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Accuphase A-300 純A級モノラルパワーアンプ
標準価格:1,485,000円(税込)
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回路・機構面全てに最新テクノロジーを結集、雑音特性の改善と高出力化によるA級動作領域の拡大により、音楽の持つ豊かな情感を再現できる、最高峰の性能と音質を実現
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スピーカーが持つ表現力を最大限に引き出す純A級モノラルパワーアンプ「A-300」
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●パワーアンプの理想形を実現した創立50周年記念モデル
A-300は創立50周年を記念し、新たな理想を掲げて完成したA級モノフォニック・パワーアンプです。パワMOSFET20パラレル・プッシュプル出力段は、従来モデルを25%上回る、125W/8Ω、250W/4Ω、500W/2Ω1000W/1Ωの出力と理想的な定電圧駆動を実現しました。また、フルディスクリート構成のバランス入力アンプにより、音響機器であることを感じさせない静けさを獲得しています。偉大な作曲家が描いた美しい旋律を、A-300の卓越した表現力でお楽しみください。
●Technology:先進の技術
A-300は、洗練された回路と厳選された素材を投入し、研ぎ澄まされた感性と新たな技術で完成したパワーアンプです。
■余裕のある大出力
A級動作パワーMOSFET 20パラレル・
プッシュプル出力段により、125W/8Ω、
250W/4Ω、500W/2Ω、1000W/1Ωの
リニア大出力を実現しています。
■高いノイズ性能
理想的なゲイン配分などの技術により、
従来モデルよりノイズ・レベルは20%改善
しています。
■高いダンピング・ファクター
ダンピング・ファクターは1000を達成、逆
起電力を制御しながらスピーカーを駆動し、
スピーカーの魅力を最大限に引き出します。
■理想的なゲイン配分
雑音指数の優れた信号入力部に、高いゲイン
(12.6倍)を割り当てることで、ノイズ・レベルを
大幅に向上させています。
■バランスド・リモート・センシング
バランスド・リモート・センシングは、スピー
カー端子の直近から信号と同時にGNDも
帰還をかけることで、ダンピング・ファク
ターを向上させます。
■インスツルメンテーション・アンプ
増幅部全体を構成するインスツルメンテー
ション・アンプは、信号入力部がバランス回路
であり、+側と-側の入力インピーダンスが
等しく、外来ノイズの除去能力に優れるなど、
オーディオ・アンプに最適な回路です。
■Double MCS+回路
MCS+(Multiple Circuit Summing-up)
回路は、電圧増幅段を2並列回路にする
ことで、理論上ノイズ成分を約30%低減
します。A-300はMCS+を2回路搭載した
Double MCS+回路を採用しています。
■カレント・フィードバック増幅回路
カレント・フィードバック増幅回路は、ゲインを
切り替えても周波数特性の変化がほとんど
なく、高域の位相特性に優れ、自然で躍動感の
あるスピーカー・ドライブを実現します。
定格出力 (20~20kHz, 0.05%) |
負荷 : 8Ω / 4Ω / 2Ω / 1Ω ノーマル/バイアンプ接続: 125W / 250W /500W /1000W ブリッジ接続 : 500W /1000W /2000W/ ー |
全高調波ひずみ率 (20~20kHz) |
ノーマル/バイアンプ接続 :2Ω / 0.05% 4~16Ω / 0.03% ブリッジ接続 : 4~16Ω / 0.05% |
IMひずみ率 | 0.01% |
周波数特性 | 定格出力時 :20 ~ 20kHz(+0,-0.2dB) 1W出力時 :0.5~160kHz(+0,-3.0dB) |
ダンピング・ファクター | 1000以上 |
入力インピーダンス | バランス入力/ライン入力 :40kΩ/20kΩ |
入力感度 |
出力 : 定格出力時 1W出力時 ノーマル/バイアンプ接続 : 1.26V / 0.11V ブリッジ接続 : 1.26V / 0.056V |
S/N (A補正、入力ショート) |
GAINスイッチ MAX時/ -12dB時 130dB/135dB |
ゲイン |
GAINスイッチ : MAX /-3dB/ -6dB /-12dB ノーマル/バイアンプ接続 :28dB /25dB /22dB /16dB |
負荷 インピーダンス |
ノーマル/バイアンプ接続 :2~16Ω(音楽信号に限り、1~16Ωが可能) ブリッジ接続 : 4~16Ω(音楽信号に限り、2~16Ωが可能) |
パワーメーター |
形式 : 対数圧縮型、表示消灯機能付 表示範囲 :-∞~+3dB ホールドタイム: 1秒/∞ 切替式 |
電源 | AC100V 50/60Hz |
消費電力 |
無入力時 :230W 電気用品安全法: 485W 8Ω負荷定格出力時: 340W 待機時 :0.3W |
最大外形寸法 | 幅465mm×高さ240mm×奥行515mm |
質量 | 46.0kg |
