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2018年発売、LUXMANの廉価版LPプレーヤーDP-151は、トーンアームメーカーの休眠により生産中止となったが、今年5月、後継機の「PD-151 MARK II」が発売された。AV BOX常設のYAMAHA GT-5000と価格的には違いがあるが、比較試聴して、性能の確認を行ってみた。標準価格は PD-151 MARK IIは393.800円、GT-5000は825.000円。
・トーンアームは、SAEC製のナイフエッジ支持のスタティックバランス型
・電流サイン派制御のDCブラシレスモーター
・アルミ材切削の4kgのプラッター、ベルトドライブ
・10mm厚のアルミ板から、主要部品を吊り下げる
・PD-151 MARK IIの質量は15.8㎏ 前作のDP-171Aの質量は25.8㎏、YAMAHA GT-5000の質量は26.8㎏で、質量が性能のすべてでは無いが、振動を抑え込む要素として重要なポイントである。
LPプレーヤーには、レコード盤から微細な振動を拾い上げるトーンアームの感度の高さと、ターンテーブルの安定した回転と、外部振動や内部振動を制御する事が必要で、高度な技術と厳選された素材が必要とされる。しかしその性能は、組み合わせる機材の性能とのバランスにより判定されるべきで、絶対的な評価と組み合わせ上の評価があり、難しい所がある。
■ LUXMAN PD-151 MARK II
音像の構成は、低音から高音まで、ピラミッドバランスの取れた物と感ずる。音楽を構成する声や楽器の存在感は、それなりに表現し、音楽の持つ表情は十分伝えていると思う。レコード盤には繊細感や、消え入るような余韻等の細かな音が含まれており、PD-151 MARK IIは、そこまでの再現性能は持ち合わせていないと思う。PD-151 MARK IIは中間に位置する性能と思います。
■ YAMAHA GT-5000
音の構成は、低音から高音までバランスの取れた物で、声の繊細感や、楽器の余韻等がリアルに再現される。空間に表現される声や楽器の存在感があり、空間的広がりや立体感も過不足なく再現される。DL-103がピックアップする微弱な信号を、高いS/N比を背景に伝えているように感ずる。
●リファレンス機材:
・LPプレーヤー/ PD-151 MARK II GT-5000
・カートリッジ/ DENON DL-103
・プリアンプ/ Accuphase C-2900
・パワーアンプ/ Accuphase A-75
・スピーカー/ YAMAHA NS-5000
●外観:トップパネル上に3点のパーツが配置され、シンプルで機能優先なデザイン
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■ LUXMAN PD-151 MARK II
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1,荒井由実 ミスリムから海を見ていた午後
音のバランスは良好で、声を中心に、伴奏との音像を上手く組み立てている。声の明瞭さと、曲の持つ哀愁感は伝わって来る。ただチョット表情が荒い。
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2,JAZZ KENNY CLARK THE GOLDEN 8
音のバランスと、各々の楽器の分離は良好。繊細さが十分伝わって来ず、ちょっと平面的か。でも、ブルーノートの音は味わえる。
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3,グレングールド ゴールドベルグ変奏曲
ピアノのダイナミズムやエネルギー感は伝わり、一音一音の明確さと、切れは良い。旋律を味わうのは十分なレベル。グールドの唸り声は聞こえる。ちょっと高域に歪感があるような印象を受け、音は明瞭だが、伸びやかさや余韻に欠ける。臨場感はある。
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4,DAVID OISTRAKH チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
オーケストラの重さを感じ、どっしりとした低音と、左右の広がりが良好。バイオリンの音が重厚に響き、演奏技巧が良く分り、格調高く響く。クラシックを味わう上での要素を持っている。音は澄んでいて、明瞭で分離良い。バイオリンソロとオーケストラのバランスは良好。綺麗なクラシック、不満は無い。聴きどころを上手く纏めてある。
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5,ブレンデル クリ-ヴランドSQ シューベルト 鱒
澄んで、美しい音だが、今一つ分離と、伸びやかさが無く、音像が重なる。レンジ感は狭いが、そこそこに聴ける。弦楽器の連続音の方が良い。ピアノの響きも雰囲気がある。余韻とか、立体感は味わえない。
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■ YAMAHA GT-5000
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1,荒井由実 ミスリムから海を見ていた午後
繊細感、透明感、音の存在感、歪感の無さ、レンジの広さ、分離感、立体感が過不足のないレベルで再現される。定位はピッタリ合う。ユーミンの声のデリケートさや、透明で静かな声質が、明瞭にわかる。しっとりと、落ち着いた哀愁感が漂う。
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2,JAZZ KENNY CLARK THE GOLDEN 8
音の分離良好。ブルーノートの音の迫力を感じる。各楽器の質感、分離感良好で、各々の楽器の存在感が生々しい。ピアノも重厚で音が綺麗。ピアノもドラムもビッグバンドのエネルギー感が出る。
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3,グレングールド ゴールドベルグ変奏曲
レンジ感広く、一音一音明瞭で、クラシックの品格ある表現。ピアノ演奏の技巧が良く分り、演奏を眼前で見ている様。(ピアノの音が澄んで、明るいのはDL-103の音色か)演奏会場の広さ、立体感が広がる。品位が非常に高い。
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4,DAVID OISTRAKH チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
音の繊細感を表現する能力が高い。オーケストラの存在感、バイオリンの細やかな技巧、深みのある音色が表現され、うっとり聞き入るレベル。オーケストラの迫力、重厚さが良く出る。
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5,ブレンデル クリ-ヴランドSQ シューベルト 鱒
重厚で品位あるアンサンブル。ピアノの高域は澄み、弦の震える様な調べが漂ってくる。各音のバランスが良好で、定位良く、五重奏の激しい音も、消え入るような音も再現する能力を持つ。演奏に陶酔するレベル。音楽の持つイメージを掴みやすい。
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LUXMAN PD-151 MARK IIは、音楽を構成する声や楽器をバランス良く再現する。どっしりとした低音の上に、骨格のある中高音を再現する。DL-103の持つピラミッドバランスの音を忠実に反映させている。YAMAHA GT-5000は同じ構成の音に、より深みのある繊細感や消え入るような余韻を再現する。やはり価格差は、性能差に反映されている。しかし、LUXMAN PD-151 MARK IIの持つどっしりとした骨格は、価格バランスの取れたアンプやスピーカーの組み合わせには、十分な性能を発揮する物と思います。
今宵は、ドナルド・フェイゲンのナイトフライを聴きます。力強い声と、軽いタッチのバックニュージックから軽快な世界が再現され、都会的で、ウキウキする気分が伝わってきます。
ラッパのような形が特徴的なカラーが生けてあります。花は中心の黄色い部分で、回りの花のように見える肉厚な部分は仏焔苞(ぶつえんほう)という葉が変化したものだそうです。
オンキョーが破産申請しました。負債は約31億円。スマートフォン等が普及し、シュリンクして行くオーディオ市場に対応できなかった。AV事業はシャープとヴォックスに売却し、ONKYOと言うブランドはシャープとヴォックスで残る。オンキョーは、松下電器にいた五代武さんが、外国製に対抗できるスピーカーを作りたい、と立ちあげた会社だった。ダイヤトーン、オンキョー、ビクター、ケンウッド等の59,800円のブックシェルフスピーカーの激戦時代は、オーディオ業界が一番華やかな時代だった。SCEPTER1001はJBLに一番近い音と言われた。E-ONKYO事業は、運営会社が変わっており、継続が決まっています。
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