い。 

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3)ゲイリー ピーコック Tales of AnotherよりVignette
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再生される音像の統一感に魅了される。音はそれ程繊細では無いが存在感がある。レンジも広く、音像も明瞭、ジャズはこの再現の方が聴きやすい。ベースの音も躍動感がある。ドラムのシンバルの音も生々しい。ベースの弓を弾く、手の動きも明瞭。

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4)カルメン カラヤン指揮ウィーンフィルよりハバネラ
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DS-E1でも、歌手の実力の高さは良く分る。しかし、DS-W3の方が、極めて繊細で、分解性が高く、会場の雰囲気や奥深さを再現する。しかし、DS-E1でも会場の雰囲気や広がりは再現される。ソプラノの声にも破綻が無く、綺麗さやアリアのすばらしさは十分堪能できる。

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5)シューベルト アルペジオーネ ソナタ イ短調 D.821
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チェロ、ピアノの一体感は不満無く感じる。しかし、細部の繊細さは、DS-W3の方が上だが聴いていて不満が出るレベルでは無い。チェロの低音の深みや、ちょっとした気配や細やかな分解性は、DS-W3の方が上。音が太く感じる。

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6)LA FOLIA: HARMONIA MUNDI盤 長岡鉄男外盤A級セレクション選定
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やはり、音が太い。しかし、不満を感ずるレベルでは無い。音の分離良く楽器の質感は良く分り、全体的な統一感はある。レンジも広く、低音も深く、クラシックの尊厳さを表している。

音の印象※参考試聴【DENON/DL-103R】

●ムービングコイル形ステレオカートリッジ(MC)
●発電コイルに純度99.9999%(6N)の高純度銅線を採用
DL-103RはDS-E1同様、音の低音から高音までのバランスが良く、歌手やオーケストラの各パートの定位が自然で、音楽をあるがままに受け入れられる要素を持っている。ジャンルによる偏りは無い。完成度を高めるには、音像の繊細、明確化、明るく艶やかさ、まろやかなコク、さらに、音場の深み、S/N比の高さに発展していくのだが、価格を考えると、制限の中で高性能を発揮したカートリッジだと思う。

TODAY’SONG

今宵は シューベルト:アルペジオーネ ソナタ イ短調 D.821を聴きます。ピアノ:マルタ・アルゲリッチ チェロ:ミシャ・マイスキーです。アルペジオーネはギターの形をしたチェロで、音量が乏しく忘れられた楽器ですが、シューベルトの曲で名前をとどめています。ミシャ・マイスターは、チェロで演奏しており、そののびやかなスケールの大きさと、優美で憂いを含んだ旋律は魂まで揺すぶられる気がします。伴奏に回ったアルゲリッチも素晴らしいサポートをします。

シューベルト:アルペジオーネ ソナタ レコードジャケット シューベルト:アルペジオーネ ソナタ レコード再生

今週の生花:チューリップ、蘭(リカステ バージナリス)

春はまだ先ですが、花屋さんの店頭には春の花が出始めているようです。

店内フラワーアレンジ

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