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Sonus faber Olympica Nova V
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Sonus faber Olympica Nova V(オリンピカ・ノヴァ V)
3ウェイ5スピーカー、バスレフ型
ツイーター:H28 XTR3 ミッド・レンジ/ミッド・ウーファー:MW15 XTR2-04 各1基 ウーファー:W18XTR2-12 3基搭載
■標準価格:¥2,750,000(ペア・税込み)
■本体カラー:WALNUT(ウォルナットの突板半光沢仕上げ)
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2013 年発売[OLYNPICA]シリーズをリ・デザインしたコレクション。キャビネット・デザインやサウンド・コンセプトは“オリンピカ”を踏襲しながら、Sonus faber がこれまで手掛けてきた数々のコレクションから得た経験や感性、技術を駆使し、“オリンピカ”へのトリビュートとして生まれ変わった最新モデル。
形式 | 3ウェイ 5スピーカーバスレフ方式フロアスタンド型スピーカー |
使用ドライバー・ユニット 高域 | “H28 XTR3” 28mm アローポイントDAD シルク・ソフトドーム型 |
使用ドライバー・ユニット 中域 | “M15 XTR2-04” 150mm コーン型(ナチュラル・ファブリック) |
使用ドライバー・ユニット 低域 | “W18XTR2-12” 180mm コーン型 × 3 (セルロース / シンタクチックフォーム・サンドウィッチ構造) |
周波数特性 | 32~35,000Hz (ステルス・ウルトラフレックス含む) |
インピーダンス | 4Ω |
クロスオーバー周波数 | 250Hz / 2,500Hz |
出力音圧レベル | 90dB/W/m |
推奨アンプ出力 | 60~400W(クリッピングなし) |
最大入力電圧 | 22V rms |
スピーカー端子 | バイワイヤリング対応端子(HIGH / LOW) |
外形寸法 | W425mm×D530mm×H1175mm (本体部、突起部含む) |
質量 | 46kg/本 |
2020年12月に、「Sonus faber OLYMPICA NOVA Ⅲ」を取り上げ、清々しい雰囲気の中に音像を精緻に再現し、程よい厚みと、快活さを感じさせるものと報告した。今回は、「Sonus faber OLYMPICA NOVA V」を、同じリファレンス機材(アキュフェーズDP-750、C-2850、A-75)を使用し、同シリーズでありながら、どんな表情を見せるのか、試聴してみた。また上記組み合わせは、非常に高額になるので、駆動系でコストダウンしたら、どんな音質変化を及ぼすか、試聴してみた。組み合わせ例は、アキュフェーズDP-570とE-800で、上記組み合わせより、160万円のコストダウンである。
基本的には、「NOVA Ⅲ」と同系統の音であり、ツイーター、スコーカー、ウーファーのユニットは同じものである。スピーカーボックスの大型化と、ウファーが2個から3個になった為か、低音の再現性が増し、音像の輪郭の明確化と素早い反応が、声や演奏楽器の存在をより生々しい物にしている。精緻で明瞭な音像を優しく柔らかく包んでいるが、低音、重低音の再生が上質になった事により、凄みや躍動感をリアルに感ずる。ライブハウスやコンサートホールの雰囲気が、目前で感じられる様になった。
サランネットも含め、他のスピーカー機種には見られないデザインで、イタリア人のクラフトマンシップが活かされている。キャビネットの木目が特に美しく、トールボーイでも存在感が気にならず、落ち着いた感じでインテリアに溶け込むのではないかと思う。NOVAⅢとの比較では、容積が1.33倍、重量で1.31倍に大型化している。
プリアンプ:Accuphase/C-2850
パワーアンプ:Accuphase/A-75
プリメインアンプ:Accuphase/E-800
CDプレーヤー:Accuphase/DP-750
CDプレーヤー:Accuphase/DP-570
オールマイティではあるが、上品なクラシック系には相性が良好。アンプやCDプレーヤーの選択、またはアナログ再生でカートリッジを選ぶことにより、ハードバップジャズも聴けるのではないかと思う。最新のECMの録音には過不足はない。
【OLYPICA NOVA V/C-2850/A-75/DP-750】
1)VOCAL
基本的音色はOLYMPICAシリーズの柔らかい音で、低音のゆとり感、伸びが優れている。声も柔らかくふくよかで厚みがある。レンジの広さと音像の確かさがある。