2022年10月下旬、Accuphaseより、創立50周年モデルの第5弾、純A級モノフォニック・パワーアンプ「A-300」が発売された。カタログ上では、革新的な技術と思える項目は見当たらず、A-75やP-7500を開発していった技術を背景に細かな点を改良し、完成度を高めているように思える。また、Accuphaseでは、若い技術員たちとベテラン技術員のプロジェクトで製品開発を行っているという話も伺った。そんなフレッシュな感性を頭に描きながら試聴を行った。
・出力が125W/8Ωとなり、前作比25%UPとなる。MOS FET をフェアチャイルドセミコンダクター社製に変更。A級領域の電気信号を制限なく流せるようになった。消費電力が下がる。ロック等の連続打撃音にもストレスなく対応できる。
・S/N比は3割下がる。オペアンプの代わりに、ディスクリートを入れ、ゲインの配分を変更。ノイズの増幅を押さえられる。
・トランスとコンデンサーの位置変更 トランスは横方向、コンデンサーは縦方向にノイズがでる。トランスは筐体の後方、コンデンサーは前方に配置し、コンデンサーの下の配線がノイズの影響を受けないよう配置。大きな筐体ゆえ有利に展開できる。
・内部の抵抗値を下げて、ダンピングファクターを上げる。ブリッジ接続をすると、ダイピングファクターは、1/2に落ちるが、アキュフェーズでは片チャンネルで1000以上確保している。
・外観 取っ手を太くし、力感をつける。フロントメーターの スライドメーターとW表示が前回より逆になっているので、安定感がある。サイズ、重量は変わってない。
・ダンピングファクターの向上は、ウィルソンオーディオやマジコ等を駆動する時に効果を発揮する。この機種は、ダイピングファクターが高い方が良い。
・プリアンプ:Accuphase/C-3900
・パワーアンプ:Accuphase/A-300
・CDプレーヤー:Accuphase/DP-750
・スピーカー:Bowers & Wilkins/802 D4
・スピーカー:YAMAHA/NS-5000
高価な製品をヒアリングしてきた私だが、A-300×2+DP-750+C-3900+802D4の組み合わせは出色であった。物事の描写に、絵画→写真→実像の段階があるなら、今回の組み合わせは、限りなく実像に近いように思える。絵画は作者の意匠を込めることにより芸術と成るが、アキュフェーズは、純粋に描写の精度を上げることで音楽の芸術性を高めているように思える。ハイエンドの製品では、美音を演出しリスナーを魅了する方向も見られるが、アキュフェーズは音楽と言う芸術をありのままに伝えることが究極の目標と考えているように思う。
今回の組み合わせでは、C-3900のS/N比の高さ、低歪に加え、A-300のS/N比の高さ、低歪が功をなしている。高性能のMOS FETの採用によりA級再生に制約がなくなったこと、トランス、コンデンサーからのノイズを回避したこと等が微弱信号の再現に貢献していると、個人的には思える。
試聴ソフトの平原綾香、森麻季、ロバータ ガンバリーニの歌声は旋律の完成度を越えて、曲の解釈、歌に載せる思い、その思いを表現する技巧が生々しく伝わって来る。アリス沙良オットーのピアノにも、ヒラリーハーンのバイオリンにも、曲への情熱と多彩で高度な演奏技巧が伝わってくる。オーケストラの重厚な迫力は体感するように伝わり、力強さに溢れている。収録して編集を経た記録ではあるが、芸術の生々しさ、臨場感を味わうのに十分な世界だ。またCDにはこれほどまでに情報が入っているのかと再認識した試聴であった。
従来、マランツ#9やマークレビンソンNO23.5Lに見られる、モノアンプ×2の音は、一つ一つの音像がクッキリと浮かび上がるが、A-300は空間の中に自然と溶け込み、より深い存在感がある。
■■ジャンル別試聴
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1)JPOP:女性ボーカルと伴奏のチェロの弓引き
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歌手の発声、強弱の付け方、時として伸びやかに歌う表現が、リアルに響く。伴奏のハープ、チェロの音色も低域に深みがあり、濃厚な表現をする。平原綾香が目の前で歌ってくれているよう。歌手の歌の解釈、表現したいことへの思いが伝わってくる。繊細さと力強さが両立している。
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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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歌手の声は伸びやかで、自然感に溢れている。実際の声は、こんなんだろう、と思わせる。ノイズ感と、歪感が無い。歌手の曲への解釈と、表現力の深さを感ずる。会場全体の躍動感が伝わる。ピアノも自然に鳴っている。ゆとり感と重みがあり、艶やかでコッテリ感がある。程よい肉厚感がある。
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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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演奏会場の雰囲気が伝わって来る。音の分離良好。アルトサックスの胴鳴りが自然で、濃厚にもかかわらず、音の切れが良い。サックスの軽やかさが、程よい肉厚感を持って表現される。リアリティに富んでいる。伴奏のピアノの音も、鮮やかに聞こえる。
※番外(エソテリック盤 クールストラッテンよりブルーマイナー)
ジャッキーマクレーンの音がのびのびして鳴っている。聴いていてストレスが無い。バックのソニークラークの音も、奥行き感を持って鳴っている。存在感がある。曲や演奏が分かりやすい。リアリティがある。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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コンサートホールの特等席で聴いているよう。ホールの残響もこんな状況なのか、と思わせる。ピアニストの曲への理解、どのように表現するかの意欲、多様な表現技巧を味わうのに十分なレベル。低音の再現も自然で圧倒される。コンサートホールの残響が自然。
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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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オーケストラ会場の雰囲気がそのまま。一つ一つの楽器が分離して鳴っている。バイオリンが憂いを帯び、心の中まで響くように奏でられる。弦の震えるような音、バイオニストの表現力、演奏技巧、全てが完成度高いのが良く分る。演奏の中に引き込まれる。演奏技量の完成度の高さ、卓越ぶりが良く表現される。
※番外:森麻季
スタンディングアローン 静岡音楽館AOIで聴いたままである。
まず、NS-5000を802/D4と比べるには無理がある。NS-5000はウーファーが30cm単体に対し、802/D4は、20cmダブルである。スピーカーボックスの容量も違いがあり、低域の量感や音の厚みに差が出てくる。しかし、NS-5000は常時リファレンスにしているスピーカーなので、あえて試聴してみた。音は、クールな透明感に満ち、音像の分解性も高く、格調高く音楽を奏でる。十分な繊細さも持ち合わせている。しかし、オーケストラ会場の地鳴りのような圧迫感は薄く、楽器の厚みも少し薄く、リアリティはちょっと後退する。しかし、C-2900+A-75やP-7500の試聴で感じたアンプとの一体感、再生される音楽との一体感は、心に響くものがある。オーディオ再生にはバランスも必要と感じた。
■■ジャンル別試聴
-------------------------明るく華やかな声で、平原綾香がフレッシュで若々しい。定位、音の分離良好。音の表現がちょっと平面的に成るが、全てに若々しく、精細な表現は十分。聴いていて物足りなさは無い。NS-5000の低音が豊かに鳴り、駆動力が凄い。音楽の芯のような所はしっかり反映されている。
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2)JAZZ VOCAL:女性ボーカルと、伴奏のジャズトリオ
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やはり、若々しい表現。声がのびやかで、軽快感がある。ベースもタッチが良く分り、のびのびしている。軽やかなベース。伴奏のピアノも若くフレッシュ。音の重みも感ずる。雰囲気に乗れる音楽表現。分かりやすい表現。
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3)JAZZ:ビッグバンドを背景にしたアルトサックスのソロ
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音がB&Wより硬質な印象を受ける。NS-5000の方が高域よりの音で、B&Wはダブルウファーの量感が効いているように思う。アルトサックスの胴鳴りはリアリティがあり、全体的に躍動感がある。単体で聴けば十分な表現力を持っている。B&Wは演奏会場の雰囲気まで表現していて、しっとりと落ち着いた感がある。
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4)CLASSIC PIANO:ピアノソロ、グラモフォンの録音
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硬質で躍動感がある分、旋律が分かりやすい。指先がころころと、鍵盤を動き回る様子がわかる。重低音も出て、全体的なバランス良好な表現。ピアニストの情熱を感ずるには十分な印象。
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5) CLASSIC VIOLIN:オーケストラとバイオリンの協奏曲、グラモフォンの録音
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明るく硬質的な表現で、オーケストラの尊厳さは感ずるが、スケール感はちょっと後退。しかし、バイオリンの弦の震え憂いを帯びた表情、クラシック表現の格調の高さ、音のクリヤーさ硬質さを良く表現する。演奏者の技巧、曲の解釈を良く表現する。