2)JAZZ VOCAL
声や伴奏の存在が明瞭。低音の締まり具合は芯がある様で力強さもある。音の分離良好。ピアノの低音では大型楽器が実際に演奏されている様な鳴り方。低音に上質感がある。全体的には柔らかな、優しい表現。
3)JAZZ
全体的にゆとり感のある鳴り方でスケール感を感ずる。楽器の分離が良い。低音が上質になり、厚みが増し実存感が出る。聴き疲れしない楽しいジャズ。刺激的な鳴り方では無く表現は明瞭。
ブルーノート、エソテリック版SACDで「SONNY CLARK COOL STRUTTIN」の試聴では、低音が生々しく、ソニークラークの存在位置(後ろに定位する)が明瞭。やはり低音の厚み、音像の輪郭の明確化が演奏を生々しくしている。楽器の実存感に通じている。Sonus faberの音色が、クールで硬質であったなら、JAZZを生々しく鳴らすだろう。
4)CLASSIC PIANO
音の厚みがピアノの存在感につながり、コンサートホールで聴いているような上質な音。ピアノの音に色彩感があり非常に格調高い。左手、右手の演奏風景が見えるよう。静かな音も力強い音も過不足なく表現する。CDに記録された重低音も再現している。
5)CLASSIC VIORIN
オーケストラの存在感が生々しい。音に厚みがありバイオリンの生々しさに通じる。ゆとりのある優しい音。音の中に引き込まれる様。バイオリニストの技量がハッキリする音。スピーカーのどんな性能が貢献しているのか良くわからないが、演奏者の技量がよくわかる。
【OLYPICA NOVA Ⅲ/C-2850/A-75/DP-750】
1)VOCAL
爽やかな声、快活な表現。中高域がハッキリしている。低域は軽く弾む様な表現。声は明るく、明瞭で、これはこれで良い表現。若々しさが伝わって来る。
2)JAZZ VOCAL
快活で明瞭、女性の声が生々しい。生き生きとした表現は、NOVAⅢの方がふさわしいか。定位も良好。音の伸びも生々しい。グルーブ感はNOVAⅢの方が優れている。
3)JAZZ
音がハッキリしている。躍動感はⅢの方が出る。全体的な音場の実存感はVの方が良い。ピアノの音の勢いはNOVAⅢが良く出ていて軽く明快な音。
4)CLASSIC PIANO
爽やかで明快な音。コンサートホールの存在感を目指すと、NOVAVが上回る。しかし、上品な生き生きとした表現は良好。綺麗な音。
5)CLASSIC VIOLIN
オーケストラが軽やか。バイオリンの演奏はより明確で、理解しやすい。旋律の表現が明瞭。中高音よりの音像だが、ソロ楽器の存在は明瞭になり、曲風は良くわかる。
【OLYPICA NOVA V/E-800/DP-570】
1)VOCAL
爽やかな声は明瞭で、声の厚みが加わる。これはこれで良い表現。伴奏も低域の厚みと重厚感があり、音像の明確化とスケール感が増す。NOVAVの表情をポップス寄りにするにはこれも良好。プリアンプ、パワーアンプを通した音は、重厚さがある。
2)JAZZ VOCAL
女性の声に透明感があり綺麗。伴奏の楽器の存在感が自然で良い。音の分離良好。ピアノ、ドラムの存在感が出る。低音が充実する事により存在感や重みが増す。
3)JAZZ
やはり楽器の質感と重みが出ている。低音の充実に裏付けされている。JAZZの躍動感は、E-800の方が良く出ている。目の前で演奏しているような雰囲気はVが出る。
4)CLASSIC PIANO
ピアノの実存感が出る。演奏の深み、味わいはNOVAVの方が良い。左手、右手の動きを感ずる。音の分離良い。クラシックの重厚さは感ずる。軽やかなピアノで音は綺麗。高域の強調感はあるが、ピアノの重低音は再現する。スケール感は良好。
5)CLASSIC VIOLIN
音の密度は、DP-570+E-800でも損なわれない。明瞭な表現。バイオリン演奏者の技巧が良くわかる。明るく華やかに表現するが、クラシックの格調の高さは損なわれていない。
「OLYMPICA NOVA Ⅲ」を聞いたときは、快活で明るさのある表現に、非常にフレッシュな印象を持ったが、「OLYMPICA NOVA V」は、重厚さと、音像の明確さが増し、さらに凄みやエネルギー感も増して、ステージに一歩近づいたかの様な印象を持つ。それぞれ、持ち味が違うので、好みに応じて選択しても良いかと思います。また、レファレンス機材の、DP-750、C-2850、A-75を組み合わせると、高価になるので、コストダウンの意味で、DP-570とE-800の組み合わせを試聴したが、DP-570のきりっとした明快な表現と、E-800の華やかでフレッシュな表現が相まって、「OLYMPICA NOVA V」に軽やかな新鮮味が生まれ、これはこれで良いと思う。CDプレーヤーやプリメインアンプの音色を敏感に再生するので、メインに試聴するジャンルの音に合わせて、特色ある機材を選定すればよいかと思います。